白昼夢の視聴覚室

犬も食わない

コント地獄

「お金があれば→戦争です」の話。

反戦のメッセージを込めた楽曲、いわゆる“反戦歌”の中には、敢えて戦争を推奨するかのように歌い上げているものも少なくない。例えば、泉谷しげるの『戦争小唄』などは、その代表的な作品といえるだろう。「国が認めた戦争だ みんなで殺そう戦争だ」という歌…

バカリズム『銀行弱盗』について考える。

例えば、目の前にピストルを手にしている人物がいるとする。 ピストルが脅威であることを私たちは知っている。実際にピストルを目にしたことがなかったとしても、それがどのような効果をもたらす道具であるかを、私たちはドラマや映画、或いは海外のニュース…

かが屋「好きなように生きる」を考える。

かが屋のコントは易しくない。 彼らのコントはボケとツッコミの関係性を明確にしないことが多いため、そのネタに込められた意図は観客が組み取らなくてはならないことも少なくない。そして、多くの観客は、舞台上で起こっている現象の「誰も悪くない雰囲気」…

Conva「16:45」の感想文。

※この記事はネタバレを含んでいます。本編動画を鑑賞してからお読みください。 兄の手術の成功を祈っていた妹(吉原怜那)の元へ、二人の医者(医者A(田野)・医者B(警備員))が悲しい報告にやってくる。現実を受け止められない妹は、その怒りと悲しみか…

さらば青春の光『おっさん』の話。

中華屋の店主(森田)と常連客(東ブクロ)、二人のおっさんが野球中継を見ながら下らない戯言を交わしていたのだが、店主のおっさんのとある冗談に対して、常連客のおっさんが黙り込んでしまい……。 日常的な風景にとある要素が付け加えられることで笑いへと…

ライス『あっちとこっち』の感想文。

※今回の記事にはネタバレが含まれています。事前にコントの動画をご覧になられてからお読みください。

ゾフィー『遺産』の感想文。

※今回の記事にはネタバレが含まれています。事前にコントの動画をご覧になられてからお読みください。

アンガールズ『常連のお店』の話。

私のように偏狭で付き合いの悪い人間にも、友達と呼ぶに値する人間が何名か存在している。ただ、私が友達と思い込んでいるだけで、向こうが私のことをどう思っているのかは定かではない。知人と思っているかもしれないし、バカだと思っているかもしれない。…

GAG『転校生』の話。

「ルッキズム」という言葉がある。人を外見の美醜で評価する考え方を示すものだ。ざっくりと調べたところによると、1960年代のアメリカで誕生した「ファット・アクセプタンス運動」という、肥満体の人間に対する「意志が弱い」「怠惰」などといった偏見に基…

シソンヌ『別れ』の話。

お葬式という場は笑いを生み出しやすい。 無論、通常のお葬式においては、笑いは禁物である。故人を悼み、遺族を労い、最期の別れを涙ながらに噛み締める場で、笑いはとても許されるものではない。だが、現実の世界において、徹底的に厳粛でなくてはならない…

タイムマシーン3号『カツアゲ』の話。

私は怒っている。主にタイムマシーン3号に対して怒っている。 タイムマシーン3号が『爆笑オンエアバトル』ないし『オンバト+』について、その王者としての立場から、番組のシステムについて茶化したような態度を取っていることに、本当に怒っている。番組の…

海老車『立てこもり』の話。

笑いの元は「緊張と緩和」である。 なにやら偉そうな文言だが、何も私が勝手に言い出したわけではない。上方落語の伝説、二代目桂枝雀が提唱した持論である。余談になるが、枝雀の落語を観たことがない人は、一度だけでも観ておいた方が良い。既に亡くなられ…

Conva『天才』の話。

コントのオーソドックスな手法に「有り得ないもの同士を掛け合わせる」というものがある。居酒屋やラーメン屋などといった日常的なシチュエーションに、本来ならば有り得ない要素を掛け合わせることによって、現実には起こり得ない歪みを生み出し、笑いへと…

空気階段『警察』の話。

人生は出会いと別れで出来ている。 古いアルバムを開いてみると、当時は仲良くしていた筈のクラスメート、お世話になった教師、近所に住んでいる人たちの姿を確認することが出来るが、その大半の人たちが今、何をしているのかを知ることはない。時折、彼らに…

サツマカワRPG『パン』の話。

芝居において最も観客が注目するのは役者の演技である。 どんなにハデな音楽が流れようとも、どんなに豪華なセットが組まれていようとも、観客は役者の一挙手一投足にこそ目を見張る。多くの芝居において、物語は演者を中心に展開するものであると認識してい…

「すいません!誰か私たちに「しなきゃいけないこと」をください!」

一昔前に「自分探しの旅」という言葉が流行した。 旅に出て、非日常の時間を過ごしながら、自らを見つめ直す行為を表した言葉である。これに対する反論として、もとい、一種の揶揄として、「自分なんて探さなくても、そこにいるだろうが」というものがあった…

バカリズムの『ヌケなくて…』を考えてみる。

バカリズムの最初期のネタに『ヌケなくて…』というコントがある。 『ヌケなくて…』は、バカリズムがコンビを解散し、ピン芸人としての活動を開始した直後の2006年1月に開催した単独ライブ『宇宙時代』の中で、『トツギーノ』『野球官能小説』とともに披露さ…

リハビリコント雑談:イッセー尾形『生物教師』

イッセー尾形ベストコレクション2004 コンプリートBOX [DVD] イッセー尾形 Amazon お盆休みの連休中、酒浸りになっていた後遺症なのか、心の様子がどうも宜しくない。具体的にいうと、何もやる気が起きない。ふと、「ブログを更新しよう」と思い立ったとして…

コント『できるかな』は本当に面白いのかを考える。

いつもお世話になっております。すが家しのぶです。 東京オリンピックの開会式から間もなく二週間が経とうとしています。ホームでの大会だからというのもあってか、日本人選手による金メダルラッシュが続き、そもそもスポーツ観戦にこれっぽっちも興味を持っ…

ラーメンズと差別と

ラーメンズ第8回公演『椿』 [DVD] ラーメンズ Amazon いつもお世話になっております。すが家しのぶです。 皆さんはラーメンズという芸人をご存知でしょうか。ラーメンズは多摩美術大学の同級生だった小林賢太郎と片桐仁によって1996年に結成されました。コン…

野次馬と責任とテンダラー

$10 LIVE~ベストコントヒッツ!? [DVD] $10 Amazon いつもお世話になっております。すが家しのぶです。 突然ですが、皆さんは野次馬になったことがありますか。自分の身近なところで、何か事件や事故が発生したときに、その場で困っている赤の他人に救いの手…

アンジャッシュはもう取り返しがつかない

アンジャッシュ単独公演 「五月晴れ」 [DVD] 児嶋 一哉 Amazon どうも、すが家しのぶです。全てを知っているようで知らないことばかりです。 『ピタゴラスイッチ』を手掛けたことで知られる佐藤雅彦氏の文章を読むのが好きで、新刊が出るたびに購入していま…

償いと赦しとアンガールズ

アンガールズ単独ライブ「~ゴミにも息づく生命がある~」 [DVD] アンガールズ Amazon どうも、すが家しのぶです。大変な時代に生きております。 三十代半ばにして、突如としてさだまさしブームが到来しました。Spotifyでさだまさしのコンサートでのトークをま…

“オウム返し”とうるとらブギーズ

うるとらブギーズ単独ライブ「ultra very special boogie」 [DVD] うるとらブギーズ Amazon どうも、すが家しのぶです。良い思い出に浸りがちな年齢です。 古典落語に「他人から教わったことを再現しようとして失敗する」という手法があります。有名な演目で…

生と死とシソンヌ

シソンヌライブ [trois] [DVD] シソンヌ Amazon どうも、すが家しのぶです。皆さんは大事な人の最期を看取る覚悟がありますか? 妹を事故で亡くしてから今年で九年が経ちました。あの日のことは今でも昨日のことのように思い出せます。週末の夜、いつものよ…

栄光の陰に隠れている現実をさらば青春の光は暴き出す

さらば青春の光単独公演『会心の一撃』 [DVD] さらば青春の光 Amazon どうも、すが家しのぶです。 皆さんは先日放送された『キングオブコントの会』をご覧になりましたか。私は放送時に外出していたので、まだ見られていません。録画はしてあるのですが、三…

無邪気な悪意とともにラーメンズは踊るのだ

私がお笑い芸人のDVDを収集するようになるきっかけとなった作品が、大学の入学式を控えた2003年の春に気まぐれで購入したラーメンズのベスト盤『Rahmens 0001 select 』であることはこれまでにも何度か書いてきました。当時、お笑い芸人のライブ映像といえば…

善意で舗装された道の上でラバーガールは高らかに笑う

色々とうんざりする毎日ですね。皆さんはうんざりしていますか? 私は最近、Twitterのタイムラインを流れてくる、新型コロナウィルス関連の情報のまとまりのなさにうんざりしております。なんですかねえ。なんなんですかねえ。パンデミック直後はもうちょっ…