白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

2023年4月のリリース情報

26「CHOCOLATE PLANET LIVE TOUR 2022 「CHOCOHOLIC」

『ぺこぱのオールナイトニッポン0』終了を受けて、想像していた以上に落ち込んでいる自分に驚いているすが家です。『CreepyNutsのオールナイトニッポン』や『シソンヌの“ばばあの罠”』が終わるのも寂しいですが、プロの芸人らしからぬゆるーいトークが心地良い空気感を生み出していた『ぺこぱANN0』は、まさしく唯一無二の番組だったように思います。ネタを書かない成田さんのことを、保護者のような目線で見つめる松井さんの距離感がまた良かったんですよね。……終了することについて、もうちょっと他のパーソナリティにも触れられてほしかったな、という気持ちも少々。クリピに比べて、あまりにも放置されすぎじゃないですかね。

それはそれとして四月のリリース予定ですが、気になる作品は一枚きりとなります。昨年夏から秋にかけて全国ツアーが敢行された、チョコレートプラネットの単独ライブ映像ですね。ヨーロッパ企画の諏訪雅氏が演出に招いた、とても意欲的なライブとなっております。今まさにノリにノッているチョコプラのライブということで、とんでもなく面白いことになっていそうですねえ。ちなみに、チョコプラがDVDをリリースするのは、2018年の『チョコレートプラネット vol.2』以来、およそ五年ぶりとなります。

これ以外の作品は、いずれもテレビ関係のものとなります。5日には『有吉の壁「Break Artist Live’22 2Days」』、12日には『東野・岡村の旅猿21 プライベートでごめんなさい・・・ 何も決めずに 愛媛県の旅 プレミアム完全版』『東野・岡村の旅猿21 プライベートでごめんなさい・・・ 和歌山県で岡村マグロ解体ショーへの旅 プレミアム完全版』、26日には『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!(祝)ダウンタウン結成40周年記念Blu-ray 初回限定永久保存版(28)(愛)D-1グランプリ完全版+発掘!超貴重映像コレクション』がリリースされる予定になっています。『ガキ使』には1995年にビデオテープでのみ発売された『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!幻の傑作漫才全集』の映像がリマスターされた状態で収録されているらしいので、ファンの方なら必見では。

明けて5月は、東京03の毎度おなじみ単独公演に加えて、ナベプロ芸人たちによるユニットライブがリリースされるみたいですよ。

「ベストのや団」(2023年2月22日)

2022年12月1日に東京・角筈区民ホールで開催されたライブを収録。

や団はソニー・ミュージックアーティスツ所属のトリオだ。本間キッド、中嶋亨、海野健太郎によって2004年に結成された。しかし、2007年に海野が就職・結婚を理由に脱退。ピン芸人として活動していたロングサイズ伊藤が加入して、現在の形になる。『キングオブコント』には第一回大会から出場。長きにわたり予選敗退の苦汁を舐め続けていたが、2022年に初の決勝進出を果たす。ファーストステージで470点の高得点を叩き出し(コットンと同点)、ファイナルステージへ駒を進めるも、結果は三位。しかし、それは長らく地下に埋もれていた彼らにとって、初めて日の光が当てられた瞬間だった。本作は、そんなや団にとって、初めての映像作品集である。

本編には八本のコントを収録。一本目にファーストステージで披露された『バーベキュー』、八本目にファイナルステージで披露された『雨』を配置する構成が手堅い。『バーベキュー』は、当時よりも少し早めのテンポで演じられていたような印象を受けたのだが、気のせいだろうか。DVD収録用のベストライブということもあって、少し気分が高揚していたのかもしれない。『雨』は、キングオブコントの時にはあった軒下のセットが設置されていない状態で演じられているため、ずぶ濡れの男が暴走する状況の危うさが少しだけ弱まっていて、少し残念だった。舞台セットがコントに与える影響の重要性について考えさせられる。とはいえ、どちらのコントもやはり、とても面白かった。

『バーベキュー』『雨』以外のコントも秀作揃い。かつて役者を志望していた警官が強盗役を全力で演じる『防犯訓練』、ウエディングプランナーが婚約者の元カレでいちいち引っ掛かる情報を小出しする『ウエディングプランナー』、演者に灰皿を投げつけるタイプの演出家の元に鈍器のような灰皿が用意され……『演劇の稽古』などなど、シンプルで笑えるコントの目白押しだ。ネタの多くは、ロングサイズ伊藤によるアクの強い演技を軸に作られており、そこに天然ボケの空気を醸し出している中嶋がブーストを加える。そんな二人に巻き込まれるツッコミ・本間キッドの悲愴感を覚えないやかましさが絶妙なバランス感を生む。清く正しく正統派のトリオコントといえるだろう。

個人的に印象に残っているのは『街の喧嘩』と『ペンション』。『街の喧嘩』は、「路上で喧嘩を始めた二人の姿がなんだか八百長っぽい」という違和感の理由が、少しずつ明らかになっていく掘り下げ型のコント。中嶋と伊藤のウソ臭い演技と、違和感の理由が明らかになる瞬間のバカバカしさがたまらない。一方の『ペンション』は、自らの死亡フラグに気付いてしまった男が、なんとか生き残ろうと模索する様子を描いたコント。シチュエーションに振り回される本間とアクの強い演技の伊藤、そこにさらっと加わるコミカルな役回りの中嶋……というバランスが絶妙で、非常に面白かった。今回、本編で披露されたネタの中では、これが一番だったかもしれない。

これらコントに加えて、幕間映像として「本間キッドの新居改造計画」を収録。本間の留守中、その新居に中嶋と伊藤がこっそり忍び込んで、豚骨ラーメンを仕込み出したり、収納スペースを増築したり、やりたい放題している様子を撮影したものである。キングオブコント決勝進出後に撮影された映像ということもあって、さぞ良い部屋に引っ越したのだろうと想定しながら観始めたのだが、これが如何にも若手芸人の部屋といった雰囲気のワンルームで、売れない芸人の厳しさをまざまざと感じさせられてしまった。頑張れ。映像そのものについては上々の出来。巧みな編集によって、二人の無邪気なヤバさを強調した内容で、とても楽しかった。……ただ、後になって、や団の三人による副音声コメンタリーを聴いてみると、この幕間映像の中ではまったく触れられていない、とんでもないことがこっそり起きていたことが語られていて、もはや素直に笑いづらい映像になってしまった。また引っ越した方が良いのでは……?

また、特典映像として、番組の企画(おそらくAbemaTVの『芸人代理戦争』)でバイきんぐ・西村瑞樹がや団に書き下ろしたコント『盲腸』も特別収録。本来、ネタ書き担当ではない芸人が書いたコントということで、とんでもなくヒドい内容になっているのではないかと心配していたのだが、これが意外にもしっかり世界観から作り込まれていて、なかなか面白かった。こういうフィクションの発想がある人が、あのクレイジーなバイきんぐのコントをやっているのかと思うと、なにやら味わい深い。

バイきんぐやハリウッドザコシショウ、マツモトクラブなどのように、ベスト盤のリリースをきっかけに、続々と映像作品を世に送り出し続けている芸人も少なくないソニー・ミュージックアーティスツ。や団はその流れに乗るのか、それともこれっきりなのか。とにもかくにも今年のキングオブコントでの活躍に期待したい。

・本編(62分)
「バーベキュー」「防犯訓練」「ウエディングプランナー」「事件現場」「演劇の稽古」「街の喧嘩」「ペンション」「雨」+幕間映像「本間キッドの新居改造計画」

・特典映像(13分)
「盲腸」

・音声特典
「や団による副音声コメンタリー」

先週作ったクイズリスト

先週、あまりにも仕事が退屈だったので(おのれ不景気!)、クイズメーカーというサービスを使って、色んなクイズを作ってました。作ったクイズはTwitterの方で随時公開していたのですが、放っておくとどんどんタイムラインの海底へと流れていってしまうので、ブログの方でもまとめておこうと思い、今回の記事に至った次第であります。

以下、そんなヒマつぶしのために、産み落とされたクイズです。

最初に作ったクイズが「爆笑オンエアバトルクイズ」です。思い入れの強い番組ということで、けっこう簡単に作成できたのですが、一度に10問までしか登録できないことを知らなかったため、かなり初期の出来事に関するクイズになってしまいました。もうちょっと全体の歴史を考慮したクイズを改めて作りたいですね。

 

R-1ぐらんぷり」の過去の出来事をあまり記憶していないことに気付き、思い出すために作ったクイズです。そんなわけで、オンバトに比べると、かなり難産でした。

 

自分の専門分野でもやっておこうと考え、実際に作ってみたクイズです。一昔前のシリーズに関するものが多く、マニア度数もかなり高め。

 

現時点で一番プレイされているクイズです。みんな好きだなあ。現在から過去へと振り返る構成にすることで、大会全体をまんべんなく捉えたクイズにしようと考えたのですが、けっこう変な問題ばっかりになってしまったような。2014年大会の問題とか。

 

一度、真っ直ぐにベタなテーマを作ってみようと思い、かなりメジャーに寄せたクイズです。もっとも大衆向けの内容になったと思うのですが、かえって個性が埋没してしまったような気もします。

 

以前から抱いていた「芸能人って、ある程度の年齢を超えてしまうと、誰が何歳なのかさっぱり分からなくなってしまうよな」という感覚を、そのままクイズにしてみました。けっこう意外性のある問題を作ることが出来たのではないかと思いますが、どうでしょうか。

 

また機会があれば、新しいクイズを作ってみようと思います。それでは。

「THE SECOND ~漫才トーナメント~」選考会敗退組表

・1977年
パピヨンズ(松竹芸能)※元「ミヤ蝶美・蝶子

・1988年
シンデレラエキスプレス松竹芸能

・1989年
しましまんず吉本興業

・1990年
X-GUNホリプロコム
はりけ~んず(吉本興業

・1993年
シンクタンク吉本興業

・1994年
ダイノジ吉本興業
ダーリンハニー太田プロダクション

・1995年
ブラックパイナーSOS太田プロダクション

・1996年
パタパタママ吉本興業

・1997年
青空(吉本興業
エルシャラカーニサンミュージックプロダクション
ガッポリ建設(フリー?)
トータルテンボス吉本興業
レイザーラモン吉本興業
ロッテンダ(吉本興業

・1998年
ヴェートーベン(フリー)
烏龍パーク吉本興業
サカイスト吉本興業
ザ・パンチ吉本興業
西麻布ヒルズサンミュージックプロダクション
ファミリーレストラン吉本興業

・1999年
浮世亭とんぼ横山まさみ松竹芸能
キャン×キャンライジングプロダクション
チャド・マレーン吉本興業
チョップリン吉本興業
天津(吉本興業
飛石連休サンミュージックプロダクション
宮田陽・昇マセキ芸能社

・2000年
ヴィレッジ(浅井企画
磁石(ホリプロコム
すずらん(フリー)
タリキ(ソーレアリア)
ななめ45°ホリプロコム
響(ビクターミュージックアーツ
ヘッドライト(吉本興業
ボルトボルズ松竹芸能
ラフ・コントロール吉本興業
ロケット団グレープカンパニー
ロビンフット(SMA)

・2001年
イシバシハザマ吉本興業
いち・もく・さん松竹芸能
LLR吉本興業
キャベツ確認中吉本興業
三拍子(サンミュージックプロダクション
チーモンチョーチュウ吉本興業
東京ペールワン西口エンタテインメント
ニードル(お笑い集団ティーライズ
バンジージャンプ吉本興業
飯能BBQ(吉本興業
ふうらいぼう。(WAHAHA本舗

・2002年
あどばるーん(ソーレアリア)
ワンワンニャンニャン松竹芸能

・2003年
遊び屋(フリー)
アンダーポイント(吉本興業
オキシジェン(ホリプロコム
おしどり(吉本興業
女と男(吉本興業
かりんとう吉本興業
ガンリキ(プロモーション・ススム)
こりゃめでてーな(吉本興業
ジョイマン(吉本興業
スマイル(吉本興業
ダブルネーム(トップ・カラー
ハンジロウ(マセキ芸能社)※元「しゃもじ」
BAN BAN BAN(吉本興業
ひこーき雲(スパンキープロダクション
フロントライン(吉本興業
ヤング(フールズ)
レアレア(吉本興業
我が家(ワタナベエンターテインメント

・2004年
アモーン(浅井企画
クロスバー直撃(吉本興業))
span!吉本興業
天狗(吉本興業
ばいそん(フリー)
風藤松原太田プロダクション
ゆったり感(吉本興業

・2005年
タナからイケダ吉本興業
ナインボール(フリー)
虹の黄昏(フリー)
ぽ~くちょっぷ(サンミュージックプロダクション
本田兄妹(プロダクション人力舎
蓮華(吉本興業
ロングロング(ワタナベエンターテインメント

・2006年
インデペンデンスデイ浅井企画
雷ジャクソン松竹芸能
コンパス(ユニバース)
新宿カウボーイ(フリー)
ツーライス(3Dエンタテインメント)
ものいい(吉本興業

・2007年
イタリアン・シガー・ブルドッグライジング・アップ)
浦添ウインドゥ(吉本興業
鬼ヶ島(プロダクション人力舎
ガロイン(フリー)
コンチェルト(松竹芸能
にほんしゅ(フリー)
ひよしなかよし(ニュースタッフプロダクション)
吉田たち吉本興業
リップサービス(フリー)

一応、選考会で惜しくも敗退したユニットについても、ちょっとまとめてみました。133組が出場しているとの触れ込みでしたが、一組だけキャンセルが出たらしいので、全100組が敗退していることになります。その辺の細かい情報はちゃんと教えておいてもらいたいものですね!!!(←一組足りなくて何度も確認させられた人)

それにしても、こちらもけっこうなメンツですね。M-1ファイナリスト経験のある「ザ・パンチ」「ダイノジ」「トータルテンボス」、賞レース時代のTHE MANZAIで決勝進出を果たしている「エルシャラカーニ」「三拍子」「磁石」「チーモンチョーチュウ」「風藤松原」「レイザーラモン」、ショートネタブームの雄「ジョイマン」「響」「ものいい」「我が家」、東京漫才界の刺客「オキシジェン」「新宿カウボーイ」「ロケット団」……名前を挙げていくとキリがありません。この辺の芸人さんのリベンジのためにも、第二回大会、第三回大会があるといいですねえ。

最後に余談ですが……「チョップリン吉本興業)」って表記の違和感、なかなか衝撃的じゃないですか? 表をまとめている最中、「あっ、そういえばそうだ!」って、ちょっとビックリしちゃったんですけども。

「THE SECOND ~漫才トーナメント~」ノックアウトステージ32組発表・雑感

・1993年結成
COWCOW吉本興業
2丁拳銃吉本興業

・1994年結成
シャンプーハット吉本興業
テンダラー吉本興業
Hi-Hi(ケイダッシュステージ

・1998年結成
スピードワゴンホリプロコム
マシンガンズ太田プロダクション

・2000年結成
タイムマシーン3号太田プロダクション
ツーナッカン吉本興業
流れ星☆(浅井企画

・2001年結成
超新塾ワタナベエンターテインメント
東京ダイナマイト吉本興業
なすなかにし松竹芸能
モダンタイムス(フリー)

・2002年結成
三日月マンハッタン松竹芸能

・2003年結成
ギャロップ吉本興業
ジャルジャル吉本興業
スーパーマラドーナ吉本興業
プラス・マイナス(吉本興業

・2004年結成
囲碁将棋(吉本興業

・2005年結成
インポッシブル(吉本興業
ガクテンソク(吉本興業
三四郎マセキ芸能社
スリムクラブ吉本興業
Dr.ハインリッヒ吉本興業
フルーツポンチ(吉本興業

・2006年結成
タモンズ(吉本興業
ラフ次元(吉本興業

・2007年結成
かもめんたるサンミュージックプロダクション
金属バット(吉本興業
モンスターエンジン吉本興業
ランジャタイ(グレープカンパニー

結成16年以上、「M-1グランプリ」「THE MANZAI」などのような全国ネットの漫才賞レースでの優勝経験がないコンビを対象とした新しい大会、「THE SECOND」に出場した133組のうち、選考会を勝ち上がった上位32組が発表されました。今後、彼らはタイマン形式でネタバトルを展開。3月下旬に32組から16組、4月下旬に16組から8組まで削り落とされ、生き残った8組が5月に開催される予定の最終決戦へとコマを進めることになります。

その顔ぶれですが、ゼロ年代のお笑いブームを見てきた人にとっては、同窓会のように感じられる面々ではないでしょうか。初期のM-1で印象的な活躍を見せていた「スピードワゴン」「スリムクラブ」「東京ダイナマイト」、『爆笑オンエアバトル』の常連だった「タイムマシーン3号」「超新塾」、ショートネタブームを駆け抜けた「フルーツポンチ」「マシンガンズ」「モンスターエンジン」、賞レース時代のTHE MANZAIを代表する「テンダラー」「流れ星☆」「Hi-Hi」、キングオブコントの王者として独自の漫才を生み出してる「かもめんたる」「ジャルジャル」と、ここ二十年のお笑い界の流れを総括したようなラインナップとなっております。あの頃はみんな若かった!

そんな面々が競い合いノックアウトステージの組み合わせも既に発表されているのですが、こちらもかなりアツいですね。個人的に気になるのは、Aブロックの「スーパーマラドーナvs2丁拳銃」、Cブロックの「超新塾vsジャルジャル」、Fブロックの「インポッシブルvsランジャタイ」、Hブロックの「東京ダイナマイトvs金属バット」あたり。結果の読めなさとドラマの予感がたまりません。ノックアウトステージの詳細は明らかになっていないようですが、配信があるといいですね。

現時点では、お笑いファンの間でもかなり期待の高まっている大会になっている『THE SECOND』。実際、どのような大会になるのかは分かりませんが(賞レースの第一回大会は失敗してナンボなところもありますし)、第二回・第三回と続いていく大会になると有り難いですね。楽しみ楽しみ。