白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「M-1グランプリ2023」敗者復活戦出場者リスト

【2008年結成】※ラストイヤー
ななまがり(敗者復活戦8位)
ヘンダーソン(準々決勝敗退)

【2009年結成】
ダイタク(準々決勝敗退)
トム・ブラウン(準々決勝敗退)※2018年ファイナリスト
ロングコートダディ(決勝3位)

【2012年結成】
華山(準々決勝敗退)
きしたかの(準々決勝敗退)

【2013年結成】
ニッポンの社長(準々決勝敗退)

【2014年結成】
オズワルド(敗者復活戦1位・決勝7位)
スタミナパン(二回戦敗退)
ドーナツ・ピーナツ(三回戦敗退)
20世紀(三回戦敗退)

【2016年結成】
エバース(準々決勝敗退)
フースーヤ(三回戦敗退)
ママタルト(敗者復活戦16位)

【2017年結成】
鬼としみちゃむ(準々決勝敗退)
ナイチンゲールダンス(準々決勝敗退)
バッテリィズ(準々決勝敗退)

【2018年結成】
ぎょうぶ(三回戦敗退)
シシガシラ(準々決勝敗退)

【2019年結成】
豪快キャプテン(準々決勝敗退)

 ※カッコ内は昨年の戦績

例年通りに視聴者投票システムが導入されていれば、おそらく昨年のファイナリストである「オズワルド」「ロングコートダディ」に票が集まるところなのだろう。しかし、今年から大幅にシステムが改変されるため、どのような結果に転がるのかはまったく想像がつかない。聞くところによると、今年の敗者復活戦は三ブロック制で、ランダムに選ばれた観客が審査員となって各ブロックから一組ずつ漫才師を選出、選ばれた三組の漫才師が更に芸人審査員によって一組に絞られることになるらしい。芸人審査員というのは、おそらくここ数年の敗者復活戦において、ゲストとして呼ばれているかつてのM-1戦士たちだろうと予想される。きっと、おそらく、多分に、敗者復活戦の番組進行役を務めている陣内智則ではないだろう。いずれにしても楽しめる放送になってると有り難い。

ちなみに、準々決勝からワイルドカードとして勝ち上がった「ダブルヒガシ」は2014年結成。ワイルドカードは敗者復活戦に参加できないルールになっているので、ここには含まれていないが、来年こそはストレートで準決勝に進出することを心から祈っている。

「M-1グランプリ2023」ファイナリスト決定!

カベポスター(2年連続2回目)
【初】くらげ
さや香(2年連続3回目)
真空ジェシカ(3年連続3回目)
【初】ダンビラムーチョ
【初】マユリカ
モグライダー(21年大会以来2回目)
【初】ヤーレンズ
【初】令和ロマン
(敗者復活戦勝者)

すがやしのぶです。今年もこの季節がやってきましたね。

まずは決勝進出の経験がある四組から見ていきましょう。昨年準優勝のさや香が二年連続で決勝進出。優勝候補といえるのでしょうけれども、昨年大会ではトップバッターで基準点に落ち着いてしまった「カベポスター」山田邦子氏からの高評価が良くも悪くも印象的な真空ジェシカが行く手を阻みます。また、返り咲きとして、これまた当時はトップバッターを務めたモグライダーの再臨も注目どころ。決勝の舞台を経験し、新たにレギュラー番組もスタートさせた彼らだからこそ、出来るネタを見せてくれることでしょう。

残る五組は初出場組。これがまた、いずれもクセモノ揃い。昨年の敗者復活戦での熱唱が印象的なダンビラムーチョ、見た目によらず技巧派な一面も併せ持つ「くらげ」ケイダッシュステージからやってきた三組目の刺客ヤーレンズ、キモさと面白さが同時に大爆発する変態系漫才マユリカ、学生お笑いあがりの新たな時代の漫才師「令和ロマン」。いずれもM-1に新たな風を吹かせる可能性を秘めたコンビばかりです。結果はどうあれ、全員が実力をしっかりと見せつけられるパフォーマンスを披露できることを、心から願っております。

そして、忘れてはならないのが、準決勝戦で惜しくも敗れてしまったコンビたちが、復活を目指して競い合う敗者復活戦。ファイナルステージ進出の経験がある「オズワルド」「ロングコートダディ、今年がラストイヤーの「ななまがり」「ヘンダーソン、我が道を行く漫才で再び決勝の舞台を目指す「トム・ブラウン」、西からやってきたギャグ漫才モンスターフースーヤ、騙されるばかりが能じゃない!きしたかの、ダイナミック漫才コントパフォーマー「ママタルト」など、いずれ劣らぬ実力者たちが一つの席を奪い合います。そんな今年の敗者復活戦は、例年から大幅にルール変更が行われるのだそう(詳しくは各自で調べてください)。単なる人気投票とも揶揄されていた反省を踏まえての改変が、どのような結果を生み出すのか。期待に胸が膨らみますね。

M-1グランプリ2023』敗者復活戦および決勝戦は12月24日(日)放送の予定です。みんなでテレビに貼りつきましょう!

「THE W 2023」ファイナリスト決定の件

あぁ~しらき(2018年大会以来2回目)
エルフ(2年連続2回目)
スパイク(4年連続4回目)
【初】ハイツ友の会
【初】はるかぜに告ぐ
紅しょうが(4年連続5回目)
【初】変ホ長調
ぼる塾(2020年大会以来2回目)
【初】梵天
【初】まいあんつ
【初】やす子
ゆりやんレトリィバァ(初代女王)

どうも、すがやしのぶです。

M-1グランプリセミファイナリスト発表に浮かれているうちに、すっかりTHE Wのファイナリストについて触れていなかったことを忘れていたため、このタイミングでのブログ更新となりました。だからM-1と時期をズラした方が良いんだ、まったく。もっとも、今年のM-1はクリスマスイブの開催なので、そこそこ期間が空いているんですけどね。こちらは今週末には決勝戦ですよ。早いね。

この中でいえば、本命はやはり紅しょうがでしょうか。THE W最多出場、2020年には準優勝の経験もあるコンビであります。熊元プロレス、稲田美紀、どちらもクセの強いキャラクターが魅力な二人なので、ここで女王の栄光を手にすることで、その存在感をよりいっそう強めていきたいところ。対するは同じく常連組のスパイク。2020年大会では病気による欠場という憂き目を見ましたが、その後も決勝進出を繰り返しております。ただ、決勝戦での戦績は、いずれもファーストステージ敗退。そろそろ爆発を見せたいところではあります。あと、ぼる塾は二度目の決勝進出ですが、今大会ではカルテットとして参戦。トリオとしてのイメージの強い彼女たちが、四人揃うとどのような化学反応を見せることになるのか、気になりますね。

初の決勝進出組にも注目株が多いですね。ハイツ友の会M-1準決勝進出の経験もある関西若手のホープ。漫才もコントも使いこなせる実力派です。まいあんつは女性ピン芸人屈指のギャガー。Aマッソやフワちゃんの寵愛を受け、今ここに羽ばたいてみせてくれるのか。変ホ長調は最強のアマチュアコンビ。2006年のM-1決勝進出は今でも語り継がれている伝説です。やす子は言わずと知れた売れっ子ピン芸人。賞レースでの評価を待たずして現在の地位まで駆け上がってきた彼女は今、どんなネタを見せてくれるのでしょうか。

いろんなタイプの女性芸人大集合の今大会、決勝は先述の通り12月9日(土)の午後7時から。みんなで見よう。

2023年12月のリリース予定

06「空気階段 単独公演「無修正」
13「Aマッソ単独ライブ「ヘンリー・ヒャッハーの帽子はどこだ?」

すが家です。今年も気付けば残り一ヶ月というところまで迫ってきましたね。そろそろ皆さんも今年一年の出来事を振り返り始めているところではないでしょうか。というわけで、私も手帳を開いて、一年間の記憶を呼び覚ましてみたのですが、ほぼほぼYouTubeと酒のことしか書いてなくて、二日酔いでもないのに頭が痛くなりました。相変わらずのペラペラ人生であります。

それはそれとして12月のリリース予定ですが、少ないながらも渋いラインナップですね。空気階段は『空気階段 単独ライブ「anna」』『空気階段 単独公演 「fart」』に続く三枚目の単独ライブビデオ。今年の夏に行われた全国ツアーの千秋楽公演を収録しております。キングオブコントの王者ともなると、リリースが安定して良いですね。そういえば空気階段の作品は当ブログで一度も取り上げたことがありません。購入はしていますし、観てもいるんですけどね……なんか書いてないな。Aマッソは『Aマッソ単独ライブ「与、坐さうず」〜ハスキー編〜』に続く二枚目の単独ライブビデオとなります。個人名義の作品としては『ネタやらかし』『Aマッソのゲラニチョビ マジカル・オオギリー・ツアー〜ディレクターズカット版〜』を含めて四枚目になるのかしらん。こちらも今年の夏に全国四か所で行われた単独ライブの模様を収録しています。Aマッソは年を重ねるごとに芸風が強固になってきている印象があるので、かなり楽しみですね。前回の公演、まだ観てないんですけども。観ろよ。

明けて来年一月は、『キングオブコント2018』王者による単独公演と、『M-1グランプリ2022』ファイナリストの単独公演がソフト化されるようです。めっ……ちゃええやん。

「ニッポンおもひで探訪 ~北信濃 神々が集う里で~」(2023年11月20日)

俳優の宍戸開が豪雪地帯として知られている長野県飯山市を訪れる。飯山駅を降りて、向かったのは沓津(くっつ)といわれる集落。川沿いの道を歩きながら、住民たちと交流を深めることで、宍戸は様々な沓津の文化に触れていく。ハチノコでイワナを釣ろうとしている親子、マムシを探しながら肝の美味しさを楽しげに語る老人、“たけのこ汁”“ゼンマイの煮物”“ビスケットの天ぷら”といった地元の名物を振る舞う女性たち……。やがて宍戸は二百年以上の歴史があるという神社“沓津神社”へと足を踏み入れる。そこではちょうど秋祭りの準備が行われているところだった。宍戸は翌日の本番にも立ち会い、その模様を見学する。「これがずっと代々続いていくといいんじゃないですかね」。そう言い残し、宍戸は沓津を後にしようとするのだが、その道中で彼は驚くべきものを発見してしまう。その驚くべきものとは……。

NHKの若手制作者たちによる実験枠『ドキュメント20min.』で放送された『ニッポンおもひで探訪 ~北信濃 神々が集う里で~』。その番組内の仕掛けについて、2017年製作の映画『カメラを止めるな!』との類似性を指摘する声がある。確かに似ている。前半パートでは、うっすらと違和感の残る映像を流し、後半パートでは、前半パートでは語られなかった舞台裏を見せることで答え合わせをする。構図だけを見るならば、まったく同じ傾向の作品と言ってしまっても差し支えないだろう。

だが、両者には決定的な違いがある。

カメラを止めるな!』の物語は、番組の作り手も、その番組を見ている受け手も、その関係性は作品内で完結している。その様子を、観客である私たちは、無責任な神の視点からエンターテインメントとして消費するだけである。

しかし、『ニッポンおもひで探訪』は違う。番組の作り手は、ありとあらゆる現実の問題ですら、無邪気にエンターテインメントとして消費することに慣れてしまった視聴者に、今まさに同じことが全国で起こっているという現実を突きつけている。それも、ただ現実を突きつけるだけではなく、そこで起こっていることがつまりどういうことなのか、【おもひで】になるということはどういうことなのか、その重みを丁寧に表現している。だからこそ、番組の仕掛けにいち早く気付き、その仕掛けの答え合わせを待ち構えながら視聴しているような、エンターテイメント慣れして浅はかに消費しようと油断している人にこそ、このメッセージは突き刺さる。それはつまり私のことである。いや、見事にやられた。撃ち抜かれた。

近年、様々なテレビ番組の企画が話題になり、その新しさがもたらす衝撃が注目を集めているが、これはその中でもトップクラスのインパクトを与えてくれた番組だった。そろそろ見逃し配信が終わりそうなので、ちょっと踏み込んだ話をしてしまったが、とりあえず「何か仕掛けがあるんだろうな」という程度の認識ならさほど問題無いと思うので、未見の人は是非とも今からでも見るべきである(なんとNHKなのにTVerでも見られるぞ!)。11月27日深夜まで配信中。