どうも、すが家しのぶです。
皆さんは先日放送された『キングオブコントの会』をご覧になりましたか。私は放送時に外出していたので、まだ見られていません。録画はしてあるのですが、三時間と長時間の特番だったこともあって、なかなか時間を設けることが出来ずに後回しにしてしまっています。週末ぐらいには見られるといいんですけれどね。報道によれば、全国の視聴人数が2500万人を突破したということで、これがスゴいことなのかどうなのかは比較対象がないので判断できませんが、報道されるぐらいですので、きっととんでもない数なのでしょう。この六月中旬から予選が行われる予定の『キングオブコント2021』も、これぐらい盛り上がってくれると有難いのですが。
ところで、『キングオブコント』を代表するコンビといえば、皆さんは誰を想像しますか。東京03、ロバート、バイきんぐ、シソンヌ、ハナコなどといった優勝者を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ただ、『キングオブコント』という大会において、最も印象的な存在感を見せつけていたコンビを選ぶとすれば、やはりさらば青春の光になるような気がします。六度の決勝進出、所属事務所の変遷(松竹→フリー→ザ・森東)、良くも悪くも印象的な東ブクロのスキャンダル……それらの多くは『キングオブコント』という大会に直接的には関係していませんが、彼らが大会に出場していた時期とそれらの大きな出来事が重なることで、結果的に印象に残ってしまっています。無論、それまで彼ら自身が『キングオブコント』に対する熱意を、様々なメディアで語っていたことも大きいのですが。
そんなさらば青春の光ですが、2018年の出場を最後に『キングオブコント』から撤退しています。その理由について、森田さんは様々なメディアで「割に合わないから」と語っています。一年かけて磨き上げたネタが、たった一回の決勝戦で審査され、優勝出来ないのはあまりにも割に合わない、と。この森田さんの考え方が反映されているようなコントがあります。彼らが『キングオブコント』から撤退する前年、2017年の単独ライブ『会心の一撃』の中で披露された『金メダリスト』です。
舞台は記者会見場。100メートル平泳ぎの部で金メダルを獲得した水泳選手(森田)に、記者(東ブクロ)がインタビューを始めます。前回のオリンピックでは第五位という結果に終わった選手が、今大会では名誉挽回と呼べる結果を叩き出したわけですから、当然、選手からは歓喜の声が聞けるものだと待ち構えています。ところが、実際に選手の口から出た言葉は、あまりにも意外なものでした。
「あのー……割に合わないですねえ……」
驚きを隠せない記者は、それでも何かしらかの喜びの言葉を引き出そうと、様々な角度から質問をぶつけようとします。しかし、口から溢れ出る言葉は、金メダルを獲得したことへの喜びよりも、そこに至るまでの辛くて厳しい四年の間に我慢させられた様々なことへの不満と後悔を表したものばかり。無茶苦茶な練習を課してきたコーチには殺意が芽生え、観客の歓声を「応援という行為が一番簡単」と突っぱね、更に「明日には「○個」って言われます」と世間の金メダルの扱いの軽さにまで言及し始めます。そして果てには金メダルの価値の話を切り出す始末……。
このネタを始めて目にしたときには、単純に熱意や感動がつきまとうスポーツに対する冷ややかな視点から生み出されたコントだと思っていたのですが、今にして思うに、この頃から既に賞レースに対する不満がこみ上げていたのかもしれません。もっとも、さらばは最後まで賞レースで優勝できなかったわけですから、これは単なる「すっぱいブドウ」といえるのかもしれませんが……。ちなみに、この単独ライブの二年後、森田さんはフィンランド発祥のスポーツ「モルック」を始め、今や日本モルック協会の公式アンバサダーに就任することになるのですから、人生って本当にどうなるか分からないものですね。
何はともあれ、今年も『キングオブコント』が開催されるようですので、今から決勝戦の放送を楽しみに待ちたいと思います。……あっ、そういえば、その前にモノホンのオリンピックが開催されるみたいですね。まだまだ色んな不安や不満が噴き出している状況での開催となりますが、どのような大会になるのでしょうか。選手や視聴者が「(こんな状況で開催したのに)割に合わないですねえ……」とボヤくようなことにはならないと良いのですが。