数ヶ月に一度、Googleマップのストリートビュー機能を使って、一昔前の風景を眺めている。ストリートビュー画面に表示される【他の日付】をクリックすると、最新の画像以前に撮影されたアーカイブを引き出すことが出来るのである。あくまでもGoogleが撮影している画像が主に表示されるため、場所によってはアーカイブが存在しないこともあるのだが、最も古いものだと2012年ごろの風景が見られるようになっている。この機能を駆使して、実家周辺の過去の風景を眺めている。そして懐かしんでいる。「当時はこの店、まだやってたのか」だの、「あの店の前って、この店が入ってたんだったっけ」だの、「あそこの家、リフォームしてたんだな」だの、そんなようなことを感じている。あまりにも懐古的な姿勢であることは分かっている。だが、やめられない。ふと思い立ち、なんとなく眺め始めてしまったら、止まらなくなってしまう。もっとカルチャーに傾倒していた10代・20代のころには、「自分は昔を懐かしむような人間にはならないだろう」と高を括っていたものだが、40歳を目前にしている今、まんまとそういう人間へと歩みを進めている。この行為は、きっと10年後も20年後も続けていることだろう。ことによると、老後には毎日のようにこういうことをやっているかもしれない。その頃にはアーカイブも更に蓄積されていることだろう。今から楽しみである……という結論で文章を終わらせるのは、あまりにも後ろ向きすぎる人生設計だろうか?