ここ数回の記事で『M-1グランプリ』のファイナリストについての傾向をまとめてみたので、それと同じことを『キングオブコント』でも同じことをやってみることにした。ただ、ネタのクオリティと同時に各コンビごとのドラマ性を重視するM-1に比べて、KOCは傾向が見づらいような気もするので、あんまり参考にはならないかもしれない。データは五人による審査制を開始した2015年大会以降を対象、「初の決勝進出組」「連続決勝進出組」「二年以上ぶりの決勝進出となった返り咲き組」で区分けした。また、その年ごとに起こった出来事についても、特筆という形で触れた。
では、サクッと以下にまとめてみたので、どうぞ。
【2015年】優勝:コロコロチキチキペッパーズ
初進出:3組
連続決勝:4組
返り咲き:3組最多出場:さらば青春の光(4回)
【2016年】優勝:ライス
初進出:5組
連続進出:1組
返り咲き:4組最多出場:しずる(4回)
特筆:2013年王者のかもめんたるが再挑戦
【2017年】優勝:かまいたち
初進出:6組
連続進出:2組
返り咲き:2組
【2018年】優勝:ハナコ
初進出:4組
連続進出:3組
返り咲き:3組最多出場:さらば青春の光(6回目)
特筆:ファイナリストシークレット制度導入
【2019年】優勝:どぶろっく
初進出:6組
連続進出:2組
返り咲き:2組
【2020年】優勝:ジャルジャル
初進出:4組
連続進出:4組
返り咲き:2組
【2021年】優勝:空気階段
初進出:5組
連続進出:4組
返り咲き:1組
【2022年】優勝:ビスケットブラザーズ
初進出:5組
連続進出:1組
返り咲き:4組
【2023年】優勝:サルゴリラ
初進出:5組
連続進出:2組
返り咲き:3組
こんな感じ。なんとなく傾向として見えるのは、
・初進出組は4組~6組あたり。
適度に空気の入れ替えを図っていることが分かる。ただ、よくよく見てみると、昨年の初進出組が二年連続で決勝進出を果たしている例は、あまり多くない。きちんとデータを取ってみると、こんな感じ。
【15年】3組(アキナ、巨匠、バンビーノ)
【16年】1組(ジャングルポケット)
【17年】1組(かまいたち)
【18年】2組(GAG、わらふぢなるお)
【19年】不在
【20年】2組(うるとらブギーズ、空気階段)
【21年】2組(ニッポンの社長、ニューヨーク)
【22年】不在
【23年】1組(や団)
なので、昨年のファイナリストが今年も決勝進出するというパターンは、あんまり期待できないかもしれない。ただ、2017年から2020年にかけて初出場から四大会連続で決勝進出を果たしたGAG、2020年から2023年にかけて初出場から四大会連続で決勝進出を果たしたニッポンの社長のように、常連として評価され続けるパターンもあるようだ。大会のツボにハマるかどうかがキーポイントなのかもしれない。
・連続進出と返り咲きの割合はけっこうムラがある。
連続進出と返り咲き、どちらの組数が優先されるということはないようだが、返り咲きが連続進出の組数を上回った前例は、16年と22年と23年の三大会のみ。どちらかといえば連続進出の方が有利なようである。ただ、直近の大会が返り咲き重視になっていることを思うと、当時の実力者たちが盛り返してきているという見方もできるのかもしれない。
・長年に渡って決勝と縁のなかった返り咲きが急に来ることがある。
昨年大会におけるジグザグジギー・ラブレターズのように、もはや当時のことは過去の歴史として認識されていたファイナリストたちが、いきなり決勝の舞台に舞い戻ってくる前例も少なくない。こちらもまとめてみよう。
【15年】ロッチ(5年ぶり)、ザ・ギース(7年ぶり)
【16年】しずる(4年ぶり)
【18年】チョコレートプラネット(4年ぶり)
【19年】ジャルジャル(9年ぶり)
【23年】ジグザグジギー(7年ぶり)、ラブレターズ(7年ぶり)
こうして見ると、二年連続で急に返り咲きがやってくるパターンが多いようなので、ひょっとしたら今年の決勝にも懐かしい顔ぶれがやってくる可能性があるかもしれない。今年のセミファイナリストの中でいえば……ななまがりとやさしいズあたりが怪しいな……。
これらの情報を踏まえた上で、今年の決勝進出組をチェックしてみると、ちょっと面白いかもしれない。さて、どうなりますか。