白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

PEOPLE 1『フロップニク』を届けてくれよ、あれはいいものだ。


忙しい。このところやけに忙しい。忙しさを理由に、ろくにテレビもDVDも見ずに、ぼんやりとYouTubeの映像ばかり眺めている。あまり良い状態とはいえないが、如何せん精神面に余裕がないのである。精神に余裕が無ければ、どんなに感度の良いアンテナが頭に突き刺さっていても、どうにもこうにも機能しない。そういうものだ。それに、どんなに気力が失われても、能動的に動画をチェックしていれば、否が応でも出会いはあるものだ。

そんな最中に巡り合ったのがPEOPLE 1の『フロップニク』である。ある日、いつものようにYouTubeにアクセスすると、トップ画面の「オススメの動画」として、このプロモーションビデオが表示されていた。私は天邪鬼な人間なので、このような機械が勝手に私の傾向を分析してオススメの動画を押し付けるような行為には反射的に反発してしまうのだが、サムネがどうも魅力的だったため、ついついクリックしてしまったのである。で、まんまと魅了されてしまった。

このPEOPLE 1というバンド、なんと昨年末に活動を開始したばかりらしいのだが、その辺の詳細はひとまず置いといて、とにかくこのプロモーションビデオを見ていただきたい。大変に漠然とした表現になってしまうが、大変に良くないですか。もう少し言葉を尽くして魅力を表現すべきなのだろうが、とにかく「良い」としか言いようがない。少女と三匹のモグラたちを主人公に、アニメやゲームのパロディがフラッシュバックする映像がたまらない。特に素晴らしいのは、曲がサビに突入したシーンでの、嵐のように躍動する四つの小窓たち。そして「デ」。それはなんだかとっても往年のサブカル的で、オシャレや理屈にまみれていない居心地の良さがある。本当に、本当に良い映像である。

バンドとしてはこれから聴き込んでいきます。はい。