白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

ビートルズもいいけど、ハリスンもね。

録画した「ひよっこ」を見ている。

現在はビートルズ来日前後のあたり。主人公・谷田部みね子の叔父である小祝宗男が「ビートルズと同じ空気を吸って雰囲気を味わいたい」という理由で上京、その朗らかな表情の裏側にへばりついている過去が語られる……ところまでは辿り着いていない。ただ、そういう話になっているらしい、ということは風の噂で聞いている。否が応でも聞こえてくる。それほどまでに人気を集めているドラマということだ。スバラシイデスネ。

ところで、ビートルズなのだけれど、なんとなくビートルズってビートルズ時代の活動しか触れられていない気がしている。少なくとも、私が彼らについて知ろうとする前に認識していたビートルズ以降のメンバーの活動は、ジョン・レノンの『イマジン』ぐらいしか知らなかった。まあ、これはこれで極端な話で、それなりに音楽が好きであると自覚しているのであれば、せめてポール・マッカートニーの幾つかの楽曲ぐらいは知っておくべきだったろう。そんな私も『僕のビートルズ音盤青春記』(牧野良幸)を読むまで、その後の彼らの活動についてまったく考えようともしていなかったのだが。リアルタイムで当時の文化に触れていた人にとっては常識レベルの話でも、歴史としてしか知り得ない人間にしてみれば、それはあまりにも大枠にまとめられてしまうものなのである。実にオソロシイ。

というわけで、ジョージ・ハリスンの曲を紹介してみる。

良い曲である。私はこの曲がきっかけで『オールタイム・ベスト』を買った。まあ、残念ながら、この曲は入っていないのだが。曲名はジョージが敬愛するロード・バックリーのロサンゼルスの家の愛称から来ているらしいのだが、邦題は『人生の夜明け』。日本語訳詞の一節から来ている。ただ、正直なところ、私は歌詞の内容がよく分かっていない。でも、分かっていなくても、良さが分かるのがロックの良いところである。……この曲はロックなのかしら。ジャンルの壁に関しては掘り下げるともうワケワカランので無視してしまえホトトギス。ちなみに、プロモーションビデオは、モンティ・パイソンのメンバーであるエリック・アイドルが担当している。ユーモアがあって大変に良いですね。

もう一曲、ジョージ・ハリスンの曲をば。

一転、こちらは軽快なロックである。これはロックと言ってしまっていいだろう。これをロックじゃないという人間が果たして存在するのだろうか。居たとしても別に良いのだが。日本では『セット・オン・ユー』というタイトルでリリースされた。当時、ジョージは商業的に失敗したところだったのだが、この曲をきっかけに再びヒットチャートへのカムバックを決めたのだそうな。スゴイデスネ。ちなみに、これはジョージが手掛けた楽曲ではなく、ジェイムス・レイという黒人シンガーの曲を大胆にアレンジしたもの。要するにカバーなのだが、両者を比較して聴いてみると、完全に自分のモノにしてしまっているように思える。ひゃー、たまんないね。

と、それはそれとして、宗男サンのイギリス国旗に染まったファッションを見ていると、ビートルズよりもザ・フーを思い出すのは私だけだろうか。んー。