令和時代のお笑い公論

心が腐る、その前に。

先行き未確定の『鴨川等間隔』


相変わらずYouTubeばかり見ている。諸般の事情で日常が慌ただしく、精神的に余裕を持てないからだ。若いころは、それでも自分が面白い楽しいと感じられる作品を積極的に受信し、そのみなぎるパワーを自分のエネルギーに変えることが出来ていたのだが、近年は得体の知れない作品を再生する意欲も体力も衰えてしまって、結果的に、魚を三枚に下して銀色のヤツを飲み干すような当たり障りのない映像で心を癒している。そして、あんな風に綺麗に魚を捌けたら、もっと人生が楽しくなっていたのだろうか、などとミュージシャンの華麗な演奏を眺めている中学生のような感想を抱き始めている。「いつだって今が常にスタートライン」とPerfumeが歌っていたように、今からでも遅くはない筈だ……という気持ちが芽生えたり萎んだりしながら、また日々は過ぎていく。人生に残された時間を思えば、こんなに無駄遣いしている場合ではない筈なのだが。

そんな最中、YouTubeのオススメ動画として、岡崎体育『鴨川等間隔』のプロモーションビデオが流れてきた。2016年に公開された『MUSIC VIDEO』のプロモーションビデオでブレイクを果たした岡崎体育だが、最近はあまり名前を見かけなくなってきた。私が見かけないだけで、彼は彼なりに頑張っているのだろう。『鴨川等間隔』は2013年に発表された岡崎のアルバム『FICTIONAL ZODIAC』の収録曲で、このプロモーションビデオも同年に公開されている。このアルバムには『スペツナズ』や『エクレア』も収録されているそうで、今となっては入手困難なのだが、ひょっとしたら名盤だったのかもしれない。漠然と過ぎていく日々の景色に対する不安と苛立ちに似たような感情を重ねて綴ったような歌詞は、今の自分には無性に刺さるものがあった。

ただ、当時の岡崎はまだ若かった。今の私はもうそんなには若くない。このモラトリアムにも似た感覚の先に何が待ち受けているのか、なんとも不安で仕方ない。