白昼夢の視聴覚室

犬も食わない

飴季の到来。

冬になると飴を買う。空気の乾燥に伴い、傷つきがちな喉をケアするために、のど飴を買う。ただ、のど飴ではない飴、非のど飴も買う。喉のケアとは無関係に、冬場は飴を舐めたい衝動に駆られる。ただ、その衝動の根っこにあるのは、のど飴を舐める習慣によるところが大きいような気もする。のど飴を舐める回数が増えることによって、口の中に何もない状態に却って違和感を覚えるのかもしれない。否、冷静に考えてみると、私が主に購入しているのど飴は、龍角散やヴィックスのように喉のケアに特化しているものではなく、子どもでも気軽に舐められるようなフルーツ味のものが多い。そのことを思うと、そもそも「喉をケアするために飴を舐めている」という大義名分によって、自分の中に潜んでいる飴舐め欲を解き放っているだけなのかもしれない。とはいえ、飴舐め欲を潜めなくてはならない理由などは特にない(舐めたければ勝手に舐めればいい)ので、やはり乾燥によって口の中の水分が不足している状態を補うために、飴を舐めたい気持ちが高まっていると考えるべきだろう。……と、先日買ったばかりの飴を舐めながら、そんなことを考えていた。皆さん、とうとう冬ですね。