どうも、菅家です。
突然ですが、皆さんが好きな料理はなんですか? 私はお寿司が好きです。他にも好きな料理は色々とありますけれど、その中でもトップクラスに好きな食べ物といえるような気がします。お寿司が良いのは、シャリに載っているネタによって、大きく味わいが変化するところです。マグロが載っていようが、エビが載っていようが、タマゴが載っていようが、それがシャリの上であれば、すべてお寿司というカテゴリーに入れられてしまう幅広さ。しかも、ちゃんとお寿司の味になってしまうのですから、その料理としての器の広さは底知れないものがあります。先日、仕事をサボりながら、そんなお寿司についてボンヤリと考えているときに、ふとあることに気が付きました。
「そういえばオレって、お寿司とちゃんと向き合っていないのかもしれない」
多くの人がそうであるように、私がお寿司と最も触れ合う場所といえば回転寿司チェーン店になります。少し話は逸れますが、回転寿司っていいですよね。黙っていても向こうから多種多様なお寿司が流れてくるアトラクション性もさることながら、ラーメンや茶わん蒸しのような他ジャンルの料理にも手を出している雑多な感じがたまりません。ちょっと高級なイメージが未だに残っているお寿司を大衆向けのメシに押し下げた功労者といえるでしょう。まさに押し寿司……すいません、余計なことを書きました。消しませんけど。
そんな回転寿司でお寿司を食べているときに、ちゃんとひとつひとつのネタと向き合っていないのではないか?という疑問が脳裏を過ぎったのです。確かに、それらを食べている瞬間は、しっかりと美味しさを噛み締めているのだろうとは思うのですが、食べ終えた途端に次のネタのことを考え始めてしまっているような気がしてきたのです。仕方がないことといえば、仕方がないことなのかもしれません。基本的にお寿司は一貫だけで終了するものではありません。多くの人にとって、お寿司は複数種類のネタを食べることによって、ひとつの食事として成立するものだと思われます。とりわけ、次から次へと未知なるネタが流れ込んでくる回転寿司において、手元のお寿司を食べた途端に次のお寿司のことを意識する、そんな寿司ジゴロと化してしまうのも当然というものでしょう。
「でも、それはお寿司に対して、失礼な態度なのではないか?」
回転寿司チェーン店で作られているお寿司が職人の手によって握られているとは限らないことは、私も重々承知しています。お寿司を大量生産するためのマシーンの存在も把握しています。でも、だからといって、目の前のお寿司の存在を無碍に扱うのは、また話が違います。ぞんざいに作られたお寿司だからといって、ぞんざいに対処してもいいということにはなりません。それは自らのお寿司に対する愛情への裏切りです。
……というわけで、今回の記事では回転寿司チェーン店で食べた寿司ネタ全皿と、食べている当時の心境を記録することで、私がお寿司とどのように向き合っているのかについて改めて考えてみることにしました。訪れたのは平日夕刻の某回転寿司チェーン店。一人なのでテーブル席ではなくカウンター席をチョイスします。お客さんの数が少なかったからなのか、レールの上に流れているフリーの寿司は見当たらず、完全注文制となっていました。おかげで食べたネタを記録しやすかったのですが、ちょっと画が寂しかったですね。
以下、その日の私の記録となります。お暇な方は最後までお付き合いください。
【一巡目】
鯵(ネギ・生姜)
〆鯖(ごまネギ)
「淡泊なネタから食べ始めた方が良い」という情報を思い出したものの、淡泊なネタがなんなのかを思い出せず、なんとなく味付けが控えめな印象がある青物からスタート。実はこれまで青物には漠然とした苦手意識を抱いていたんですけれど、鯵が美味しく感じられてビックリしてしまいました。年齢を重ねたことで、しっかりとした魚ネタを受け入れられるようになったのかもしれません。〆鯖は酸味控えめで、食べやすいけれど物足りなさも。
【二巡目】
塩〆いわし(ネギ・生姜)
コウイカ
びん長まぐろ
こちらも味付け控えめなラインナップ。びん長まぐろって、いかにも脂がのってそうな雰囲気を漂わせているのに、いざ食べてみるとけっこうアッサリしていて、いつも肩透かしを食らったような気持ちにさせられます。それでも注文しているあたり、割と気に入っているのでしょうね。対して、あんまり味がなさそうなコウイカは、しっかりとイカの味がして美味しかったです。イカの美味しさが分かってきたのも年齢のせいでしょうか。いわしはややクセあり。鯵よりも好き嫌いが分かれそう。
【三巡目】
まぐたく軍艦
いかオクラめかぶ
ししゃもこ軍艦
軍艦ゾーンです。回転寿司に来ると、いつも食べ過ぎてしまうので、軍艦のようにシャリが詰まっていそうなネタを中心に注文することが多いです。その中でも、ちょっとアッサリした印象のあるメンツをチョイス。まぐろとたくあんって、どうしてこんなに相性が良いんですかねえ。まぐろの脂とたくあんの塩味が混ざり合うマリアージュ。
【四巡目】
牡蠣白湯ラーメンかきフライのせ
ここで少し気になってしまった期間限定のラーメンをいただきました。某チェーン店のラーメンって評判が良いんですけど、個人的にはそこまで魅力を感じないんですよね。バカ舌なんでしょうか。このラーメンも牡蠣の濃厚な出汁が出ているとのことだったんですが、あんまり分かりませんでした。ラーメンの上に載せられた分不相応なかきフライは美味しかったです。……揚げ物を汁物の上に載せる発想、コロッケそば以来だな……。
【五巡目】
おろし焼とろサーモン
えんがわ
えび天にぎり
この辺りから、そろそろ味付け強めを意識し始めています。それでも大根おろしを載せているあたり、なにやら慎重ですね。無駄に。えび天にぎりは桜玉吉のエッセイ漫画で「えび天にぎりに甘だれをかけて、寿司の上に疑似天丼を作っているじいさん」の話を読んでからというもの、それを真似ています。マジで天丼です。美味いです。
【六巡目】
黒みる貝
たらマヨ
カニ風サラダ
こってり系の軍艦ゾーンです。黒みる貝が入っているのは、単に貝類を食べていなかったことに気が付いたからです。何故か回転寿司に来ると全体のバランスを考えてしまうんですよね。好きなネタを食べればいいじゃないか、という話なのですが。たらマヨとカニ風サラダは回転寿司のネタでも個人的にかなり上位に食い込んでくるジャンクメニューです。たらことかカニが苦手じゃない人で、この二つが嫌いな人とかいるんでしょうか。
【七巡目】
うずらフライ軍艦
えびバジルチーズ
終盤戦です。淡泊スタートでじわりじわりとこってり系を頼んでいった結果、ここにきてトリッキーなネタが続くことになってしまいました。……きっと、そういうことじゃないですよねえ。うずらフライ軍艦は興味本位で注文しました。うずらの卵のフライに玉子サラダが添えられていて、ひたすらタマゴタマゴしい味って感想でしたね。えびバジルチーズはネタが引っ繰り返った状態で到着しました。回転寿司あるある。
【八巡目】
活〆真鯛
流石にうずらフライ軍艦で終わらせるのは気が引けたので、最後はアリバイ工作的に真鯛です。ここにきて味が控えめなネタを選んでしまう采配ミス。これもまた回転寿司の醍醐味といえなくもないでしょう。まあ、でも、ちゃんと美味しかったですよ。
以上となります。全十七皿(+ラーメン一杯)。よく食べました。
皆さんも回転寿司チェーン店を訪れた際に、一度ネタのメモを取ってみるといいかもしれません。そうしたら、お寿司との向き合い方が、ちょっとだけ変わるかも……?