2024年4月3日放送の『水曜日のダウンタウン』を見ていたときのことである。企画内容に大笑いしながらSNSをチェックしていると、「“カンカラ”が出ている」というつぶやきを発見した。この日、放送されていた企画は、【心霊スポット、幽霊が出てくるより怒った管理人が出てくる方が怖い説】。心霊系YouTuberとして活動しているお笑いコンビ・デニスが、心霊スポットとされている場所で撮影を敢行していると、そこへ管理人を名乗る中年男性が現れて、デニスとスタッフに対してクレームを入れ始める……という内容のもだ。この管理人を演じている人物が、カンカラのメンバーである杉林功なのではないか、というのである。まさかと思いつつも、その表情や声に注目してみると、確かに杉林だったから驚いた。
“カンカラ”は欽ちゃん劇団の劇団員によって結成されたユニットで、ゼロ年代初頭から中期にかけて『爆笑オンエアバトル』を中心に活躍していた。得意としていたのは時代劇コント。侍、忍者、町娘といった時代劇のキャラクターたちが、チャンバラメインのドタバタコントを展開する姿がなんとも可笑しかった。当時は五人組の大所帯だったのだが、2007年にメンバー二人が脱退、トリオとして現在も活動を続けている。杉林はカンカラにおいて大ボケを担当、胡散臭い笑顔を振り撒く軽妙なキャラクターが大爆笑を巻き起こしていた。ユニットとして活動する一方で、ドキュメンタリー系バラエティ番組『電波少年に毛が生えた 最後の聖戦』の企画にも参加していたことから(【杉やんの回転寿司生活】というタイトルで、かっぱ寿司のCMに出演していた杉林が、かっぱ寿司のメニュー50品目を自力で手に入れる生活を過ごしていた)、当時のテレビっ子にはそれなりに知られた存在だったように記憶している。
そんな杉林が、まさか無名の仕掛け人という立場で、『水曜日のダウンタウン』に出演している姿を目にする日が来ることになろうとは……。結局、番組内では杉林が「カンカラの杉林功」であることは、特に語られていなかった。番組内での立場を思えば当然のことなのだが、なんだかちょっと寂しい気持ちになった。でも、久しぶりに氏の姿をテレビで見ることが出来て、ちょっとだけ嬉しくもあった。うーん、フクザツだ。