白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「じわじわチャップリン」(2017年2月18日)

「ゲーム」。一週勝ち抜き。甥っ子とどんな遊びをしたらいいのか分からない高松に、篠宮が様々なゲームを教えてあげる。篠宮が提案する徹底的に意味のないゲームは、面白いといえば面白いのだが、その中身の無さが故にネタの世界観に入り込めないと、置いてけぼりを食らったような気持ちになるから困る。とはいえ、中途半端に達者なネタをやるよりは、このくらいブッ飛んでいる方が印象に残るのも、また事実。それにしても中身のないネタだった。書きかけの文字がなんという文字なのか当てる「「ろ」か「る」かゲーム」はともかくとして、「どんなチクビか当てるゲーム」はヒドかったなあ……笑ったけども……。

 

「古い稽古場」。一週勝ち抜き。バイオリンの腕は上達しなかったのに、稽古場のきしむドアを操る技術が上達してしまった男。ナンセンスな設定と独自の音楽観を融合したコント。生み出される音楽が素晴らしければ素晴らしいほど、ナンセンスな設定との乖離が笑いに昇華される仕組みになっている。で、確かに面白かったのだが、途中で歌い始めたあたりから、ちょっと期待していた方向性とは違う展開になってしまったかなーっという印象を受けた。ドアから生み出される音楽が発端となっているのだから、最後までドアを貫くか、或いはまったく関係のない新しい流れが作られるか、どちらかが見たかった。歌うのは、ちょっと違う。あと、オチの「ドアせえ!」という微塵も捻らないツッコミが、少しだけ面白かった。

 

【ふきだまりコーナー】

てんしとあくまアイロンヘッド、インディアンス、インポッシブル、Aマッソ、ORIE、末吉くん、トンツカタンネルソンズ、ハナコ、ハルカラ、バッドナイス、平野ノラ、ペンギンズ、マツモトクラブ、ラフレクランが登場。「マツモトクラブが腹を抱えて笑うギャグ」というテーマの元、Aマッソ、ORIE、平野ノラがギャグを披露した。カメラの前に出てきてはしゃいでいるORIEと平野ノラに澤部「どけどけ! バブルはとうに終わっているのだから!」

 

「子どもの遊び」。子どもの頃にやっていた「なぞなぞ」をお互いに出し合う。「爆笑オンエアバトル」以来、久しぶりにしっかりとえんにちの漫才を鑑賞させてもらったが(M-1予選はあまりにもヒドかったので自分の中でノーカン)……こんな感じだっただろうか。なんというか、あまりにも、盛り上がりに欠けている。当時はもうちょっとアイパーのキャラクターを全面に出していて、観客をガンガン笑わせていた気がしたが……。そういえば、M-1の時にもコンプライアンスの影響をもろに食らっているという噂を耳にしたが、それにしても、ここまでとは……。アイパーの出すなぞなぞがビミョーにアウトローだったのには笑ったが、全体的にトーンが低調で、彼ら自身もあまり盛り上がっていないように感じた。実力のあるコンビなので、この厳しい時代の流れに負けず、なんとか持ちこたえてもらいたいところだが。

 

「ものまね大連発」。一週勝ち抜き。「誇張しすぎたアンガールズ田中」「誇張しすぎた今でしょ!」「誇張しすぎたジャパネットたかた」「爆笑問題 太田さんの登場シーン」「誇張しすぎた木村拓哉」「誇張しすぎた美川憲一」を披露。全体的に粗めに処理していたような印象を受けた。荒々しいようでいて、パフォーマンスそのものは非常に丁寧なザコシにしては珍しい。とはいえ、それでも笑えた。壊れたオモチャのような田中の「ヤーマーネー!」、誇張された途端にデスボイスになるジャパネットたかた、シンプルにモノマネになっていた太田光(「爆笑問題 太田さん」という表記に地味にリスペクトを感じる)あたりがお気に入り。

 

【今週のふきだまり芸人】

ラフレクラン「ショートコント「突然先輩が来た」」

アイロンヘッド「ショートコント「分かっていたよ」」

ネルソンズ「ショートコント「優先席」」

 

次回の出場者は、アイロンヘッドオジンオズボーン(二週勝ち抜き)、ハルカララフレクラン