白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

とかくこの世は無責任

テレビのバラエティ番組において、胸の大きい女性が「こっそり(私の)胸を見てくる人がいるんだけど、あれって全部バレているからね!」と話している場面をたまに見かける。そういう話を聞くたびに、「見られている回数が多いから「全部バレている」と勘違いしているだけで、見てくる人間の実数はもっと多い可能性があるのではないか」と考えてしまう。店頭の商品棚が品薄になっていても、倉庫には在庫が山積みになっているかもしれない。見えているところだけで状況を判断するのは愚鈍である。……などと、当事者でも何でもない無責任な立場から上から目線で考えてしまうわけだが、そもそもこの話は「こっそり胸を見てくるんじゃねえ!こっちは気付いているからな!クソどもが!」という注意喚起に本質があるため、実際には確認しようがない微々たる点を掘り下げたところで、さほど意味がない。そんなところを掘ったところで石油も徳川埋蔵金も出てこない。そもそもの発言に隙があることは否めないが、それはそれとして、主張が示している本質については理解を深めた方が良いのだろう、という話である。……しかし、そもそも「胸を見てくる人」が存在しないにもかかわらず、注目を集めるために虚偽の発言をしている可能性も否定できないから、なんともややこしい。そうして結局、「そういう人がおるかもしらへんけどおらんかもしらんからなんともいえへんけど、そういう風に感じる人もおるかもしらへんから、自分はそういうことをせえへん人になった方がええんやろな」という曖昧としたところに落ち着くのである。……ところで、本文の冒頭に書いた、胸の大きい女性の発言は私の微かな記憶によるものである。「そんなことがあったような気がするなあ」という程度の認識で書き始めている。でも、本当にあっただろうか。読者の皆さんは見かけた記憶があるだろうか。番組のタイトル、放送日時、発言者の名前まで、しっかりと憶えているだろうか。本当にそんなことを言っていた女性はいたのだろうか。まあ、そういう人がおるかもしらへんけどおらんかもしらんからなんともいえへんけど、そういう風に感じる人もおるかもしらへんから、自分はそういうことをせえへん人になった方がええんやろな。

『M-1グランプリ2023』ファーストステージ:令和ロマン

賞レースにおいて、トップバッターは不利だとされている。以後、出番を控えている出場者たちの漫才の出来が未知数な状況下では、どうしても高すぎる点数をつけられないからだ。それ故に、長年にわたるM-1の歴史においても、トップバッターから最終決戦へと進出を果たした実例は、非常に少ない。具体的に挙げると、2001年大会の中川家、2005年大会の笑い飯、この二例のみである。その意味では、トップバッターに選ばれてしまった令和ロマンは、間違いなく不利な状況だったといえるだろう。

そこで彼らが披露した漫才は、少女漫画などにありがちな“主人公の女の子が曲がり角で転校生の男の子とぶつかるシーン”に対し、髙比良くるまが“二人が曲がり角でぶつかってしまうということは、それぞれ別々の方向に向かっていることにならないとおかしい。彼らの向かっている学校は何処にあるのか?”という旨の疑問を呈し、相方の松井ケムリとともに考察する……というもの。

ネタの勘所は二点。

一つ目は、舞台上のくるまがしゃがみ込んで、客席に向かって「それをマジで全員で考えたくて」と語り掛けるくだり。誰しもが適度に興味を惹かれるテーマを提示した直後、話の世界に観客を巻き込む状況を作り出し、彼ら彼女らをネタの参加者として意識させることで、ネタに集中する空気を構築している。もっとも、この直前に「そんな松井ケムリさん率いる皆さんにですね……」と、軽めのボケとして観客に呼びかけている時点で、既に仕掛けは始まっていたのだろう。この客イジりとも捉えられそうなラインをギリギリでかわしているスムーズなツカミ、見事としか言いようがない。

二つ目は、漫才の中盤で模範解答を叩き出してしまいそうになったくるまが、「ちょっとダメだ、これあんま面白くない」と引っ込めてしまうくだり。素っ頓狂ではありながらも真剣に正解を探している素振りを見せていたくるまが、ここで急に冷静になって、エンターテインメント性の高い回答を重視する方向に切り替える様は、それまで熱心に考察を鵜呑みにしていた観客の気持ちを見事に裏切るもので、非常に面白かった。このくだりはオチの「どうでもいい正解を愛するよりも、面白そうなフェイクを愛せよ」にも直結している。どちらも、正解を出すことを前提とした漫才だったからこそボケとして成立しているが、これらのくるまの台詞こそ漫才の本質といえるものなのではないだろうか(などと言われることも想定して、こういうオチを用意したのではないかという気もしている)。

また、視覚的な効果を重んじたボケが多かった点も、無視できないところだろう。ケムリの髭面イジりに始まり、パンのジャムの動き、日体大の集団行動の曲がり方、先代に向かってすしざんまい、学校の裏門と正門……などなど。躍動感に満ち溢れた仕草をクドいほどに繰り返すことによって、これから始まる決勝戦の中でも忘れられないような記憶に残りやすい効果をもたらしていた(終盤の女将のくだりでは、そのクドさが上手く笑いに転換されていなかったように思えたが、それも「すしざんまい」の天丼できちんと取り返していたあたり、意図的にやっていたことなのだろう)。

ただ、トップバッターでありながらも、最終決戦に残るほどまでに彼らの存在が多くの人たちの記憶に残っていたのは、ネタの後のフリートークの場において、くるまが自由奔放なキャラクターに振り切っていたことが、漫才以上に大きな効果を生んでいたのではないか、と思う。あの僅かな時間で、令和ロマンが既存のM-1ファイナリストとは少し違った、M-1という大会にあるべき振る舞いを明確に理解しているコンビであるということを証明したからこそ、最後まで記憶に残り続けたのだ。無論、ネタがきちんと評価されていたことを大前提とした上で、の話なのだが。

しっかり甘い、けどほろ苦い『映画 21エモン 宇宙へいらっしゃい!』

プライムビデオで『映画 21エモン 宇宙へいらっしゃい!』が見放題配信になっていたので、鑑賞する。1981年の夏に『ドラえもん ぼく、桃太郎のなんなのさ』と同時上映されたアニメ映画である。原作は藤子・F・不二雄による同名作品で、監督は芝山努、脚本は辻真先。小学生だったころに、親がダビングしていたビデオテープを夢中になって見ていた記憶が蘇り、半ば衝動的に視聴ボタンをクリックし、気が付くとスタッフロールまでしっかりと観てしまっていた。正直、本編を再生するまでは、「大人になった今だと、作品の粗が見えてしまうのではないか」と不安を感じていたのだが、当時以上に前のめりになっていたような気がする。

その理由は二つ。一つ目は物語の中で描かれている未来と現実のリンクだ。自分の部屋にいながら作品世界に入り込んでいるような体験が出来るバーチャルリアリティ、ハンドルを握らなくても自動車が目的地へと向かってくれる自動運転機能、これまた自分の部屋にいながら学校の授業を受けられるリモート授業など、今まさに現実が追いかけている延長線上の未来が見事に描写されている。作品が描かれた当時の状況が分からないので、どこまで作者である藤子・F・不二雄氏による創作なのかは分からないが、まるで未来を予知したかのような適合ぶりに感動した。来てるな!未来!

二つ目は、主人公である21エモンの心の動き21エモンには宇宙を旅するパイロットになるという夢があるのだが、両親は彼がホテルを継いでくれることに期待している。自分のやりたいことと、自分が求められていること。二つの未来の間で、21エモンは揺れ動く。本編における21エモンは、落語に登場する若旦那のように軽やかで呑気なキャラクターだ。なので、そこまで将来の自分について、シリアスに思い悩んでいるわけではない。だが、彼は彼なりに考えて、様々な人たちの言動を考慮した上で自分の将来について考える。ここに、子どものころには理解できなかった、思春期のリアルを感じた。思春期を思春期の子どもと同じ目線からシリアスに描きがちな昨今の作品よりも、よっぽど冷静に客観的に描けているのではあるまいか(などと思えるのも、今の自分がすっかり大人になってしまったからなのかもしれない)。

……と、なんやかんやと偉そうに書いたが、とどのつまりは「大人になってから見てもきちんと面白いから、知らない人は見てほしい」という結論になる。正直、アニメーションとしては古臭さを感じさせられるところはあるし、家業を継ぐという設定に嫌悪感を覚える人もいるだろう。21エモンの直情的な振る舞いに苛立ちを感じる人もいるかもしれないし、どんな状況下でもイモのことしか考えていないゴンスケにマジギレする人もいるかもしれない。それでも、やっぱり見てほしい。ウキキの木と迎えた朝日の美しさを、騙されていたことを知って火星のホテルを飛び出す21エモンの感情を、スタッフロールで高層ビルに挟まれる形で光り輝くホテル“つづれ屋”を、甘口だけれどビターな味わいをどうぞ味わってもらいたい。

吟遊詩人・粗品が紡ぐ『サルバドルサーガ』

霜降り明星粗品がファーストアルバムをリリース。タイトルは『星彩大義のアリア』。ミュージシャンとしての粗品といえば、ボーカロイドに歌わせるボカロPとしてのイメージが強かったのだが、本作は自身の歌唱による完全オリジナルアルバムになるという。このアルバムリリース発表に併せて、収録曲の『サルバドルサーガ』が先行配信された。

正直なところ、ミュージシャンとしての粗品に対して、さほど興味を抱いていなかった私は、今回の配信曲もまったく聴く予定ではなかった。ところが、2024年2月27日に放送された『あののオールナイトニッポン0』の中で同曲が取り上げられているのを耳にして、不覚にも心を打たれてしまった。ベースに元“赤い公園”の藤本ひかり、ドラムにデザイナーとしても活動している岸波藍を迎えたシンプルなスリーピースバンド編成で歌い上げる真っ直ぐな歌詞。この鈍色の世界に生きているすべての人たちが、生活の中で捨てさせられた無敵の気持ちを肯定しているかのような強いメッセージ。

もっとも、そんな歌詞などは巷にありふれているのだが、『サルバドルサーガ』は第三者に対して向けられたものではなく、粗品という芸人のこれまでの活動に垣間見える人生観がそのまま歌詞になったかのように歌われているため、一層の力強さを感じさせている。努力と不満と期待の感情が入り乱れた「逃げも隠れもしないから世界が変われよ」という言葉は、フィクションではなくノンフィクションであるからこそダイヤモンドのような輝きを放っている。こんな歌詞は、若くして注目を集め、高い評価を得て、その中でも敢えて泥沼のような道を選ぶことで芸人としての自らを研ぎ澄ませ、時代の流れに迎合しないように生き抜こうとしている粗品にしか扱えないだろう。「もっと褒めてくれ」「偉い偉すぎる」という抜き身のダサさが、一層のリアリティを生み出しているのがたまらない。他のアルバム曲がどのようになっているのかは分からないが、少なくとも『サルバドルサーガ』は名曲である。

ちなみに、“サルバドル”はスペイン語で【救世主】、“サーガ”は英語で【冒険譚】という意味らしい。直訳すると救世主の冒険譚。ここでいう救世主とは、粗品自身のことなのか。あるいは……「今、生きてる」「そんなあなた」のことなのかもしれない。

新春「ソン」「スン」ショー

ラジオ日本をキーステーションに全国放送中のラジオ番組ザ・ビートルズ10』

2004年の放送開始以来、ビートルズの公式発表曲と解散後に発表されたオリジナルソングの中からリスナーによる投票を行い、その集計データに基づくオリジナルのランキングを発表するという企画を毎週行っているクレイジーな番組である。昨年の12月31日、この『ザ・ビートルズ10』において、とある投票企画が敢行された。その企画タイトルは「あなたのジョージは「ソン派」「スン派」?」ビートルズのメンバーであるジョージの苗字にあたる部分を「ハリソン」と呼ぶか「ハリスン」と呼ぶか、リスナー投票を行ったのである。当初、日本国内ではジョージの名前を“ジョージ・ハリソン”と表記していたのだが、英語読みでの正確な発音に近づけた表記にした方が良いという時代の流れから、現在では“ジョージ・ハリスン”と表記されるようになっている。いわば日本国内においては二つの呼び方が存在してしまっている状況にあるわけだ。投票の結果は“ジョージ・ハリスン”派が八割と圧勝。大晦日の放送ということもあって、そのまま番組は大盛り上がりのままエンディングを迎えていた。……が、私の頭の中では、とある疑問が渦を巻いていた。「そういえば俳優の“ハリソン・フォード”は“ハリスン”じゃないのか?」と。調べてみると、ジョージ・ハリスンは【George Harrison】、ハリソン・フォードは【Harrison Ford】で、どちらも綴りは同じ。ただ、ジョージ・ハリスンはイギリス出身、ハリソン・フォードアメリカ出身、生まれてきた国が違うから発音も違うのか……と、自分の中で納得しかけていたところで、新たな疑問が。「そういえばホームズの助手も“ワトスン”と表記されているけれど、そうなると“エマ・ワトソン”はどうなるんだ?」と。こちらも調べてみると、ホームズの助手のワトスンは【John H. Watson】、エマ・ワトソンは【Emma Watson】で、これまたどちらも綴りは同じ。しかも、どちらもイギリスの国籍の模様。どうなっているのかしらと思っているうちに、根本的な疑問がふつふつと。「そういえば“〇〇スン”って表記の外国人がそんなにいないような?表記違いの基準ってなんなんだ?」。試しにWikipediaで「ハリソン」の項目を調べてみると、ジョージ・ハリスンとマイケル・ジョン・ハリスン(作家)以外はすべて「ハリソン」表記。「ワトソン」の項目に至っては、助手のワトソン以外はすべて「ワトソン」表記である。こうなると、もはや発音どうのこうのではなく、日本語表記を決めている人間のエゴが働いているのでは……? 結局、うっすらとは調べてみたものの、よく分からないまま現在に至った次第である。プロの翻訳者にでも質問すれば、納得できる答えを得られるかもしれないが、そこまでの興味もないので、本文はここで終わる。もしも気になる読者がいるならば、それぞれヒマなときにでも調べてみてください。

2024年3月のリリース予定

27「COWCOW LIVE 8 ~30th Anniversary~
27「ぺこぱ単独ライブ「K Manzai&Melody.」
27「ウエストランド第3回単独ライブ「FANG!」
27「サンドウィッチマンライブツアー2023
29「bananaman live O

いつもお世話になっております。すが家しのぶです。

楽しい楽しい年度末ということですが、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。楽しくないですか。むしろ忙しいですか。決算だなんだとバタバタしていますか。春休みを堪能している学生たちが恨めしいですか。安心してください。彼らもいずれ同じ道を辿ります。もっとも、彼らが社会人になるころには、社会がいくらかアップデートされて、今よりかは楽になっているかもしれませんが。……そんな社会になっているといいんですけどね。まったく。

そんな三月のリリース予定は、ちょっと懐かしい顔がありますね。まずはCOWCOW。漫才、コント、ピンネタ、『あたりまえ体操』に代表されるリズムネタなど、多種な芸風で2010年代初頭にブレイクした彼らが、およそ9年半ぶりとなる単独ライブDVDをリリース。前作は結成20周年の記念盤として発売されていましたが、今回は結成30周年を記念したツアーの模様が収録されているとのことです。……ここまでスパンが空いてしまうのなら、もはやナンバリングせずに30周年記念盤として単体でリリースしても良かったような気がしないでもないですね。そこはこだわりなのでしょうか。

そして、こちらも地味に久々のリリースとなりますのが、『M-1グランプリ2022』王者のウエストランド。「……えっ!ウエストランドってM-1優勝したんだ!」って、未だに新鮮にビックリしている自分がいます。皆さんはどうですか。ウエストランドの単独ライブがDVD化されるのは、2016年11月にリリースされた『ウエストランド第一回単独ライブ「GRIN!」』以来、およそ7年半ぶり。第2回単独ライブはソフト化されていないので(クラウドファンディングの特典としてDVDが作られているが、一般流通はしていない)、ナンバリング的には空白が出来てしまう形になっています。なんともコレクター泣かせな状況ですね。とはいえ、本編そのものに関しては、各配信サイトで視聴可能なんですけれども。

残るぺこぱバナナマンはどちらも一年ぶりの新作リリースとなります。ぺこぱの前作はあんまり売れなかったのか、amazonだと定価の半額以下の割引価格で取り扱われていますね。今回の新作を機にチェックしてみるのも良いかもしれません。バナナマンは赤えんぴつとして行った武道館公演が話題ですが、こちらはソフト化されるのでしょうか。折角の特別な公演なので、なんらかの形で記録として残してもらいたいところ。

明けて4月は……今のところ、あんまり気になる作品はありませんね。ただ、私の範囲外ですが、ザ・ニュースペーパーの新作が出るようなので、ファンはお楽しみに。地味に15年ぐらい連続してソフト化され続けているんですよね……スゴいな。続く5月は最強のコントトリオによる最新作がリリースされます。そういえばベストライブのソフト化ってどうなっているんだろう?

追記。サンドウィッチマンのライブツアーのソフト化情報を追加しました。前作と同様、今回もDVDとBlu-rayの同時リリースとなります。是非。

第二回「THE SECOND ~漫才トーナメント~」選考会敗退組表

・1988年
シンデレラエキスプレス松竹芸能

・1989年
しましまんず吉本興業

・1990年
はりけ~んず(吉本興業

・1993年
2丁拳銃吉本興業

・1994年
ダーリンハニー太田プロダクション
ダイノジ吉本興業
Hi-Hiケイダッシュステージ

・1995年
【初】アメリカザリガニ松竹芸能
【初】チキチキジョニー松竹芸能
ブラックパイナーSOS太田プロダクション

・1996年
パタパタママ吉本興業

・1997年
エルシャラカーニサンミュージックプロダクション
トータルテンボス吉本興業
【初】どりあんず吉本興業
レイザーラモン吉本興業

・1998年
烏龍パーク吉本興業
サカイスト吉本興業
ロケット団グレープカンパニー

・1999年
キャン×キャンライジングプロダクション
チャド・マレーン吉本興業
飛石連休サンミュージックプロダクション
宮田陽・昇マセキ芸能社

・2000年
ヴィレッジ(浅井企画
磁石(ホリプロコム
すずらん(フリー)
タリキ(ソーレアリア)
ツーナッカン吉本興業
ななめ45°ホリプロコム
響(ビクターミュージックアーツ
ヘッドライト(吉本興業
ボルトボルズ松竹芸能
ラフ・コントロール吉本興業

・2001年
イシバシハザマ吉本興業
いち・もく・さん松竹芸能
【初】オテンキ(浅井企画
キャベツ確認中吉本興業
【初】ザ・プラン9吉本興業
三拍子(サンミュージックプロダクション
チーモンチョーチュウ吉本興業
東京ペールワン西口エンタテインメント
【初】ハイキングウォーキング吉本興業
バンジージャンプ吉本興業
モダンタイムス(フリー)

・2002年
あどばるーん(ソーレアリア)
【初】ちぇす(吉本興業
ワンワンニャンニャン松竹芸能

・2003年
遊び屋(フリー)
オキシジェン(ホリプロコム
おしどり(吉本興業
女と男(吉本興業
【初】がっつきたいか(SMA)
ガンリキ(プロモーション・ススム)
【初】5・7・5(フリー)
こりゃめでてーな(吉本興業
スーパーマラドーナ吉本興業
スマイル(吉本興業
BAN BAN BAN(吉本興業
ひこーき雲(スパンキープロダクション
フロントライン(吉本興業
【初】もっこすファイヤー吉本興業

・2004年
アモーン(浅井企画
クロスバー直撃(吉本興業
span!吉本興業
天狗(吉本興業
ばいそん(フリー)
【初】バクコメ(吉本興業)※元「爆笑コメディアンズ
風藤松原太田プロダクション

・2005年
スリムクラブ吉本興業
タナからイケダ吉本興業
ナインボール太田プロダクション
虹の黄昏(フリー)
フルーツポンチ吉本興業
ぽ~くちょっぷ(サンミュージックプロダクション
本田兄妹(プロダクション人力舎
蓮華(吉本興業
ロングロング(ワタナベエンターテインメント

・2006年
雷ジャクソン松竹芸能
コンパス(ユニバース)
新宿カウボーイ(新宿カウボーイ事務局)
【初】2世代ターボ(SMA)
ものいい(吉本興業
【初】山口ふく太郎・ふく子吉本興業)※元「山陽ピッツァ」

・2007年
【初】アイロンヘッド吉本興業
イタリアン・シガー・ブルドッグライジング・アップ)
【初】イヌコネクションワタナベエンターテインメント
浦添ウインドゥ(吉本興業
ガロイン(フリー)
コンチェルト(松竹芸能
にほんしゅ(フリー)
ひよしなかよし(ニュースタッフプロダクション)
【初】ブルーリバー(ワタナベエンターテインメント
吉田たち吉本興業
リップサービス(フリー)
【初】六六三六(太田プロダクション
【初】ロッテンダ(吉本興業

・2008年
【初】ツートライブ吉本興業
【初】どんぐり兄弟松竹芸能
【初】馬鹿よ貴方は(サンミュージックプロダクション
【初】バンビーノ(吉本興業

 ※太字表記はサーキット出場経験組

昨年と同様、今年も選考会で惜しくも敗れ去った漫才師たちをまとめてみた。……去年の自分はどうして事務所名も併記したのかと、ちょっと問い詰めたくなってしまった。いちいち打ち込むのが面倒臭いことこの上ない。ただ、そういう手間を敢えてやろうと思い立ったほど、昨年大会に興奮していたのだろう。

大半の顔ぶれは昨年と同じなので、細かい話は省略。気になるところでは、ひっさしぶりにその名を目にしたM-1レジェンド・アメリカザリガニ、昨年はメンバーのチョップリンだけが出場していたザ・プラン9、面白くてキャラクターも強烈なのになかなか波に乗れない馬鹿よ貴方は、昨年のM-1で見事な漫才を披露していたことが記憶に新しいツートライブ……そして、しみじみと寂しさがこみあげてくる青空とインデペンデンスデイの不在。一年はあっという間に過ぎていった筈なのに、その短い時間の中で起きたことはあまりにも大きい……。

第二回「THE SECOND ~漫才トーナメント~」ノックアウトステージ32組・雑感

・1972年結成
【初】ザ・ぼんち

・1987年結成
【初】ショウショウ

・1993年結成
COWCOW

・1994年結成
シャンプーハット
テンダラー【シード枠】

・1998年
【初】ザ・パンチ
マシンガンズ【シード枠】

・2000年結成
タイムマシーン3号
流れ星☆
【初】ロビンフット

・2001年結成
【初】LLR
超新塾【シード枠】
東京ダイナマイト

・2002年結成
三日月マンハッタン

・2003年結成
ジャルジャル
【初】ハンジロウ
【初】ヤング

・2004年結成
囲碁将棋【シード枠】

・2005年結成
インポッシブル
ガクテンソク

・2006年結成
タモンズ
ラフ次元

・2007年結成
かもめんたる
金属バット【シード枠】
モンスターエンジン
ランジャタイ

・2008年結成
【初】祇園
【初】ダブルアート
【初】ななまがり
【初】母心
【初】ヘンダーソン
【初】リニア

昨年大会の感想を書き終わらせないといけないな……と、呑気に考えているうちに、第二回大会が着々と進行していることに気付かされて、今になって慌てている。意志はあるのだが、面倒臭さが上回っているというのが、正直なところだ。そもそも、大会終了から一年が経過しようというタイミングで書かれた感想文に、どれほどの需要があるものなのか。こうなったらいっそ、書かない方が良いのではないか……と、逃げ腰の体勢を取っている最中ではあるのだが、とりあえず昨年と同様に、今大会のデータをまとめてみようと思う。

昨年大会のファイナリストからは、囲碁将棋、金属バット、超新塾テンダラーマシンガンズの五組が参戦。優勝したギャロップ、売れっ子コンビの三四郎、色々とあって現在はコンビとしての活動を休止しているスピードワゴンは不参加である。スピードワゴンに関しては、今の段階でどういう状況になっているのかは定かではないが、芸人を続ける意思があるのであれば、いずれ戻ってきてもらいたいものである。

ファイナリストを除いて、昨年大会から連続してノックアウトステージに進出したのは、インポッシブル、COWCOW、ガクテンソク、かもめんたるジャルジャルシャンプーハットタイムマシーン3号、タモンズ、東京ダイナマイト、流れ星☆、三日月マンハッタンモンスターエンジン、ラフ次元、ランジャタイの十四組。昨年のノックアウトステージ出場者のうち、スーパーマラドーナスリムクラブツーナッカン2丁拳銃、Hi-Hi、フルーツポンチ、モダンタイムスは予選敗退。Dr.ハインリッヒなすなかにしは不参加。プラス・マイナスは今年も出場してノックアウトステージに進出する予定だったのだが、突然のコンビ解散のため出場不可となった(繰り上がりでCOWCOWがノックアウトステージ進出)。

初のノックアウトステージ進出者は、LLR祇園ザ・パンチザ・ぼんち、ショウショウ、ダブルアート、ななまがり、母心、ハンジロウ、ヘンダーソン、ヤング、リニア、ロビンフットの十三組。このうち、祇園ダブルアート、ななまがり、母心、ヘンダーソン、リニアは昨年にM-1ラストイヤーを迎えての参戦である。やはり最も目を引くのはザ・ぼんちの存在だ。1972年結成、かつてはB&B紳助・竜介らとともに漫才ブームを牽引したベテランコンビの参戦は、多くのお笑いファンを驚かせたことだろう。ただ、ザ・ぼんちは賞レース時代の『THE MANZAI 2014』への出場実績を持つほど、チャレンジ精神に溢れたコンビでもある。当時は予選敗退に終わってしまったが、今大会ではどのような結果を生み出すのか。……ちなみに、個人的にはザ・パンチに注目している。ゼロ年代末に巻き起こったショートネタブームの渦中にいたコンビは今、どのような漫才を披露しているのだろうか。

そしてまさに今日、ノックアウトステージのトーナメント組み合わせも発表された。昨年大会のファイナリストたちはそれぞれ分散されたが、最低でも初の決勝進出を果たすコンビが三組以上は現れることが決定している。注目どころは、ベテランのザ・ぼんちに無名の若手たちが立ち向かうBブロック、関東のクセモノたちが一堂に会しているEブロック、シンプルにネタの強さが問われる戦いが予想されるGブロックあたりだろうか。

ノックアウトステージは3月23日より開催予定。今年の優勝は果たして誰の手に?