【初】さや香 新山
田津原理音(23年大会以来2回目)
【初】チャンス大城
【初】友田オレ
【初】ハギノリザードマン
【初】ヒロ・オクムラ
マツモトクラブ(21年大会以来7回目)
吉住(2年連続4回目)
ルシファー吉岡(2年連続7回目)
R-1の到来とともに春を感じます、菅家です。
まずは決勝進出の経験がある人たちから。昨年のファイナリストからは、2位の吉住と3位のルシファー吉岡が2年連続決勝進出。前回大会の2位と3位が決勝戦に進出するのは、2016年大会以来のようです(マツモトクラブ・ゆりやんレトリィバァ)。どんだけ上位の顔ぶれが入れ替わってるんだよ、と思わなくもないですが、逆にいえば大会としての土壌が整ってきたからこその状況といえるのかもしれません。だとしても遅いですが。
4年ぶりの決勝進出を果たしたマツモトクラブは、ルシファー吉岡と最多タイ記録となる7回目の決勝進出。ただし、ストレートでの決勝進出は2回だけで、残り5回は敗者復活戦からの進出となっております。R-1の復活ステージは観客審査が反映されているため、大衆ウケは凄まじいのに審査員ウケが悪い芸人ということでしょうか。或いは、予選の審査員の中に、マツモトクラブの芸風を絶対に認めない人がいたのかもしれません。いちびるなよ。
そんな実力者たちに挟まれるように戻ってきたのは、23年大会王者の田津原理音。過去に優勝の経験がある芸人のうち、再び決勝の舞台に舞い戻ってきた実例としては、06年大会の浅越ゴエ、08年大会・10年大会のなだぎ武、15年大会のやまもとまさみ、17年大会・19年大会の三浦マイルドなどがいます。……多いな! M-1やKOCに比べて、明らかに多いな! 「優勝したのにあんまり売れなかったのかしら……」って心配になるな! ともあれ優勝者の新ネタが楽しめるのは有り難いことではあります。M-1の令和ロマンにように二連覇を果たせるか。
残りの五人はいずれも初の決勝進出となります。まずは昨年のM-1に出場しなかったのに何故かR-1にはエントリーしていたさや香 新山。コンビの片割れがピンで出場して決勝進出を決めるのは大会における一つの恒例となっており、06年大会の博多華丸、12年大会のCOWCOW 多田、19年大会の霜降り明星 粗品、20年大会のマヂカルラブリー野田クリスタルのように、優勝した実例も少なくありません。漫才と同様に熱のこもったパフォーマンスを見せつけられるのか。
続いて、今回のファイナリストの中では、おそらくお笑いファンの間で最も知名度が高いであろうチャンス大城。NSC13期生(一度8期生として入学するも中退)、同期にブラックマヨネーズや野性爆弾がいるアラフィフのピン芸人がここにきて初の決勝進出となりました。数々の破天荒なエピソードを持っていることで知られる大城ですが、独特のパフォーマンスの精度は高く、ピン芸人としてどのようなネタを見せてくれるのか期待が寄せられます。
残りの三名については詳しくないのでサクッと参ります。
ハギノリザードマンは、かつてローズヒップファニーファニーというコンビとして活動していましたが、2021年に解散。その後はピン芸人としての活動を開始し、ギミックを用いたパフォーマンスで2023年に『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』で優勝を果たします。そして2025年、スーパーニュウニュウとして活動していた大将と新たにコンビ“ベルナルド”を結成。今回の決勝進出で、コンビの活動にも勢いをつけたいところ。
ヒロ・オクムラはハリウッドザコシショウやアキラ100%が所属するSMAからの新たな刺客。2020年に人力舎所属のピン芸人・三福エンターテイメントとのコンビ“今夜も星が綺麗”で『M-1グランプリ2024』準決勝進出を果たしています。ちなみに、同じ事務所の先輩で今大会でともに決勝進出を果たしたマツモトクラブとは、今夜も星が綺麗として今年一月にツーマンライブを開催しております。この二人が最終決戦に勝ち上がったら、ちょっとエモーショナルなことになりそうですね……って、ちょっとダルいことを考えてしまいました。二人とも頑張れ。
友田オレは若干23歳の超若手。早稲田大学お笑い工房LUDOの出身で、ひょっこりはんや岡部大(ハナコ)、アンゴラ村長(にゃんこスター)、ラパルフェらの後輩にあたります。2023年には学生でありながら『第45回ABCお笑いグランプリ』決勝戦に進出、その名を多くのお笑いファンに知らしめました。そんな彼が満を持してのR-1決勝進出。台風の目となるか。
以上の九名による決勝戦が行われるのは三月八日(土)。お見逃しなく。
……決勝の舞台に立つふかわりょう(準決勝敗退)、ちょっとだけ観たかったな……。