白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

コンビからトリオになった人たちの話

トリオからコンビになった芸人がいるように、コンビからトリオになった芸人も存在する。現在、その結成のエピソードが最も知られているトリオといえば、東京03だろう。飯塚悟志豊本明長が“アルファルファ”というコンビで活動していたところに、お笑いトリオ“プラスドライバー”の活動を休止していた角田晃広が加わる形で、2003年に結成された。彼らは結成から一週間も経たないうちに『爆笑オンエアバトル』に出場。10組中5位の成績で、辛うじて白星デビューを飾ることになる。その模様をテレビ放送で見ていた当時の私は「スペシャルユニットの誕生だ!」と激しくコーフンした記憶があるのだが、実際のところ、実質上の新メンバーとして加入した角田に対する批判の声も少なくなかったらしい。もっとも当時は、アルファルファも一年間ほど活動休止状態にあり、解散するのでは……という噂も立っていたので、大半のファンは東京03の結成に安堵していたのではないかと思う。コンビがそういう状態だったのに、角田を批判するのは流石に呑気が過ぎる。この他にも、堀内と原田のコンビ“フローレンス”にコンビ“ジュンカッツ”を解散した名倉が加わる形で1993年に結成されたネプチューン、青山と和田のコンビ“ワダヤマブルー”に岸が加わる形で2010年に結成されたネルソンズ、菊田と秋山のコンビ“ウエストミンスター”に漫才コンビエガラモガラ”を解散した岡部が加わる形で2014年に結成されたハナコ、信子と金子きょんちぃのコンビ“エンぷレス”に友人とのコンビ“パーティーズ”を解散したすがちゃん最高No.1が加わる形で2021年に結成されたぱーてぃーちゃんなどなど……コンビに新メンバーが加わる形でトリオが結成されるのは定番パターンといえるようだ。ちなみに、養成所時代のエピソードだが、ロバート我が家も同じ流れで結成に至っている。興味深いのは、コンビからトリオへと変わる際に、名前を変えていないユニットが非常に少ない点である。ざっくりと調べてみたのだが、中澤と林のコンビに“ブレーメン”“町のベーカリーズ”“ぺぺ”などのコンビで活動していたピーチが加わる形で2017年にトリオが結成されたかたつむりぐらいしか前例を見つけられなかった。もっとも、あくまでざっくりと調べた程度なので、他にも例はあるのだろう。しかし、こうなるとコンビ→トリオじゃないパターンで結成された例も、ちょっと気になるところではある。そのうち調べてみよう。