白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

トリオからコンビになった人たちの話

キングオブコント2023』優勝コンビのサルゴリラ。彼らが、そもそもトリオとして活動していたことを、皆さんはご存じだろうか。2006年から2015年にかけて、サルゴリラは“ジューシーズ”という名前のトリオだった。当時のメンバーだったのは、現在はピン芸人として活動している松橋周太呂。松橋は放送作家としても活動しており、現在も『アメトーーク!』『ロンドンハーツ』『霜降りバラエティ』などのバラエティ番組に参加している。彼らのように、かつてはトリオとして活動していたが、メンバーが脱退してコンビになってしまった前例は少なくない。例えば、今や人気ナンバーワンのお笑いコンビといっても過言ではないサンドウィッチマンも、かつてはトリオとして活動していた。第三のメンバーだったのは、ホリプロ時代の同期である浜田ツトム。脱退後の浜田は、何度もコンビ結成・解散を繰り返しながら、現在も漫才師として活動している。「貴族のお漫才」で一世を風靡した山田ルイ53世とひぐち君のコンビ・髭男爵も、かつてはトリオだった。当時のメンバーだった市井昌秀は、髭男爵からの脱退後に映画学校に入学、現在は映画監督として『箱入り息子の恋』『台風家族』『犬も食わねどチャーリーは笑う』などの作品を手掛けている。どちらもトリオからコンビになったものの、ユニット名はそのまま引き継がれているパターンだ。しかし、これらの例はどちらかといえば特殊で、むしろサルゴリラのように、トリオからコンビになったことをきっかけに、ユニット名を変えることの方が多いようだ。次に紹介する二組は、その代表格ともいっても過言ではないだろう。西森洋一大林健二からなるモンスターエンジンは2003年から2007年にかけて“にのうらご”として活動していた。トリオ漫才師でありながらM-1準決勝戦に進出するほどの実力があったのだが、当時のメンバー・荒牧周平が家業を継ぐために芸能界を引退、現在の形になった。秋山賢太山名文和からなるアキナは2008年から2012年にかけて“ソーセージ”として活動。ABCお笑い新人グランプリで優秀新人賞に選ばれ、数々の在阪番組にレギュラー出演するほどの人気を獲得していたのだが、2012年に当時のメンバーが不祥事を起こしてしまったことをきっかけに脱退、コンビとして再起動することとなった。ちなみに、脱退したメンバーも謹慎期間を経て芸人に復帰、新たにコンビを結成して活動している。最近、トリオとして長年に渡って活動していたGAGニブンノゴ!から、それぞれメンバーが一人脱退するという驚きのニュースがあったが、これでいえば、メンバー脱退後もユニット名を継続するGAGは前者、コンビになったことをきっかけにチキンナンバンへの改名が公表されているニブンノゴ!は後者に当たるわけだ。人に歴史あり。お笑いコンビにも歴史あり。その変遷について調べてみると、意外な事実が分かるかもしれないぞ。