白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

ブログを書いているんだ、とてもいいブログなんだ。

自分と同じ時期に、自分と似たようなジャンルについて書いているブログを運営していた人に対して、強い仲間意識を感じている。ブログを読んでいてくれた読者、SNSで知り合って仲良くなったお笑いファンやテレビウォッチャーにも、それなりの親近感を覚えることはあるのだが、ブログを執筆していた人たちに対してのそれとはまるで比べものにならない。この感情を敢えて恥ずかしげもなく言語化するとすれば“青春の同志”とでもいうのだろうか。SNS全盛の現代において、個人が情報を発信する行為の敷居は、以前よりもずっと低くなった。つぶやきと呼ばれる程度の短文や加工された見栄えの良い写真で、個人が全世界に向けて自己表現することが、誰でも容易に出来るようになってしまった。しかし、ブログは違っていた。今のSNSと同様、ブログは誰にでも開設することが出来る媒体だったが、文章での発信に特化していたこともあってか、長期間に渡って継続して運営できる人間は非常に少なかった。その中でも、特定のジャンルについて書ける人となると、更に限られた。限られた時代、限られたジャンルの中の、いつ消えてもおかしくない限られた人たち……そう考えると、たかがブログでうっすらと繋がっていただけとはいえ、学校のクラスメートのような距離の近さを感じてしまうのも仕方がないというものだろう。もっとも、そのような親近感を抱いているのは私だけで、向こうにしてみれば「限られたジャンル(芸能・テレビ)の中でも特にニッチなジャンル(お笑い芸人のライブDVD)に特化していることにしか価値がなかったブログを運営していたヤツがなんか言ってらぁ」と思われているかもしれない。それはそれで構わない。思い出は常に主観的なものである。でも、同じようなことを感じている(感じていた)人、そこそこいるような気がするんだよなあ。