白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

『読む余熱』本創刊号について

どうも、すが家です。改めてご連絡させていただきます。

先日、白泉社より配信を開始しました電子雑誌『読む余熱』の本創刊号に、テキストを寄稿させていただきました。「『M-1グランプリ2020』総決算」ということで、放送当日の私的な出来事を全て記録した日記を掲載しております。結果、M-1以外の様々な話が無駄に長々と書かれておりますので、「M-1の話が読みたいのに、なんで関係ないことばっかり書いてるんだよ!」と思われる方も中にはおられるかもしれませんが、日常を精密に記録することで、一年後、五年後、十年後に読み返したときに改めて価値を見出せる文章にしたつもりです。長い目で見てもらえますと幸いです。

ちなみに、今回も予定文字数を大幅にすっ飛ばしております。編集者の方が「良いです」と言っていたので修正を加えておりませんが、それで安心しているところを急に切られるのではないかと少し心配しております。ほ、本当に大丈夫なんですかね。

そして今号でも、様々な方々が筆を執っております。

テレビコラムニストの飲用てれびさんは、インディアンスと東京ホテイソンの漫才の“進化”、ニューヨークとオズワルドの平場での“粘り腰”、おいでやすこがとマヂカルラブリーのありとあらゆる面での“躍動”について書かれています。賞レースであるがゆえにどうしてもネタに注目が集まりやすいM-1グランプリですが、それ以外のとにかく印象的な場面をピンポイントで押さえていて、この文章だけで『M-1グランプリ2020』という大会を振り返るのに十分な内容となっております。ブログ『笑いの飛距離』(元『お笑い芸人のちょっとヒヒ話』)を運営されているのていさんは、今回は〆切に間に合わず欠席。飲用てれびさんとは違ったアプローチが見られたのではないかと思うと、とても残念であります。ブログかどっかでやってくれないものですかね。

K-PRO代表の児島気奈さんは、ライブイベントを開催する人間の立場から『M-1グランプリ』に挑戦し続ける芸人たちへの思いを語っております。放送当日の出来事を振り返ったり、敗者復活戦・決勝戦を見たときの感想を綴ったり。そこからテキストは急展開、ライブ主催者としての決意表明が行われます。その内容は、賞レース後における、ライブ界隈で起こっている問題を切実に語り、その解決策に乗り出そうと思案している……というもの。具体的な内容については実際に読んでいただきたいので書けませんが、児島さんの立場を思うと、かなりのことを語られております。もしも実現されたら、一度は絶対に伺いたいと思います。頑張ってください!

変ホ長調のお二人は、前号でも語られていた『M-1グランプリ2006』で決勝進出を果たしたときのエピソードを書かれています。当時の状況や心境をかなり緻密にまとめている小田ひとみさん、文体も着眼点もどことなくマイペースな彼方さとみさん、それぞれ違った視点から、それでもかなり熱のこもった文章を書かれています。そんな二人は2020年、M-1ラストイヤーを迎えました。最後のM-1の舞台を終えた二人は今、何を思うのか。そこには確かにアマチュアとしてお笑いをやる喜びが語られているのでありました(アマチュア大喜利とかやられている人は首肯が止まらないんじゃないですかね)。

今号はとにかく児島さんと変ホ長調のお二人の文章がアッツアツで、なにやら私も「日記とか書いている場合ではなかったのではないか」と思わず反省してしまった次第でありました。いや、日記は日記で、また意義のあるものだとは思っているんですけどね。この熱に負けないよう、きっと続けて出るであろう次号(かなり売れているようなので期待しております)では、もっと熱のこもった、なんかこう……目玉焼きとか焼けてしまうような「余熱」を見せつけたいと思います。だから、えーっと、どうぞ買ってください! どのテキストも面白いです!

何卒、よろしくお願いします!