白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「R-1グランプリ2023」ファイナリスト決定!

Yes!アキト(2回目)
【初】カベポスター 永見
【初】コットン きょん
サツマカワRPG(2回目)
【初】田津原理音
寺田寛明(3回目)
【初】ラパルフェ 都留
 +敗者復活

今年も「R-1グランプリ」の季節がやってまいりました。

R-1といえば、昨年は優勝したお見送り芸人しんいちと二位のZAZYによるバトルが勃発し、最終的には、何故か二人が「ストレス」というコンビを結成してM-1に出場し、三回戦で敗退するという意味の分からない事態に発展していましたね。曲がりなりにも全国放送される賞レースの優勝者と二位がコンビを結成したのですから、せめて準々決勝には進んでもらいたかったところですが、大会の看板というものをどのように考えているのでしょうか。いや別にええねんけども。

とはいえ、ナンダカンダで世間の注目を集めた二人のバトルによって、R-1という大会にも良かれ悪かれ泊が付いたのではないか?と思っていたところに投げ込まれた、『M-1グランプリ2022』でのウエストランドの漫才における「R-1には夢がない」発言。一部の界隈でちょこっと炎上していましたが、私個人の見解としては、あの発言そのものよりも、あの発言で観客が大爆笑しているぐらいには、お笑いファンはR-1という大会に対して思うところがあるのだということの方を考えてもらいたいところであります。夢云々もそうだけど、ルール改変直後のおいでやす小田への扱いとか、敢えて表に出さないだけで、未だに根に持っているお笑いファンはめちゃめちゃいるんじゃないか。

それはそれとして今年のR-1の話ですが、昨年に比べて、コンビ芸人の片割れが一気に増えたように思えます。前年大会は「金の国」の渡部おにぎり、前々年大会は「かが屋」の賀屋だけだったのに、今大会では「カベポスター」の永見、「コットン」のきょん、「ラパルフェ」の都留と、一気に三人も増やしてきました。純粋に準決勝で良い結果を残した人たちだけを引き上げたのかもしれませんが、他の賞レースのファイナリストやバラエティで話題の若手が集められている感じがして、ちょっとだけイヤな目で見てしまいます。もちろん、面白ければ何も問題はないのですが、やっぱりピン芸の大会でピン芸人じゃない人が出てくるのって、ちょっとだけ引っ掛かってしまうんですよね。もっとも、その反動から、「おいでやすこが」「最高の人間」「ぶるファー吉岡」みたいなコンビが生まれているので、そこに物申すのはもはや時代遅れなのかもしれませんが。

ファイナリスト経験者は、Yes!アキト、サツマカワRPG、寺田寛明の三人。個人的にはサツマカワRPGの動向が気になるところです。普段はギャガーとして活躍している彼ですが、昨年のR-1では純然たるコントを披露。放課後の甘酸っぱいシチュエーションからナンセンスな言葉のグルーヴを生み出す姿に、大笑いさせられた記憶があります。今年はどちらのスタイルで魅せてくれるのでしょうか。唯一、今大会が初の決勝進出となるピン芸人、田津原理音も気になるところです。歴代優勝者である、ゆりやんレトリィバァ濱田祐太郎と同期だそうですよ。

これら七人のファイナリストに加え、準決勝で敗退した中から一人が敗者復活となります。顔ぶれを見ると、ファイナリスト経験者の「森本サイダー」、既に売れっ子の「蛙亭イワクラ」「エルフ荒川」「シモタ(元コウテイ)」「誠(ヨネダ2000)」、若手注目の「赤木裕(たくろう)」「ケビンス山口コンボイ」「こたけ正義感」「ソマオ・ミートボール」「たかのピエロ(きしたかの)」など、どこが勝ち上がってもおかしくないメンバーとなっております。果たして、最後の一枠を掴み取るのは誰なのか。

色んな意味で注目の『R-1グランプリ2023』決勝戦は3月4日に放送予定。続けて、M-1王者であるウエストランドも出演する、「ENGEIグランドスラム」も放送される予定です。……賞レースの後にネタ特番って、なんか大会が前座みたいな扱いにされてません?