白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「バキ童寄席」(2022年12月17日)

春とヒコーキ・ぐんぴぃ(バキバキ童貞)のYouTubeチャンネルに出演したことがある芸人たちによるライブイベント。前半は出演芸人たちのネタ、後半はトークと企画で構成されている。ぐんぴぃ曰く「YouTubeチャンネルに出演している芸人たちを通じて、お笑い本体に興味を持っている視聴者が増えている。そんな人たちが足を運びやすい新規参入の入り口として、今回のイベントを開催することになった」(要約)とのこと。詳しい話は次の記事をどうぞ。

以下、香盤と感想なので、未見の方は注意。

春とヒコーキ「挨拶~漫才:穴を掘る」
リップグリップ「漫才:外交の達人」
8月22日の彼女「コント:ピザは鳴く」
大久保八億「漫談:ジーコ
マダム古川「漫談:フェイク野郎」
ニッキューナナ「コント:討論番組」
ムラムラタムラ「一万年と二千年前からりーもこちゃん~ニコニコ小ネタ集」
ガクヅケ「コント:いつもの」
春とヒコーキ「コント:童貞宇宙飛行士」
トーク(春とヒコーキ、古川、木田、ピーター博士)
企画「キモコメントクイズ」
企画「BL帯クイズ」
エンディング

YouTubeチャンネルのイベントとはいえ、その内容はシンプルなお笑いライブ。ニコニコ動画の小ネタを「もっこり!からのりーもこちゃーん」と自らの芸風に落とし込んでいたムラムラタムラを除けば、どの芸人も通常のネタを演じていたように思う。楽しさの熱狂で場を盛り上げたリップグリップ、朗らかにトリッキーな漫談を展開していた大久保八億、相方の休養によりピン芸を余儀なくされたマダム古川(サスペンダーズ)、シンプルな下ネタ直球勝負に打って出たニッキューナナ、延々と狂気を見せつけたガクヅケと、いずれも面白いネタを披露していたのだが、とりわけ度肝を抜いたのは、FANと千代園ジャンクションによる男女コンビ・8月22日の彼女。感覚的なところに訴えかけてくるコントに、かもめんたると同じ方向性を感じさせられた。熟成されたら、とんでもないことになりそう(追記。公式チャンネルでこの時のコントが公開されていました)。春とヒコーキは漫才とコントを一本ずつ。正気の沙汰ではない荒ぶりを見せるぐんぴぃに巻き込まれる土岡という、オーソドックスなスタイルなのに、危うさが漂うところがたまらない。

ネタの後はトークと企画。トークはキモシェアハウスに住んでいた人たちで繰り広げられる思い出や近況について。とはいえ、その大半はシークレットゲストとして登場したピーター博士に関するもので、ほぼほぼ彼が話題の中心になっていたように思う。それもまた面白い。企画はYouTubeチャンネル内で行われた企画をそのまま舞台上で再現したもの。出演者全員が束になって自分なりのキモコメントを次々に提出するのに、正解のキモコメントがそれらをきちんと凌駕していたのには笑った。天然の凄まじさよ。

「バキ童寄席」の配信アーカイブは12月24日(土)の23時59分まで視聴可能。チケット1,000円とバカ安いので、滑り込みで購入してもお得な内容だったと思うので、興味を持った方はぜひ。

追記。配信期間が12月31日までに延長されました。大晦日はバキ童を見て過ごそう!