病院に行かなくてはならないタイミングが分からない。体調を崩して、仕事を休んでしまったときでさえ、すぐに病院に行こうという決断には踏み切れない。一日、家でゆっくり休んでいれば、きっと回復するだろうと考えてしまう。その結果、翌日も体調が戻らず、ぐずぐずと無駄に時間を消耗してしまう羽目になる。別に病院が嫌いなわけではない。ただ、ちょっと体調を崩している程度のことで、果たして病院を利用していいのだろうかという気持ちになるのだ。さほど症状が表れていない段階で医師に診察してもらったところで、果たして本当に正しい診断結果が出るのだろうか、という疑念もある。もっと症状が悪化して、体調不良の原因となっている病原菌か何かが、身体の中で勢力を強めていることに確信を持てる状態にならないと、病院に行ったところで意味がないのではないかという気持ちがある。そのため、「これは病院に行かないといけない症状だ!」と確信を抱くころには、うっすらと回復に向かい始めていることも少なくない。これでは何のために症状の悪化を待ち構えていたのか分からない。だからこそ、症状が出始めた時点で、とっとと病院に行くべきなのだろう。それこそ取り返しのつかない病に侵されている可能性もあるのだ。早期発見のためにも、早めに受診した方が良いに決まっている。だが、それでも、体調が優れないときには、いつも同じ判断を下してしまう。……貧乏性なのかもしれない。「せっかく体調を崩したのだから、中途半端な状態じゃなくて、最も調子が悪いときに見てもらいたい!」という意志が無意識のうちに働いているのかもしれない。だとすれば、なんとも情けない話である。貧乏性が原因で死にたくないぞ。