白昼夢の視聴覚室

犬も食わない

漫才もコントも出来る人たち。

どうも、すが家しのぶです。

突然ですが、漫才もコントも得意なお笑いコンビって恰好良いですよね。お笑いコンビというと、漫才をメインに活動する【漫才師】とコントをメインに活動する【コント師】のどちらかに方針が分かれてしまいがちですが、そのどちらも得意としている芸人さんは、なんだか「どんなスタイルにも捉われない。自分たちのスタイルは自分自身」と主張しているみたいで、とっても格好良いですよね。……格好良いですよね!(異論は認めない)

というわけで、今回の記事では、漫才の賞レース(『M-1グランプリ』『THE MANZAI』)とコントの賞レース(『キングオブコント』)、その両方の大会で決勝進出の経験を持つコンビについて、まとめてみることにしました。賞レースでの評価が絶対だとは言い切れませんが、観客や関係者から一定の支持を集めていなければ決勝進出を決めることは出来ません。あくまでも「一つの基準として」ではありますが、漫才とコントの両方を得意とするコンビの判断材料として使わせていただくことをお許しください。ただデータをまとめるのが好きなだけではありませんからね。本当に。

とはいえ、ただデータをダラーッと並べるだけだと面白みに欠けるので、漫才とコントのどちらが先に評価されたのか、その順序で区分してみようと思います。まずは、漫才の賞レースで評価されてから、コントの賞レースで評価されたコンビから、見ていきましょう。(以下、数値は初の決勝進出年)

【漫才→コント】
サンドウィッチマン(「M-1」07→「KOC」09)
モンスターエンジン(「M-1」08→「KOC」09)
銀シャリ(「M-1」10→「KOC」12)
アルコ&ピース(「THE MANZAI」11→「KOC」13)
タイムマシーン3号(「M-1」05→「KOC」16)
マヂカルラブリー(「M-1」17→「KOC」18)
ニューヨーク(「M-1」19→「KOC」20)

なかなか渋いメンツですね。『M-1グランプリ』(2001年~)と『キングオブコント』(2008年~)とでは開催時期に隔たりが生じてしまっていることと、『M-1』には出場資格として活動期間の制限があるのに対して『KOC』には制限がないことが、少なからず影響しているような気がします。タイムマシーン3号に関しては、なんか数字がバグッてるように見えますね。漫才師としてあまりにも早熟だった、ということなのでしょうけれども。ていうか、今となっては、『キングオブコント』にサンドウィッチマンが出場していたという事実だけで、ちょっとご飯が三杯ぐらいいけちゃいそうです。そうなんですよねえ、出てたんですよねえ。

【コント→漫才】
天竺鼠(「KOC」08→「THE MANZAI」13)
ジャルジャル(「KOC」09→「M-1」10)
ピース(「KOC」10→「M-1」10)
さらば青春の光(「KOC」12→「M-1」16)
アキナ(「KOC」14→「THE MANZAI」14)
かまいたち(「KOC」16→「M-1」17)
ロングコートダディ(「KOC」20→「M-1」21)
男性ブランコ(「KOC」21→「M-1」22)

続いては、コントで評価されてから、漫才でも評価されるようになった人たちです。ただ、ピースとアキナに関しては、同じ年に開催された大会で決勝進出を果たしているので、どちらの芸も同時に評価されたということがいえるのかもしれません。いよいよもって恰好良いですね。

この中では、初期のM-1でファイナリストに選ばれていたジャルジャルが、あまりにも圧倒的な存在感を放っているように思えます。当時は決勝進出していたとはいえ、漫才もコントもあまり評価されていなかったんですよね。それが最終的には、『M-1』で決勝3位、『KOC』で優勝まで上り詰めているのですから、たまりません。たまに芸人さんの方から「賞レースで評価されるということは、その評価基準に合わせることを強要されているだけなので、出ません」みたいな声を聞くことがありますけれど、ジャルジャルの歴史を思うと、「君らはジャルジャルほどの努力を重ねた上で言っているのか?」とか底意地の悪いことを言いたくなりますね。もっとも出るも出ないも個人の自由なんですけれども。

……と、ここで記事を終わらせても良いのですが、せっかくなので漫才・コントの各賞レースのファイナリストたちが、もう一方の賞レースにおいて惜しくも準決勝敗退となってしまったパターンについてもデータをまとめてみました。まあ、お暇なときにでも、チラッと読んでいただければ幸いです(数値は準決勝進出の年)。

・『M-1』ファイナリストで『KOC』セミファイナリスト
相席スタート(「KOC」14)
アジアン(「KOC」10)
アメリカザリガニ(「KOC」10)
ウエストランド(「KOC」12)
おいでやすこが(「KOC」21)
カミナリ(「KOC」17)
カナリア(「KOC」10)
ザ・パンチ(「KOC」09)
ザ・プラン9(「KOC」08)
ザブングル(「KOC」08)
霜降り明星(「KOC」21)
すゑひろがりず(「KOC」14)
スリムクラブ(「KOC」10)
ダイノジ(「KOC」08)
ダンビラムーチョ(「KOC」20)
東京ダイナマイト(「KOC」08)
トータルテンボス(「KOC」08)
とろサーモン(「KOC」08)
NON STYLE(「KOC」08)
ハリセンボン(「KOC」08)
パンクブーブー(「KOC」08)
ヨネダ2000(「KOC」22)
ライセンス(「KOC」08)

THE MANZAI』ファイナリストで『KOC』セミファイナリスト
オジンオズボーン(「KOC」08)
ガクテンソク(「KOC」10)
チーモンチョーチュウ(「KOC」10)
テンダラー(「KOC」08)
馬鹿よ貴方は(「KOC」15)
ハマカーン(「KOC」09)
レイザーラモン(「KOC」14)
和牛(「KOC」10)

・『KOC』ファイナリストで『M-1』『THE MANZAIセミファイナリスト
インパルス(「M-1」02)
鬼ヶ島(「M-1」09)
カゲヤマ(「M-1」22)
かもめんたる(「M-1」22)
キングオブコメディ(「M-1」02)
GAG(「M-1」07)
ジャングルポケット(「M-1」09)
滝音(「M-1」20)
トップリード(「THE MANZAI」14認定漫才師)
どぶろっく(「M-1」10)
ななまがり(「M-1」10)
ニッポンの社長(「M-1」15)
2700(「THE MANZAI」11認定漫才師)
ビスケットブラザーズ(「M-1」22)
藤崎マーケット(「M-1」06)

M-1ファイナリストとしてのイメージが強い「馬鹿よ貴方は」と「和牛」は先にTHE MANZAIでファイナリストに選ばれているため、THE MANZAIのカテゴリーに突っ込んでいます。思い返してみると、それからどっちのコンビも色んなことがありましたねえ。しみじみしちゃう。

漏れがありましたらコメントで教えていただけますと幸いです。では、また。