白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

くだけた履歴なら拾い集めてつなぐと

昨日の記事にも書いたが、ここ数年ほど、熱心にバラエティ番組をチェックしていない。定期的に見ているのは『有吉の壁』『水曜日のダウンタウン』くらいで、後はSNSで話題になっている番組を気まぐれに視聴する程度に留まっている。学生時代のことを思うと、なかなかに考えられない状況である。当時の私は、『内村プロデュース』『『ぷっ』すま』『アメトーーク』などといった深夜バラエティ番組に熱中していて、それらの番組に時間を費やしていたために、購入したDVDをチェックする時間がないと嘆いていたものだ。それほど面白い(と当時の自分が感じていた)番組が多かった。対して、頻繁にチェックするようになったのが、YouTubeである。仕事を終え、帰宅すると同時にテレビでYouTubeのホーム画面を開き、動画の更新状況をチェックすることが今や日課となっている。これといった更新がない日でも、オススメ動画を漠然と漁って、面白そうな動画を探している。すっかりYouTubeジャンキーである。しかし、そもそも私にとってYouTubeは、未知なるミュージシャンのミュージックビデオをディグったり、テレビで目にした気になった芸人が公式で配信しているネタ動画を見るための媒体でしかなかった筈だ。それなのに、いつの間にか、YouTubeを中心に活動している人たちによる動画を熱心にチェックするようになってしまった。では、そのきっかけとなったものは、一体なんだったのか。ふと、そんな疑問を抱いた私は、SNSでの過去のつぶやきの中からYouTubeの動画について言及しているものを洗い出すことで、そのターニングポイントを類推してみようと思い立った。そして、おそらくきっかけとなったものを、見つけることが出来た。それは2016年9月に視聴した『新道辰巳のごみらじお』である。当時の『新道辰巳のごみらじお』は、漫才コンビ「馬鹿よ貴方は」でツッコミを担当している新道辰巳と、コントをメインに活動しているお笑いコンビ「マッハスピード豪速球」のさかまきの二人で配信しているトーク動画チャンネルとして運営されていた(今は紆余曲折を経て新道が一人で配信している)。その頃、プロのお笑い芸人が明け透けに芸人としての視点や実情について語ることは非常に珍しく、イチお笑いファンとしては垂涎のトークを聴かせていただいていたのである。それなのに、八年の月日が経過した今、そんなことなどすっかり忘れていたのだから、薄情な話である。ちなみに、お笑い芸人以外のYouTube界隈に興味を持つようになったのは、2020年6月ごろのようだ。具体的には言及していないが、『きまぐれクック』が千鳥の漫才における「ハンマーヘッドシャークのここ」を調理している過程を撮影した動画のリンクを貼っている。これが最初なのかどうかは分からないが、わざわざSNSにURLを貼り付ける程度には、新鮮に注目していた時期ではあったのだろう。いずれにしても芸人のネタがきっかけになっていたのかと思うと、自分のある意味でのブレなさに感心しそうになる。嘘だが。