白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「キングオブコント2023」終了直後に思ったことなど。

今の時代にこういう表現がそぐわないことは重々承知しておりますけんども、まあ、なんというか、男という生き物はですね、年を取れば取るほどに、意地なのか、自己演出なのか、よう分かりませんけどな、人前で笑うということを出来なくなってしまうものなんですけども、年に一度の賞レースの決勝戦ともなると、そのリミッターがバチコーンと外れてしもうて、もう笑う笑う。ニヤッとした小さな笑いやなしに、ゲラゲラハハハと大きく笑うことが出来る、これがたまらんのですな。というわけで今年もキングオブコントの決勝戦、見させていただきましたけんども、これがもうたまりませんでしたな。どのコントも一回は爆笑……もっとも「爆笑」という言葉は大勢で笑うという意味らしいんやけども……する瞬間があって、三時間の生放送が終わるころになると、まさしく息も絶え絶え、一時間ばかり家の周りを走ってきたんかってくらいの疲労感に襲われる始末で、まあ、よろしゅうございましたな。誰が優勝したとか、誰が何点をつけたとか、そういう話は敢えて今はせえへんけども、個人的にはジグザグジギーが良かったかなあと思いますな。松本人志が審査委員長を務めている賞レースだからこそ、ああいうネタを仕掛けてきたんでしょう。彼らはたまにそういうクレバーなことをやってくれるんですわ。その場に適したネタというか、その場だからこそ伝わるネタというか、状況に応じたネタをバシーッと決めてくれる。そんなジグザグジギーの一面が明確に表れたコントをやっていたように思います。あと、蛙亭も良かったですねえ。イワクラさんは中野くんの使い方が本当に上手くて、たびたび「こんなキャラクターを引き出せるのか!」と感心させられます。悪人ではないけれど、とっつきにくい感じの人間を演じさせると、本当に天下一品やないですか。まあ、細かい感想は追って、ということで。今はとにかくファイナリスト全員にお疲れさまでしたをお伝えしたいですね。そして、優勝者と準優勝者に、心からのおめでとうを。絶対に売れてくれますように。

ところで、審査員は今後、「順番が悪かった」って言わへんようにお願いしますわ。ちょっと気ぃ悪いですよアレ。もっというとラブレターズのことを流石にちょっとナメすぎじゃないですかね。別にええんですけども。お願いしますー。