白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

俺のままでTしてKしてOする為にbombして来たキングオブコント

2024年3月14日放送の『アメトーーク!』において「賞レース2本目やっちまった芸人」が特集されていた。M-1グランプリ』『キングオブコント』の決勝戦において、1本目のネタで爆笑をかっさらって審査員から高い評価を得るも、最終決戦で披露する2本目のネタ選びに失敗してブレーキを踏んでしまった芸人たちに注目した企画である。ひな壇ゲストは、チョコレートプラネット、笑い飯、ロッチ、さや香。MC横のゲストとして、2015年から2020年にかけて『キングオブコント』で審査員を務めていた三村マサカズ(さまぁ~ず)、『M-1グランプリ』ファイナリストで2018年からは審査員を務めている塙宣之(ナイツ)。それぞれの芸人たちの思い出話の熱量がとてつもなく高く、かなりの撮れ高があったようで、予告によると通常回ではちょっと珍しい二週連続の放送になるらしい。

番組内では、あくまで優勝目前というところにまで迫っていた芸人たちにのみ着目していたが、今回のテーマで私が最初に思い出したコンビはTKOだった。2013年の『キングオブコント』において、TKOは1本目で896点を叩き出すも、2本目で808点という大失速を見せていたのである。もっとも、ファーストステージの時点で彼らは8組中4位だったので、わざわざ取り上げるほどのものではない……と、普通ならば考えるところだが、彼らの場合は他の芸人とは少し事情が違う。TKOは『キングオブコント』において四度の決勝進出を果たしているのだが、そのうち三回は、1本目と2本目の点数差が異常に大きいのである。二度目の決勝進出を果たした2010年には、1本目のネタでトップバッターということもあって820点という厳しい点数を叩いてしまうも、2本目のネタで916点と全体3位相当の高得点を出しているし、三度目の決勝進出を果たした2011年においては、1本目のネタで757点・2本目のネタで877点という100点以上の差をつけている。もっとも、当時はセミファイナル敗退者100人による審査という極端に点数が動きやすいシステムを採用していたことも関係しているのだろうが、それにしても激動である。今後、もしも同じような企画が放送されることがあるならば、その時は、この極端な点差を経験しているTKOにも、ちょっとコメントを聞きに行ってもらいたいと個人的には思う。

ちなみに、復活後のM-1においては、1本目のネタが高く評価されるも2本目のネタがさほど評価されずに終わってしまった漫才師は、それなりに存在している。例えば、2015年大会のジャルジャルは1本目で1位通過となるも2本目で3位に終わっているし、2017年大会のミキは1本目で1位の和牛と僅か3点差の2位で通過しているのに2本目では無投票で3位になっている。2021年のオズワルドも1本目は1位通過だったのに2本目ではインディアンスと同着3位だし、2022年のさや香……については、二週目の『アメトーーク』でも語られそうなので省略。その原因は分からないが、きちんと調べてみたら面白い傾向が見えてくるかもしれない。やらないけど。