白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

2020年12月の入荷予定

02「2020年度版 漫才 爆笑問題のツーショット
23「アンガールズ単独ライブ「彌猴桃は7304日後に」

どうも、すが家しのぶです。好きな諺は「餅は餅屋」です。

2020年も残り一ヶ月ですね。あっという間に過ぎていったような気がする一方、随分と長い一年だったような気もしています。新型コロナウィルスの影響で日常に大きな変化が生じたことで、それまでにはなかった多様なストレスを感じるようになってしまったためかもしれません。その状況は今も大きく変化しておらず、相変わらずの緊迫感・閉塞感が漂う日々を過ごしていますが、何故か「年が明ければなんとかなるんじゃないかしらん」という能天気な感覚も残っていて、どうにもこうにも自分の心は伝統的思考に支配されているのだなと思ってしまう今日この頃であります。嗚呼、正月リセット主義。

そんな十二月のラインナップは、爆笑問題アンガールズという漫才・コントの実力者が並ぶ形となりました。時事漫才で迎える年末というのも良いものですね。この他、安定の人気を誇るライセンスによるトークライブを収録した『LICENSE vol.TALK ∞10』、内海桂子・好江が『花王名人劇場』(79~90年放送)で披露してきた漫才を収めたベスト盤『決定版 内海桂子・好江 名選集』がそれぞれ12月23日にリリース予定です。また、年末の恒例であります、『ゲームセンターCX DVD-BOX17』が12月18日にリリースされますので、こちらもお忘れなく。

『読む余熱』プレ創刊号について

どうも、すが家です。改めて、ご連絡させていただきます。

昨日、白泉社より配信を開始しました電子雑誌『読む余熱』のプレ創刊号に、テキストを寄稿させていただきました。「『M-1グランプリ』大特集」ということで、私が過去に『M-1グランプリ』決勝戦で目にし、衝撃を受けた五本の漫才について語っております。当初、七本の漫才について書く予定だったのですが、それぞれの漫才について長々と書き進めてしまったため、二本ほど削らざるを得ませんでした。それでも当初の予定文字数を倍近くオーバーしているのですが。なんともかんとも。その辺りのことも本文で触れておりますので、良ければご確認ください。

本誌では私以外にも様々な方々が筆を執っております。

テレビ番組をテーマにしたコラムニストとして活動中の飲用てれびさんは、『M-1グランプリ2019』で敗れ去ったコンビたちの2020年の活動について、丁寧に振り返っています。その切り取り方も絶妙ですが、具体的な番組のタイトルや日時を提示して、きちんと情報として提示されているところが素晴らしいです。テレビバラエティ系のコラムというと、どうしても曖昧な記憶を元に語られがちですから(私もよくやる)。何年も前から芸人界隈で話題になっていたブログ『笑いの飛距離』(元『お笑い芸人のちょっとヒヒ話』)を運営されているのていさんは、オードリーとブラックマヨネーズを例に挙げて、M-1における“新しいスタイルの漫才”について書いています。ただただM-1を称えるだけではない、あくまでも芸人たちの目線に立ったテキストが果てしない優しさを感じさせます。

K-PRO代表で若手芸人をゲストに招くラジオ番組『K-PRO児島のお笑い大図鑑』のメインパーソナリティも務めている児島気奈さんは、M-1がライブシーンに与えた影響を語っています。スタッフとしての感覚と芸人たちのナマの声がストレートに伝わってくる文章は、私のように自宅で笑いを定点観測しているような人間にはとても書けないようなリアリティを持っています。変ホ長調のお二人は、M-1出場に至るまでの経緯について、それぞれの視点から書かれています。思いの丈をストレートにぶちまける彼方さとみさん。冗談交じりにコミカルに話してみせる小田ひとみさん。その語り口はまったく違っていますが、しかし、それぞれにそれぞれの“変ホ長調”というコンビに対する熱がふつふつと燃え滾っています。

贔屓目抜きに、どのコラムも読みごたえがあって、とても面白いです!

最後にお願いです。買ってください。本当に。恥も外聞もかなぐり捨てて、お願いします。買ってください。原稿料は既に決められているので、雑誌の売れ行きに左右されることはないのですが、こういう雑誌を継続していくことにこそ意義があると思うのです。無論、そこに参加させていただけるのであれば、こんな有り難いことはないのですが……。なので、買ってください。読んでください。少なくとも、私以外の方々が書かれた文章には、一読するだけの価値があります。

何卒、よろしくお願いします。

大切なお知らせ

①結婚しました。

②引っ越しました。

白泉社が発行する電子雑誌『読む余熱』に寄稿させていただきました。11月26日にプレ号、年明けには第一号が配信される予定になっています。よほどの不祥事を起こさない限り、両方に原稿を載せていただくことになると思いますので、どうぞご購入のほどをよろしくお願いいたします。

こちらからは以上です。

追記。③の書影が公開されました。

興味があれば是非。

「M-1グランプリ2020」準決勝進出者決定!

・前大会ファイナリスト
ぺこぱ(3位)
見取り図(5位)
からし蓮根(6位)
オズワルド(7位)
インディアンス(9位)
ニューヨーク(10位)

優勝コンビのミルクボーイ、出場資格を失ったかまいたち、開催前から出場の辞退を宣言していた和牛、準々決勝戦で敗退となったすゑひろがりずを除いた六組が今年も準決勝戦に進出。いずれのコンビも前回大会以降に様々な分野で評価を上げており、そのままの勢いで決勝進出を決めたいところ。

・過去大会ファイナリスト
アキナ(16年)
マヂカルラブリー(17年)
ゆにばーす(17年・18年)

今年がラストイヤーだったスリムクラブ、第七世代をリードする漫才師の一角ミキ、2020年の歌ネタ王を制したさや香、強烈なスタイルで多くの人の記憶にこびりつく漫才で知られるトム・ブラウンなど、並み居る実力派たちがここで敗退。漫才師としてのポテンシャルはズバ抜けているミキがここで敗退するとは……。

・前大会セミファイナリスト
ダイタク(21位)
東京ホテイソン(12位)
錦鯉(24位)
ロングコートダディ(25位)

四千頭身アインシュタイン、ラランドなど、様々なバラエティ番組で活躍しているユニットがここで敗退。なかなか厳しい。実はここ数年、準決勝戦での評価が悪くない東京ホテイソン(2018年大会は11位)、そろそろ決勝進出を決めたいところ。

・過去大会セミファイナリスト
ウエストランド(18年)
学天即(16年)
金属バット(18年)
ニッポンの社長(18年)
ランジャタイ(17年)

関西の実力派漫才師として知られる学天即が、なんと四年ぶりの準決勝進出。ラストイヤーということもあって、ここは決勝進出確定……とは、そう易々と決まらないのが、M-1グランプリという大会なのだが。みんな大好き金属バット、みんな大好きランジャタイの準決勝進出も嬉しい。ラストイヤーの三四郎は惜しくも落選。

・初の準決勝進出
キュウ
カベポスター
コウテイ
タイムキーパー
おいでやすこが
滝音
祇園

ピン芸人として活動しているおいでやす小田とこがけんによる即席ユニット・おいでやすこがが準決勝進出の大金星! R-1決勝進出で売れそこなった二人が、これをきっかけに大爆発するか。個人的には、タイタン所属の不思議な漫才師・キュウの準決勝進出が嬉しい。奇妙な掛け合いが不可思議な世界へと観客を誘う。この他、関西で活動するカベポスター、コウテイ滝音祇園が初の準決勝進出。そして、こちらも大金星のタイムキーパーは、結成二年目の超若手コンビ。第七世代に新たな風を吹かせるか。

以上の二十五組に敗者復活の一組を加えた二十六組が準決勝進出となる予定(らしい)。

「M-1グランプリ2020」準々決勝進出者(東京予選)

・10月31日(昼)
くらげ(シード)

・10月31日(夜)
キュウ(8/2 1位)
ランジャタイ(シード)
錦鯉(シード)

・11月1日
ワラバランス(8/18)
ミキ(シード)
スーパートマト(8/19)
素敵じゃないか(8/3)
ういろうプリン(8/1)
演芸おんせん(8/31)
ブリキカラス(8/2 2位)
シンクロニシティ(追加合格)
真空ジェシカ(8/1 1位)
ラフレクラン(9/30)
四千頭身(シード)

・11月2日
蛙亭(8/31 2位)
ガッツマン(8/18)
カナメストーン(8/31)
バビロン(8/20)
ボーイフレンド(9/18 1位)
モグライダー(8/1 3位)
シシガシラ(8/31 1位)
ひつじねいり(8/3)
ストレッチーズ(9/15 3位)
納言(9/16 1位)
号泣(シード)
井下好井(シード)
笑撃戦隊(シード)
GAG(シード)
Aマッソ(シード)
ダイタク(シード)
スリムクラブ(シード)
マヂカルラブリー(シード)

・11月3日
アインシュタイン(シード)
インディアンス(シード)
デニス(9/29 1位)
ダイヤモンド(追加合格)
ゆにばーす(シード)
トム・ブラウン(シード)

・11月4日(昼)
おいでやすこが(9/28 2位)
シマッシュレコード(8/18)
タモンズ(8/4 1位)
ななまがり(9/14 1位)
コロコロチキチキペッパーズ(8/19)
大自然(シード)
EXIT(9/17 1位)
三四郎(シード)
すゑひろがりず(シード)

・11月4日(夜)
わらふぢなるお(9/30 1位)
ママタルト(8/18)
ぼる塾(8/31 3位)
侍スライス(シード)
令和ロマン(シード)
東京ホテイソン(シード)
オズワルド(シード)
ぺこぱ(シード)

・11月5日(昼)
コマンダンテ(シード)
スプリングシュリンプ(9/30)※トニーフランクとZAZYのコンビ
インポッシブル(8/20 2位)
ドンデコルテ(追加合格)
ネイチャーバーガー(8/18)
ヤーレンズ(8/18)
ラランド(シード)

・11月5日(夜)
ヒコロヒーとみなみかわ(9/15)
マッハスピード豪速球(9/16)
9番街レトロ(8/3)
ウエストランド(シード)
ニューヨーク(シード)

どうも、すが家です。東京二回戦の結果が発表されましたね。次は準々決勝戦なので、例年でいえば三回戦と同等の役割を果たしているわけですが、そう思うと、なかなかになかなかなメンバーが揃ったといえるのではないでしょうか。興味深いのは、一回戦の追加合格組がそこそこ勝ち上がっているところですね。もっとも、シンクロニシティ、ドンデコルテ、ダイヤモンドと、いずれも面白い漫才を見せてくれるコンビなので(過去にイチオシコンビとしてブログで取り上げております)、そもそもどうして一回戦で落とされたのか?という気がしないでもないですが。個人的には、最近推しているキュウが受かっているのが嬉しかったですね。準決勝までは勝ち上がってもらいたい……。

あと、忘れてはならないのが、復活した号泣の二回戦突破ですね。コンビとして解散していた筈なのにまさかまさかの再結成、というだけでも事件だったのに、まさか二回戦を突破してしまうとは。今の時代に合った自分たちの笑いを見つけられた、ということなのでしょうか。どこまで突き進むことが出来るのか、見守っていきたいですねえ。

ちなみに、主な二回戦敗退者は以下の通りになります。

・10月31日(昼)
オフ(9/15 1位)
ガンギマリ(9/16 2位)
雷ZINちゃん(9/18 2位)
アモーン
根菜キャバレー(9/18 3位)
エイトブリッジ
カーボーイジュニア(9/3 2位)
パンダユナイテッド
イヌコネクション(追加合格)
やさしいズ(9/14 2位)
ストロングスタイル(9/13 1位)
てるてる娘(9/4 3位)

・10月31日(夜)
ゴヤ(9/2 3位)
ブラゴーリ(8/4 3位)
畑・前島ペア(9/19 名古屋 3位)
あっぱれ婦人会(追加合格)
ニュークレープ
スーパーニュウニュウ
ぽんぽこ
さんさんず(8/18 1位)
風水(8/29 北海道 2位)
つちのこ(9/3 1位)
エル・カブキ
ゼスト(8/1 2位)
放課後ハートビート

・11月1日
まごのて(8/29 北海道 3位)
ザ・ギンギンマル(9/1 2位)
クマムシ(追加合格)
完熟フレッシュ
トキヨアキイ(8/18 2位)
まんじゅう大帝国

・11月2日
ファニーチャップ(9/20 名古屋 2位)
リングリンデ(8/29 北海道 1位)
フレンチぶる(8/3 1位)
オリオンリーグ(9/27 沖縄 3位)
ヤブキサドヤ(9/2 2位)
出目金(10/4 福岡 2位)
土佐兄弟
ロングロング
初恋クロマニヨン(9/27 沖縄 1位)
新作のハーモニカ(8/20 3位)
キャッツ(9/17 2位)
りんご事変(9/4 2位)
尼神インター(シード)

・11月3日
うたたね(9/28 3位)
ネコニスズ
アイロンヘッド(シード)
リニア
タイーク(9/17 3位)
ものいい
ハイトーン兄弟

・11月4日(昼)
Tokyo Cool(9/29 2位)
アンダーエイジ(9/13 3位)
新宿カウボーイ
アントワネット(8/20 1位)
ライデン(10/1 3位)
ザ・パーフェクト
オダウエダ
世間知らズ
にわか(10/4 福岡 3位)
怪奇!YesどんぐりRPG(8/3 3位)
メタルラック(10/4 福岡 1位)
ジャイアントジャイアン(8/2 3位)
ダンビラムーチョ(シード)

・11月4日(夜)
カラタチ(追加合格)
ドドん
お兄さんと可愛い後輩(9/15 2位)
はなしょー
きしたかの
フランスピアノ
ナミダバシ(8/3 2位)
おつゆ(9/24 2位)
赤もみじ(8/19 2位)
カロン(9/29 3位)
おとぎばなし
つ~ゆ~
ダニエルズ(8/19 1位)

・11月5日(昼)
ありんくりん(9/27 沖縄 2位)
日本クレール
夫婦のじかん(8/18 3位)
サムライアント(10/1 2位)
まんぷくユナイテッド(8/19 3位)
トット(9/1 1位)
インデペンデンスデイ
ふぁのシャープ(8/4 2位)
ツヨシっ!(10/1 1位)
さすらいラビー(9/2 1位)
鬼越トマホーク(9/28 1位)
馬鹿よ貴方は(シード)

・11月5日(夜)
カカロニ
ランパンプス
THIS IS パン
美豚ズ(9/14 3位)
おせつときょうた
吉本若手マッチョ部(9/30 3位)
ビスケッティ
カゲヤマ
たぬきごはん(追加合格)
猿ジャム(9/4 1位)
フタリシズカ
虹の黄昏(追加合格)
アマレス兄弟
キンボシ
サスケゾノ(9/1 3位)
マテンロウ

関西予選に負けじと、こちらもクセの強いメンバーが揃っています。決勝進出経験のある馬鹿よ貴方は、TikTokで絶賛ブレイク中の土佐兄弟、女性コンビとして既に売れっ子の尼神インター、ジャニーズ事務所所属のアイドルによるユニットであるおつゆ・つ~ゆ~などなど……。沖縄予選の初恋クロマニヨン、千葉予選のツヨシっ!、仙台予選のストロングスタイル、福岡予選のメタルラック、北海道予選のリングリンデのように、地方の猛者たちも敗れ去っております。都会の壁は厚い……。

次はいよいよ準々決勝。どうなりますやら。

「M-1グランプリ2020」準々決勝進出者(大阪・京都予選)

・10月26日(大阪)
【追加】ライムギ
パーティーパーティー(8/13 1位)
隣人(8/24 3位)
なにわスワンキーズ(9/7 1位)
ダブルヒガシ(8/24)
ラフ次元(8/25)
マイスイートメモリーズ(8/25)
エンペラー(8/24)
紅しょうが(8/24)
ロングコートダディ(シード)
たくろう(シード)
【追加】マユリカ(シード)
【追加】セルライトスパ(シード)
さや香(シード)
アキナ(シード)
学天即(シード)

・10月27日(大阪)
20世紀(9/7)
タイムキーパー(8/24→9/8 1位)
フースーヤ(8/25 1位)
コウテイ(8/11 1位)
キャタピラーズ(8/10)
Dr.ハインリッヒ(8/25)
チェリー大作戦(8/12 2位)
【追加】カベポスター
滝音(8/12 1位)
【追加】ビスケットブラザーズ(9/9 2位)
ニッポンの社長(シード)
令和喜多みな実(シード)
藤崎マーケット(シード)

・10月28日(京都)
にぼしいわし(9/25)
ぎょうぶ(8/24→9/9)
いなかのくるま(8/12)
【追加】パーフェクト・ダブル・シュレッダー
黒帯(8/13)
もも(8/24 1位)
風穴あけるズ(8/24)
タチマチ(8/24)
ツートライブ(9/9 1位)
からし蓮根(シード)
見取り図(シード)

・10月29日(大阪・昼)
【追加】スナフキンズ(8/25 3位)
金属バット(シード)

・10月29日(大阪・夜)
祇園(9/10 1位)
鬼としみちゃむ(8/11 3位)
ジソンシン(8/24 2位)
吉田たち(9/24 1位)
デルマパンゲ(9/7)

どうも、すが家です。今年のM-1は三回戦がないということだったので、じゃあ準々決勝進出者をまとめるのも容易なのではないか、などというよく分からない思考に陥った結果、このようなデータを割り出すような超退屈しのぎの如き行動に打って出てしまいました。一回戦の結果も反映したために、まあまあ大変な作業だったわけですが、関西予選の倍ぐらいの回数行われる予定の東京二回戦はどうするつもりなのでしょうか。でしょうか、といわれても。個人的には、イチオシのキャタピラーズとジソンシンが受かってるのが嬉しいですね。活躍に期待しております。

しかし、こうしてデータでまとめてみて驚いたのですが、一度一回戦で落とされているのに、再度一回戦に挑戦してみたら一位通過しちゃったコンビがいるんですねえ(タイムキーパー)。当日の調子にも左右されるのでしょうけれど、それにしても、そんな極端な結果になってしまうのかと。改めて芸は水物なんだなあと感じさせられます。あと、一回戦で一位通過しているのに、二回戦敗退のコンビもけっこういるんですよね。難しいですねえ。

ちなみに、主な二回戦敗退者は以下のようになります。

・10月26日(大阪)
パーラー(8/10 3位)
クレメンス(9/22 広島 3位)
藩飛礼(9/22 広島 1位)
シカゴ実業(8/25 2位)
ヘンダーソン
ジュリエッタ(9/8 2位)
ネイビーズアフロ(9/25 1位)

・10月27日(大阪)
山口ふく太郎・ふく子(9/22 広島 2位)
ラニーノーズ
ドーナツ・ピーナツ(9/9 3位)
マルセイユ(9/7 2位)
モンスターエンジン(シード)

・10月28日(京都)
イノシカチョウ(9/23 1位)
空飛ぶリビング(9/19 名古屋 1位)
いつもたいしゃ(9/23 2位)
ピカソ(9/20 名古屋 3位)
武者武者
タナからイケダ(9/25 2位)
丸亀じゃんご
アルミカン
ガーベラガーデン(9/20 名古屋 1位)
変ホ長調(シード)

・10月29日(大阪・昼)
アンリミテッドプリパレーション(9/25 3位)
牛ペペ(8/10 2位)
キンニクキンギョ(9/7 3位)
セシル一門(9/19 名古屋 2位)
放課後ボーイズ(8/11 2位)
バッテリィズ(8/13 3位)
ダブルアート(8/10 1位)

・10月29日(大阪・夜)
モチヅキオオタニ(8/13 2位)
オリハルコン(9/8 3位)
ブルーウェーブ(8/12 3位)
黄昏の森(9/24 3位)
うただ(9/23 3位)
よふかしイエロー(9/10 3位)
ペトラフォルト(9/10 2位)
天才ピアニスト

なかなかに錚々たるメンバーですね。M-1ファイナリスト経験のあるモンスターエンジン変ホ長調、上方漫才コンテストで優勝したばかりのネイビーズアフロニッポンの社長ロングコートダディとともに“関西コント保安協会”というユニットでも活動しているセルライトスパ、実力派のアマチュアとして名高いガーベラガーデンなどなど……。広島予選の藩飛礼、名古屋予選の空飛ぶリビングのように、地方一回戦をトップで通過したコンビの姿も見られます。

(追記:セルライトスパは追加合格になりました。めでたいっ)

例年にない変則的な予選によって、やたらと結果に驚かされますね。果たして東京予選はどのようなことになってしまうのでしょうか。ドキドキしますねえ。

「まんじゅう大帝国 第一回単独公演「私の番です。たしかにね。」」(2020年10月7日)

2019年9月に新宿シアターモリエールで行われた単独ライブを収録。

まんじゅう大帝国は竹永一希と田中永馬によって2016年に結成されました。結成直後、フリーとして出場した『M-1グランプリ』で三回戦まで勝ち進み、そのネタを目にしたアルコ&ピースに大いなる衝撃を与え、ラジオで話題にされたことで急速に注目を集め始めます。その翌年、竹内が所属していた日芸落研の先輩である高田文夫の推薦により、爆笑問題らが在籍するタイタンに所属。2018年に『ENGEIグランドスラム』へ出演。2020年には竹内が主演を務める映画『実りゆく』が公開されました。まさに今、注目される第七世代の漫才師の一組といっていいでしょう。

先述の通り、本作に収められているのは、既に一年以上前に行われた単独公演の映像になります。どうして、そんなにも前の映像が、今頃になってソフト化されたことにうっすらと疑問を覚えていたのですが、本作リリースと同時期、メンバーの竹内一希が主演を務める映画『実りゆく』が公開されたことで、その謎はあっさりと氷解してしまいました。恐らくはプロモーションの一環なのでしょう。事実、本作のパッケージには、映画の宣伝文句が記載されたシールが大きく貼りついていますし、本作を再生すると、お馴染みのコンテンツリーグのロゴ映像の前に、『実りゆく』の予告映像が流れ始めます。なんとも節操がありませんね。とはいえ、面白い芸人のライブがソフト化されるのであれば、そこにどのような理由があろうとも、一先ずは万々歳であります。

本編には十本の漫才と一本のコントが収録されています。まんじゅう大帝国の漫才といえば、バカとバカがヘンテコな話をしているにも関わらず、まったく軌道修正することなく、延々とバカな話を繰り広げるものですが、本編に収録されているネタも基本的にその方針を崩していません。ポケモンの種類の数のスゴさについて話していた筈なのに、比較対象の方がスゴいため、ポケモンのスゴさが薄れてしまう『ポケモン』、田中の性格を変えるために、血液を入れ替えて、血液型を変えてしまおうと提案する『血液型』、アメリカンジョークのような文脈でまったくジョークになっていない話を始める『アメリカンジョーク』などなど、軽妙な語り口でバカな話が延々と繰り広げられます。

以前のまんじゅう大帝国は、バカバカしい話から更にバカバカしい展開を経て、どんどんバカな方向へと転がっていく漫才を見せていましたが、少なくとも本公演が行われていた時期の彼らは、下手に工夫を凝らさずに、バカ同士の会話をシンプルに見せる方向へとシフトチェンジしているように感じられました。台本としての面白さよりも、バカな人たちを見せたがっているような。この、ネタに対する向き合い方は、何処か古典落語のそれを思わせます。二人がともに落語研究会出身であることが、少なからず影響しているのかもしれません。また、二人ともに声質が良いため、そういったやり取りをいつまでも聴いていられるんですよねえ……。

個人的に印象に残っているのは『冷蔵庫の余りもの』。「冷蔵庫の余りものでパパッと作れたら恰好良い!」という竹内が、冷蔵庫で余っていた大根を使って犬小屋を作った話を始めます。……何を言っているのか分からないかもしれません。私もよく分かりません。ただ、竹内の説明を聞いていると、なんとなく大根から犬小屋を作ることが出来るような気がしてくるんですよね。この現実と虚構の絶妙なバランス感がたまりません。その意味ではオーラスの『スマートスピーカー』も素晴らしかったです。終盤のSF的な展開は、往年の爆笑問題を思わせましたね(知ったかぶり)。

今年で結成五年目、まだまだ若手のまんじゅう大帝国の芸は早くも渋みを帯び始めておりますが、ここからどのような進化を遂げることになるのでしょうか。今から楽しみですね。

・本編【74分】
ポケモン」「血液型」「冷蔵庫の余りもの」「アメリカンジョーク」「落語っぽい」「特技認定」「神社」「コント「お誕生日」」「大根」「西君」「スマートスピーカー

「令和2年度 NHK新人お笑い大賞」(2020年11月1日)

【Aグループ】
吉住「銀行強盗」
THIS IS パン「女の子を自宅でおもてなし」
フタリシズカ「アイドルのオーディション」
令和ロマン「ナンパ」

【Bグループ】
チェリー大作戦「試験」
カベポスター「ワールドカップと誕生日」
さや香「人体の不思議」
ねこ屋敷「ちんすこう」

【決勝】
令和ロマン「ケータイ屋」
さや香「一番好きな寿司ネタ」

夕刻、何もすることがなく、テレビを眺めながらぼんやりとしていたら、偶然にも放送時間を迎えたのでそのまま視聴。司会は、フットボールアワー中川安奈NHKアナウンサー)。審査員は、西川きよし渡辺正行久本雅美立川志らく、二谷裕真(NHK制作局第5制作ユニット(音楽・芸能)ジャンル長)。

Aグループは全体的に低調。はっきりとしたボケを見せないリアリティ重視の一人コントが不穏な後味を残した吉住。ボケとツッコミのポテンシャルの高さにまだ少し内容が追いついていないように感じられたTHIS IS パン。設定が上手いのに終盤で「リコーダーとボイパを同時に披露する」という大道芸的なボケをぶち込むことで視点をブレさせてしまったフタリシズカ。それぞれ、決して悪くはないのだが、いずれも爆発力に欠け、なかなか盛り上がらない。そんな状況下で登場した令和ロマンが、無感情に淡々と進行する喋りだからこそボケのセンスが強烈な印象を残す漫才を披露。満場一致で決戦戦へと駒を進める。

ここでようやく場が温まったのか、Bグループは大いにグルーヴ。「試験中に歌い出したヤツが現れたが、試験を受けている学生全員がマスクをしているため、犯人が誰なのかまったく分からない」という設定があまりにも時代にマッチし過ぎていたチェリー大作戦。ワールドカップと誕生日と手品、一見するとまったく無関係な要素を不思議に組み合わせて、最終的に洗練されたホラーテイストのコントへと落とし込んだカベポスター。石井の話に新山が過剰に食いつく様が狂気性を帯びていたさや香。『エンタの神様』的な歌ネタかと思いきや、絶妙なあるあるを過剰なメッセージで歌い上げることで、独特の空気を形成させていたねこ屋敷。どのコンビも非常に面白かったのだが、僅差でさや香が予選を制する。

勝戦は令和ロマンとさや香による直接対決。まずは令和ロマン。予選と同様、淡々とした会話の中で、激しくセンスが燃え上がる漫才を披露する。確かに面白いのだが、あまりにもつかみどころがなくて、ちょっと記憶に残りにくいネタかな……と思っていたところで、突如として菅総理を絡めたボケをぶち込み、グッと全体を引き締める。対するさや香は、石井の一番好きな寿司ネタが芽ネギであることに、新山が困惑し続ける漫才。これもまた面白いのだが、新山の言い分に対する共感の度合いが強くて、一本目に比べて狂気性に欠ける。さや香の漫才は、新山の意見が「ちょっと理解できるけど、そんな考えなくてもええようなことを煮詰める」ぐらいの方が、その激しい演技を活かしきれるような気がする。

静の漫才と動の漫才によるぶつかり合いを制したのは令和ロマン。この勢いでM-1初決勝進出も狙うことだろう。おめでとさんでしたー。