白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「じわじわチャップリン」(2016年10月8日)

  • サイクロンZ44

「歌ハメシチュエーション」。一週勝ち抜き。前回と同様、実際に存在するヒット曲にあてはまるシチュエーションを演じるパフォーマンス。しかし、今回は前回より、はっきりと精度を上げてきたように感じられた。どの歌ハメシチュエーションも完成度が高くて、キレ味鋭く、それでいてきっちりバカバカしい。最後に披露されたロングバージョンも見事な下らなさだった。ただ、一番感心させられたのは、中盤の狩野英孝のくだり。観客の意識に揺さぶりをかける駆け引きを取り入れたとなると、このスタイルはもっともっと奥行きのあるものになっていくだろう。今後の展開が楽しみだ。

 

「アプリゲーム」。二週勝ち抜き。アプリゲームのガチャシステムに倣って、篠宮が「ノーマル」「レア」「スーパーレア」なギャグを披露する。漫才のカタチを取ってはいるが、実際は篠宮のギャグを楽しむためのネタである。ただ、通常の漫才でも篠宮はギャグを炸裂させているので、あえてギャグだけを抽出するような設定にする必要性をあまり感じない。むしろ、話の流れを断ち切るように爆発的に披露されてこそ、篠宮の無意味で鬱陶しいギャグは本領を発揮する。何故、篠宮のギャグを並べただけの面白味の無い漫才を、チャンピオン大会出場がかかっている三週目に持ってきたのか。わざとか? わざとなのか?

 

【ふきだまりコーナー】

アイロンヘッド、アナクロニスティック、Aマッソ、鬼が島、むらせ、ジグザグジギー手賀沼ジュンなすなかにし、のばしぼん、平野ノラ、ハブサービス、プラス・マイナス、ロビンソンズ、オジンオズボーンが登場。「世界に通用するギャグ」というテーマの元、綾部祐二(お手本)、ジグザグジギー、鬼ヶ島がギャグを披露した。

 

  • ハルカラ【25】

「双子コーデ」。一週勝ち抜き。双子コーデをするほどに仲の良い女友達同士の友情が、ふとしたズレで揺れる様子を描いたコント。基本的には「お互いの思い出の話をしているのに別の友達との思い出の話を出されて不機嫌になる」というやりとりを繰り返しているベタな笑いを重視したコント。そのため、ネタの内容は些か薄っぺらいが、二人のクセの強い演技で見られるものに仕上げている。あと、前回に引き続き、今回も衣装の説得力が凄い。この辺のこだわりがいつか実を結ぶ日が来ればいいのだが。

 

「Bar」。二週勝ち抜き。ネタを始める前の雑談に軸を置いた漫才。あくまでも雑談なので、ちょっとした言葉遊びで軽妙に笑いを取っていく。観客も雑談として聞いているので、しょーもない言葉遊びでも、ハードルを下げて笑ってしまう。相変わらずニクいやり方だ。「確かに(蟹のポーズ)」「例えば~♪(B’z)」「勝訴!」なんて、バカバカしすぎて通常の漫才ではなかなか見られない。でも、このバカバカしい内容で、しっかりと観客が納得できる笑いを生み出しているのだから、凄い。ボケを放り込む間合いと滞りないテンポが絶妙なんだよな。賞レース向きではないのだろうが……。三週勝ち抜きでチャンピオン大会出場決定!

 

【今週のふきだまり芸人】

プラス・マイナス「体つきシリーズ」

次回の出場者は、鬼ヶ島、サイクロンZ(二週勝ち抜き)、ジグザグジギー、ロビンソンズ。