白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「こそこそチャップリン」(2016年2月20日)

「緊張」。緊張しがちな自分を変えたいという加藤に違和感の残る相槌を打つ森枝。以前の森枝はもうちょっとテクニカルなボケをしていたイメージがあったのだが、今回はテーマを意識したのか「緊張のせいで言い間違える」スタイルのボケが多く、結果としてシンプルで分かりやすい漫才になっていた。で、鑑賞時にうっかり「冷静に漫才を鑑賞するテンション」になってしまっていたため、あんまり笑えなかった。たまにこういう事態に陥ってしまう自分がおります。とはいえ「全~員モロヘイヤだ!」は面白かった。

 

  • サッチ【01】

「ナゾナゾ」。ナゾナゾを出す神田と、ナゾナゾに強いから変な発言が許される苅込。ネタの内容はそれなりに面白い。いきなり変な行動を取る苅込に対して、神田が「(ナゾナゾが)強いから許すんだからな!」と対応する感覚はなかなかたまらないものがあった。ただ、ネタの軸となっている「苅込の変な発言」を受け入れやすくするための仕組みが整っていないため、見ている人間を置いてけぼりにしてしまっているところも。……とはいえ、こういうクセの強いネタの方が世間にハマッた時の衝撃は大きいので、一概に悪いとも言い難いのだが。分かりやすくすればいいというものでもないし。

 

【ふきだまりのコーナー】

相席スタート、ドドん、メイデン玉砕、パーマ大佐、インデペンデンスデイなすなかにし、ザ・ギース、オーストラリア、スーパーニュウニュウ、大福、平野ノラ、ゆにばーす、BBゴローが登場。審査委員長みたいな雰囲気の「なすなかにし」、老け顔だけど凄く若い(22歳)「パーマ大佐」、頭部にロケットランチャーを仕込んできた「スーパーニュウニュウ」をクローズアップ。

 

執事喫茶」。1週勝ち抜き。設定といい、展開といい、選曲といい、いちいち前回の放送でやっていた漫才『ホストクラブ』と被っているなあと思わせたタイミングで「リピート放送なの……?」と自己言及したのには驚いた。これ以前にも、似たような設定を使い回している漫才師を何度か見かけたことがあったので、今回もてっきりそういう類いの状況なのだと思っていたのだが。この後はちゃんとオリジナルの展開を盛り込んでいた(姉のボディアタックが届かなかったのには笑った)ので、そういうネタだったのだろう。実に挑戦的。結果はギリギリだったが、阿佐ヶ谷姉妹の芸人としての底知れなさを感じたネタだった。

 

  • 勝又23

横綱と新人」。2週勝ち抜き。ムチャクチャなことをやっているのに「横綱だから」という理由で許されてしまう不条理さがたまらない。以前から、勝又というコンビはこういうヘンなネタをやっていたのだが、芸歴を重ねたためか、良い感じにカドが取れたように思う。フザケたようなことをやっている様が笑いやすくなったというか。新人のセリフが全て録音した音声を使っていたのも良かった。動きに重点を置いたことで、見るべきところが分かりやすくなっていた。3週勝ち抜きで春の特番への出演が決定!

 

次回の出場は、阿佐ヶ谷姉妹(2週勝ち抜き)、インデペンデンスデイエレファントジョン(1週勝ち抜き)、パーマ大佐。