白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「じわじわチャップリン」(2016年12月10日)

「美容室」。一週勝ち抜き。何故か美容師が声優の野沢雅子。ネタの内容は基本的に前回と変わらず。そのシチュエーションで起こり得る出来事に、野沢雅子の代表作である『ドラゴンボール』を前提とした言い回しやギャグを散りばめている。「ピッコロ~! 確定申告もう行ったか~!?」には笑った。これに加え、今回はツッコミ担当の見浦が偶然にも人造人間17号みたいな格好になるという変化も見られた。こういう遊びがあると楽しい。「飽きる前に終わった」とウッチャンがコメントしていたように、短いながらも笑いどころを詰め込む戦略も良かった。

「合コン」。三対三の合コンなのに居酒屋の席が何故かカウンター。通常ならば有り得ないシチュエーションだからこそ起こってしまう不測の事態を描いたコント。トンツカタンは以前に三者三様の個性を上手く取り入れたコントをやっていたので、今回のようなシチュエーション主体で終わってしまうネタはちょっと物足りなさを覚える。とはいえ、面白かった。カウンターの端っこの席に座ってしまったために女性陣の顔がよく見えない、話しかけられない、タイプの子を指差す流れでも誰が誰を指しているのかが分からない……といった混乱が上手く描けている。オチはちょっとぼんやり。

 

【ふきだまりコーナー】

サンシャイン池崎、平野ノラ、ハブサービス、プラス・マイナス、ザ・パーフェクト、ハナコ、Aマッソ、ワールドヲーター、勝又:、むらせ、ゆにばーす、センサールマン、スーパーニュウニュウが登場。「ニューヨークでも通用するグローバルなギャグ」というテーマの元、Aマッソ、プラス・マイナス、ハブサービスがギャグを披露した。

 

  • マツモトクラブ44

「せんせい」。二週勝ち抜き。ウザい教師による地理の授業風景。全体の構成で魅せるタイプのコント。当初は「ウザい教師と彼に軽く引いている生徒のテンションの差を描いたコント」が展開しているように見せる。しかし、二人のやりとりが重ねられていくことで、それまで描かれなかった事実が、少しずつ浮き彫りになっていく。この時、先の教師と生徒のやりとりが、事実を明らかにした際に笑いを起こすためのフリになる。実に上手い。上手いといえば、授業中の教師の発言が、後半になって再浮上する構成も上手い。感動路線の強いコントで誤魔化されている気がするが、実はマツモトクラブ、バカリズムに負けずとも劣らない天才なのではあるまいか。三週連続勝ち抜きでチャンピオン大会出場決定!

  • むらせ【28】

「ものまねハイスクール」。むらせ扮する林修が、様々な芸能人がやりがちなことを選択問題で出題する。フォーマットはよく出来ている。「第一選択肢」で一般的な立ち振る舞いで発言・行動を披露し、「第二選択肢」で対称となる芸能人ならではのクセがある立ち振る舞いで発言・行動を披露し、「正解」で両者の明確な違いを端的に説明する。ただ、構成がちょっと雑。最初から芸能人のクセを強調し過ぎていて、延々と単なる悪ふざけを見せられているような印象を受けた。もとい、これだけ強調するのであれば、選択問題で披露する必要はなかったのではないかという気もしないでもない。最後の電流イスのくだりが面白かっただけに(本田圭佑のさりげない動きのコミカルさ!)、ちょっと残念。

 

【今週のふきだまり芸人】

プラス・マイナス「ドラゴンボールの歌」

スーパーニュウニュウ「荒れるBBクイーンズ」

 

次回の出場者は、アイデンティティ(二週勝ち抜き)、Aマッソ、トンツカタン(一週勝ち抜き)、プラス・マイナス。また、12月24日に放送される、チャンピオン大会の開催の予告も。……これ、出場メンバー、ネタバレになってないか?