白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「ヨーロッパ企画 第36回公演「出てこようとしてるトロンプルイユ」」(2017年10月14日・高知)

午前9時半起床。午前11時チェックアウト。

ひとまず車をホテルと提携している駐車場から別の有料駐車場へと移動させる。三十分200円・最大料金800円のところに停車したのだが、今にして思うに、すぐ近くにあった一時間100円の方を利用すべきだったような気がしないでもない。八時間も停めることはないだろうし。空腹だったので、漁師料理の店として知られている「明神丸 帯屋町店」で朝食兼昼食を取る。藁焼き鰹のタレたたきと塩たたきを一緒に楽しめる定食を頼む。とても美味しかったのだが、それぞれ三枚ずつしかなかったので物足りず。次回はどちらかに味を絞ろうと心に誓う。

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あちらこちらを散策しつつ、高知県立県民文化ホールへ移動。同施設で行われるヨーロッパ企画の公演を観るためである。「タイタンシネマライブ」の翌日に高知で公演が行われるという情報を得ていたので、これは渡りに船とチケットを購入していたのだ。ちなみに、同施設には「オレンジホール」と「グリーンホール」の二つのホールが備わっており、ヨーロッパ企画の公演はグリーンホールの方で行われたのだが、もう一方のオレンジホールの方では、「大政奉還150年 第29回全国龍馬ファンの集い 志国高知大会」なるイベントが催されていた。内容の想像つかなさもさることながら、過去に28回も行われているという事実に驚くばかりである。このイベントに伴い、ホール前にはやけにイケメンに描かれた坂本龍馬のイラストの半被を着たスタッフがウロウロしていて、なんだか落ち着かない気持ちに。

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午後1時半に開場となったので、ロビーへ移動。物販コーナーで大量のDVDとサントラCD、パンフレットなどといった公演グッズが大量に売られていて、少しパニックに陥る。しばし悩んだ挙句、第3回公演「ムーミン」と第24回公演「ビルのゲーツ」のDVDを購入。3,500円以上の購入者にプレゼントされるトートバッグとともに受け取ったので、これをカバンに速やかに押し込んだ。トイレで用を足し、自らの指定席へ。やや後方ではあったが、真ん中でとても見やすい席だった。

午後2時開演。

物語の舞台はとある売れない画家の部屋。川に飛び込んで帰らぬ人となってしまった彼の部屋に新しい住人を招き入れようと考えていた大家は、遺品を片付けるために家賃を滞納している三人の若き画家たちを呼び集める。同じ画家として忍びない気持ちになりながらも、渋々ながら、故人の遺した絵を処分していく三人。しかし、騙し絵(トロンプルイユ)を得意としていた彼の作品がいちいち気になって、なかなか作業は進まない。そんな中、こちら側へと出てこようとしているトロンプルイユの連作を見つけて……。

まだまだ具体的な内容には触れられないが、とてつもなく面白かった。それぞれの絵が織り成す大喜利のような面白さから、トロンプルイユの連作が発掘され、そこに様々な新たなる登場人物たちが絡み合い、それから予想外のストーリー展開を迎える……舞台演劇ならではの演出とさりげない言葉選びで確実に笑いを取りに行く台本がたまらなかった。あんなにフザケた会話のやりとりをどうやって台本に落とし込んでいるのだろうか……。その結果、私としては珍しくアンケートを書き、次回公演の予定を知らせてもらうためのダイレクトメールも要望した。完全に心を射止められたらしい。

午後4時過ぎ終演。

ひろめ市場へ移動。「吉岡精肉店」で唐揚げとハムカツを購入。食べながら帰ろう。「黒潮水産」で土佐巻(鰹のたたきの巻き寿司)を二本購入。こちらは家族への手土産だ。いつかここでしっぽりと飲み明かしたいものである。ひろめ市場を出て、一度車に荷物を預け、夕飯にラーメン屋「しなとら 天神橋通店」へ。高知県でやたらと見かけるお店だったので、以前から気になっていたのである。しなとらラーメンを注文。特筆するほどの味ではないが、とてもベーシックで奇をてらわない美味さがあった。

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食後、車で出発し、往路と同様に高知自動車道を辿って、午後6時半に帰宅した。お疲れさまでした。