ヨーロッパ企画の舞台を観るために高知へと出かける。
ヨーロッパ企画は京都を拠点に活動している劇団だ。1998年の結成以後、主宰・上田誠が作・演出を手掛ける新作舞台をおよそ年に一度のペースで上演している。2005年に第8回公演『サマータイムマシン・ブルース』、2009年に『冬のユリゲラー』がそれぞれ本広克行監督によって映画化。2016年には第35回公演『来てけつかるべき新世界』で岸田國士戯曲賞を受賞。人気・実力を兼ね備えた、今という時代を代表する劇団の一つといっていいだろう。
そんなヨーロッパ企画が手掛ける生の舞台を私が初めて鑑賞したのは今から二年前、第36回公演『出てこようとしているトロンプルイユ』。トロンプルイユ(だまし絵)をテーマに、アトラクションのような娯楽性と舞台表現としての自由度の高さ、そしてなにより創作するという行為そのものを歴史の脈絡とともに追う深みの面白さを見事に描いていて、私の心はすっかり彼らのトリコとなってしまった。無論、翌年の公演も観に行こうと考えていた。しかし、チケットを取っていた愛媛公演が、台風の接近を理由に中止。まんまとおあずけを食うことになってしまったのであった。
つまり、今回の公演は、私にとって二年ぶりのヨーロッパ企画ということになる。ああ、待ち遠しかった。
そして迎えた公演当日。私は午前11時ごろに自宅を出発した。途中、近所のうどん屋で朝食のような昼食。あまり食べ過ぎても仕方がないので、かけうどんを軽く啜った。
その後、地元のインターチェンジから高速道に入り、およそ一時間かけ、高知インターチェンジで国道へ降りる。そのままカーナビが指示するままに車を走らせる。余計なことは考えない。運転用ロボットになったかの如く、言われるがままに走り続けるのだ。午後一時ごろ、会場である春野文化センターに到着。
開演時刻まで時間が有り余っていたので、しばらく近辺の施設をうろうろと散策する。図書館の芸能本などをチェック。ちょっと変わった本もあったような気がするが、今や記憶は定かではない。午後一時半、開場。チケットをもぎってもらい、ロビーへと歩みを進める。物販コーナーで過去公演を収録したソフトをチェック。以前から気になっていた『ボス・イン・ザ・スカイ』のDVDと、昨年観られなかった公演を収録した『サマータイムマシン・ブルース/ワンスモア』のBlu-rayを購入する。ヨーロッパ企画初のBlu-rayソフトは豪華三枚組で一万円以上もする逸品。それだけで少し興奮してしまう。買い物を終え、すぐさま客席へと向かう。前方中央の席が嬉しい。
午後二時ごろ開演。途中、休憩を挟みつつ、午後四時半ごろ終演。
第39回公演『ギョエー!旧校舎の77不思議』である。とある理由から、今は使われていない旧校舎での授業を余儀無くされた教師たちと四人の問題を抱えた生徒たちが、そこで巻き起こる怪異と向き合いながらも青春の日々を過ごす物語である。……無論、そこはヨーロッパ企画なので、そうそう簡単なストーリーでは済ませてくれないのだが、それにしても終盤の展開には驚いた。今回も非常に素晴らしかったので、休憩中に物販コーナーに立ち寄って、新しい「ヨーロッパ通信」(パンフレットのようなもの)を追加購入してしまった。この公演がまたBlu-rayになるのかと思うと、ワクワクして仕方ない。楽しみである。
終演後、しばらく車内で余韻を楽しんでから、出発。高知市内に向かい、高知サンライズホテルの近くにある有料駐車場(提携)に停める。
そのまま荷物を抱えてチェックイン。折角、高知に来たのだから、ひろめ市場で飲み食いして一泊しようという魂胆だったのである。しかし、ホテルを予約してから数週間後、同じ日に『キングオブコント2019』の決勝戦が行われることが発表されてしまう。無論、生放送を見ないという手はないので、牛飲馬食を諦めてホテルの室内で観戦することに。とはいえ、何もせずに見るというのもバカバカしいので、近所のスーパーやコンビニで飲食物を購入、放送に備える。ついでにひろめ市場の入り口にある神でラーメンを食べる。
午後七時、放送開始。午後十時ごろ終了。感想は既に書いているので省略。
大会の余韻を噛み締めている間に午後十一時を迎えてしまう。このまま何もせずに真夜中を迎えるのもどうかと思い、近くのコンビニで追加の酒とつまみを購入、更に近所のラーメン屋・総本家しなとらでラーメンを食べる。ここのラーメンは見た目の割に味のパンチがそれほどでもないから、なんともいえない気持ちにさせられる。
夜、『オードリーのオールナイトニッポン』を聴いてから、就寝。
翌日のことは記憶にない。Googleの記録によると、明神丸で朝食を取り、ひろめ市場でお土産を買い、蔦屋書店内にあるラーメン屋・まんしゅうでラーメンを食べたらしい。やりたい放題である。
午後五時半帰宅。お疲れさまでした。