白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「バカリズムライブ「類」」(2016年11月23日)

バカリズムライブ「類」 [DVD]

バカリズムライブ「類」 [DVD]

 

2016年6月23日から26日にかけて草月ホールで行われたライブを収録。

「類」というライブタイトルを見て、最初に思い出したのはラーメンズのコント『無類人間』だった。『無類人間』は、用途を与えられないと何をすればいいのか分からなくなってしまう人たちを描写した社会派コント『無用途人間』の設定を更に掘り下げたネタで、"哺乳類”“男性類”などといった“類”を与えられることで生物としてのアイデンティティを確立していく人たちの姿を描いている。ラーメンズのブレーン・小林賢太郎とは旧知の仲であるバカリズムのことなので、ひょっとしたら彼らを意識して……というのは、些か勘繰り過ぎというものだろう。

そもそも、このライブタイトルは、「類(るい)」ではなく「類(たぐい)」と読むらしい。ライブのプロローグで、バカリズム自身がそう説明している。音読みではなく訓読みである。……だからなんだといえば、だからなんだという話なのだが。ところで、このプロローグというのが、なかなかに挑戦的である。何がどう挑戦的なのかというと、この男、ライブについてやたらと自画自賛を繰り返すのである。まず、ライブタイトルである「バカリズムライブ「類」」の素晴らしさについて語り、ココ・シャネルの名言を引用しながらオシャレなチラシについて語り(DVDのパッケージと同じヤツ)、シンプルな舞台美術から漂う孤高感について語り……これでもかと図々しくも喋り続ける。『キッズ・リターン』の名台詞とともにツッコミを入れたくなるが、言うまでもなく、これもまたバカリズムの意図するところである。ここから更に、「類」に関する話へと展開するのだが……まあ、その辺りは、実際に見てもらうとして。

肝心のコントだが、これがまぁーっ……小憎らしいほどに面白い。ここ数年で一番面白いライブになっていたのではないだろうか。確認はしてないけれど。そう思わせられている時点でバカリズムの勝ちである。敗北者である我々は、ただひたすらに腹を見せる服従のポーズのまま恍惚の表情を浮かべるしかない。……いや、そもそもの話、勝負ですらないのだが。

一本目のコント『友達の類』。これがいい。実にいい。端的に説明すると、“リア充”を憎んでいる非リアな友人に、自分がリア充であることを告白するコントである。わざわざリア充であることを友人に告白するというシチュエーションだけでもナンセンスで面白いのだが、その理由が「後ろめたさ」からきているというのが、また面白い。要するに、自らが友人が憎んでいるリア充であることに後ろめたさを覚え、その罪を告白し、謝罪しているのである。でも、実際にやっていることだけを見てみると、まったくの無害。この落差が、現実におけるリア充が抱かれている嫌悪感への風刺として、上手く表現されている。そこにあるのは、単なる僻みでしかない……と、結論付けさせようとしておきながら、思わぬオチで印象が大逆転。一本目に相応しい、分かりやすくてパンチの効いたコントである。

これ以降のコントも、なかなかに素敵なネタが続いている。手品師が手品ではなくトークを披露し続ける『手品の類』、「会社を辞めたい」と願い出た社員が上司に辞めたい理由をプレゼンし始める『上司の類』、革ジャンにサングラスという典型的なロックシンガーが自身の方向性の紆余曲折を自作の楽曲とともに振り返る『反逆の類』など、どのコントもなにやら人を食ったような内容のものばかり。これらのコントの幕間を埋める映像も完成度が高い。学校教師に扮したバカリズムがとある基準で出席を取る「教師の類」、昔話に似ている自身のエピソードを紹介する「類物語」、サッカーボールと様々な関係にある人たちのドロドロとした関係性を描いた「ボールは誰の何の類」など、コントにも引けを取らない完成度の映像が作られている。地味に「思い出の類」が好きなんだよなあ……ほぼバカリズムの顔芸みたいな映像だけど……。

ただ、本作を語る上で、忘れてはならないのは、やはり最後のコント『40LOVE~幸福の類~』だろう。このコントの主人公は、恋人も妻も持たない独身男・オカバヤシテルヒサ。40歳を過ぎて、出会う機会も少なくなってしまった今、彼はもはや結婚することを諦めてしまったという。しかし「幸せ」そのものを諦めたわけではなかった。彼は「幸せ」になるために、物理的な結婚を諦めて、精神的な結婚をすることにしたのである。それは、とどのつまり、「想像で作り上げた妻とともに生活する」ということだった……。このライブが行われていた頃、まさに40歳の独身男性だったバカリズム。このコントに反映されているのは、彼の思想、信念なのかもしれない。そして、それは事実、とても楽しそうに見えた。想像で作り上げた妻との慎ましくも愛おしい日々。だが、ふとした瞬間、その想像上の日々は脆く崩れてしまう。その空虚感、哀愁たるや。このコントを、バカリズムがどのような気持ちで作り上げたのか、まったく分からない。ただ、まさに当事者である彼の、なんともいえない凄味のようなものがじわじわっとにじみ出ていた、実にオソロシイコントであった。

特典映像は無し。だが、充実感はスゴい。あと、RAM RIDERが手掛けたオープニングテーマ『そういう類の歌』が、コントライブのテーマソングとは思えないほどにムチャクチャ格好良いので、そこもしっかりと味わってもらいたい。いや、マジで、RAM RIDER氏、あれ音源化しませんか。

■本編【95分】

「プロローグ」「オープニング」「友達の類」「教師の類」「手品の類」「類物語」「上司の類」「おまけコーナー こんな上司はいやだ!(見せそびれたやつ)」「正義の類」「ボールは誰の何の類」「背徳の類」「類物語」「反逆の類」「思い出の類」「40LOVE ~幸福の類~」「エンディング」

「ダイアン 1st DVD DVDのダイちゃん~ベストネタセレクション~」(2017年2月8日)

2016年10月10日にルミネtheよしもとで開催された単独ライブの模様を収録。

“ベストネタセレクション”と銘打っているが、「M-1グランプリ2007」で披露された『スカウト』、「M-1グランプリ2008」で披露された『サンタクロース』、「THE MANZAI 2014」で披露された『職務質問』など、彼らが賞レースの決勝戦で披露してきた漫才は、いずれも収録されていない。どうしても観たかったというわけではないが、それぞれの時期のダイアンの漫才を代表するだろうネタが収録されていないというのは、なにやら寂しい。

収録されている漫才は全八本。これといったスタイルを持たないダイアンの自由奔放な漫才を楽しむことが出来る。どのネタも安定して面白かったのだが、コンビニの店員にクレームを入れる様子を描写した『コンビニ』は昨年11月に放送されたM-1特番内で演じられていたので、彼らにとっての自信作なのかもしれない。確かに、中盤あたりで西澤が演じ始める、コンビニ店員の振り切れたクレイジーぶりには、目を見張るものがあった。そんな西澤の狂気的な言動に震える津田のリアクションも楽しい。

個人的に面白いと感じたのは、『模様替え』『娘さんをください』『カバ』の三本。

最近ストレスがスゴいという西澤に津田が模様替えを薦める『模様替え』は、口頭で説明される西澤の現在のリビングの内装からある施設が想起させられるネタ。要するに、ちょっと回りくどい“あるあるネタ”なわけだが、何故か西澤のリビングが無意識のうちにそういう状況になっているという不条理さがたまらなく面白い。ネタの後半では、このシステムを観客に理解させたうえで、更にブッ飛んだ展開になっていくところも実に好ましい。

まだ結婚していないが恋人の父親に「娘さんをください」と頼むのは得意だという西澤が、津田に父親に見立てて同様の状況を再現する『娘さんをください』は、西澤のクレイジーぶりが全面に押し出されたシチュエーションコント。既にこちらを振り向いている父親に対して「お父さん! お父さん!? お父さーん!」と連呼、「君にお父さんなんて言われる筋合いはない」と言われて「じゃあお母さん! お母さん! ボーイッシュなお母さん!」と即座に切り替え、恋人のお腹の中に新しい生命が宿っていると聞かされて困惑しながら「なんでそんなことになったんや!」と声を震わせる父親に「二ヶ月くらい前に僕、誕生日やって……」と詳細を語り始める。この時点で相当にクレイジーだが、ここからもっともっとタカが外れていく。何がおっかないって、どんなに言動がクレイジーになっていっても、当の西澤はまったく素の状態を維持しているのがおっかない。

動物園に行ってきたという西澤が動物の中でも特に好きだというカバの話を始めるのだが、その話に、途中でそっと挟み込んだ「飼育員のおじさんが西田敏行に似ている」という話が混ざり込んでしまう『カバ』は、M-1グランプリの予選用に作られたかのような漫才。コンセプトは明確だし、二人の個性も光っているし、なにより四分でまとめられている。ダイアンは2015年にM-1出場権を失っているが、もしも今年も出られたとしたら……このネタで決勝戦を目指していたのかもしれない。

これらのバリエーション豊富な漫才の合間には、幕間映像が収録されている。メイン企画は「ダイちゃんのおもしろVTR」。誕生日にファンからバースデープレゼントを二個しか貰えなかった津田(ちなみに西澤は三個)のために、ファンが0人だと思われる芸人たちから話を聞くという超失礼な企画である。これがなかなかに意外な人選になっており、見応えのある内容になっている。先輩・後輩関係無く、堂々と「ファン0人ですよね?」と訊ねる西澤の太々しさも素晴らしい。ただ、個人的に笑ったのは、ダイアンの二人が動物の写真をコメンタリーでイジり倒す「ダイちゃんのおもしろ動物図鑑」。動物の写真だけでも相当に衝撃的なのだが、そこにダイアンのコメントが加わることで、面白味が倍増していた。お互いの会話の距離感から、二人の仲の良さも伝わってくるのも良かった。ラジオ向きのコンビなのかもしれない。

また、特典映像として、ダイアンの二人がかつて住んでいた町を歩くロケの模様を収めた「初めてひとり暮らしをした大阪・平野をぶら歩き」、バレンタインデーにチョコを一個しか貰えなかった津田のためにファンが0人と(以下略)「『ABCホールのダイちゃん』おもしろVTR~聖バレンタイン~」を収録。「平野をぶら歩き」は、ロケ芸人としてのダイアンの一般人に対する感度の良さと底意地の悪さが垣間見える、とても楽しい映像になっているので、是非に。

■本編【105分】

「漫才「本屋」」「ダイちゃんのおもしろVTR①」「漫才「模様替え」」「ダイちゃんのおもしろVTR②」「漫才「コンビニ」」「ダイちゃんのおもしろVTR③」「漫才「娘さんをください」」「ダイちゃんのおもしろ動物図鑑」「漫才「バーベキュー」」「ダイちゃんのおもしろVTR④」「漫才「カバ」」「ダイちゃんのおもしろVTR⑤」「漫才「保安検査場」」「ダイちゃんのおもしろ写真館」「漫才「美容室」」

■特典映像【48分】

「始めてひとり暮らしをした大阪・平野をぶら歩き」

「『ABCホールのダイちゃん』おもしろVTR~聖バレンタイン~」

「じわじわチャップリン」(2017年2月11日)

「チューリップの歌」。幼稚園の先生になりたかったというかんざきが、きちんと子どもたちを楽しませるための曲を歌えるかどうかを確認してもらおうと、相方の川口に『チューリップの歌』を聴かせるのだが、その音程が何処かおかしい。大きなズレではなく、原曲と少しだけ違っている(マイナーアレンジ?)という微妙なズレが、ほのかな違和感を生み出していて、たまらなく面白い。しかし、このネタが凄いのは、そんな微妙なズレの面白味を最後まで貫いているところにある。その異様な音程に対して確固たる自信が無ければ、とても成し遂げられる所業ではない。実際、面白かったのだが、とはいえ同じボケを延々と繰り返しているだけと捉えることも出来るので、観客にどう評価されるのかは最後まで分からなかった。合格していて一安心。あと、これは完全に余談だが、かんざきの『チューリップの歌』の妙な引きの強さに終始戸惑いの表情を浮かべていた川口が、最後に「どうもありがとうございました」と言って客席に頭を下げる直前に一瞬だけ凄いドヤ顔を見せていたのが、ちょっとだけ面白かった。

 

「引っ越し」。二週勝ち抜き。引っ越し当日、ワンルームだと思って住んでいた部屋に別の部屋があったことが発覚する。リアルタイムで観賞している際に「傑作だ!」と感動し、後になって録画で確認した際にも「やっぱり傑作だ!」と感心させられたネタである。パソコンやファックスのような複雑な機能を持つ電化製品に起こりがちな「うっかり見逃していた機能を発見したときの驚き」を、上手く自宅に置き換えて表現したコントだ。金子によって部屋が発見されるまでの流れもさることながら、部屋を発見した際の阿諏訪のリアクションが素晴らしい。あまりにも驚くべき事態に遭遇したとき、人間は即座にリアクションを取ることが出来ないものなのだなあと、しみじみと思わせられた。「俺、前室みたいなところで、八年居たのー!?」というコメントも最高だ。向こうの八畳、失くした財布の発見、東京湾の花火と、だんだんと部屋の輪郭が明確になっていくのも良い。惜しむらくは、オチを少し急ぎ過ぎたように感じたところか。少し間を空けて、じわっとオチの言葉を口にしていれば、もうちょっと魅力的なオチになっていたと思う。それにしても……点数が低い! こういう想像力を引き立てるタイプのネタは一般ウケしづらいのだろうか。三週連続勝ち抜きでチャンピオン大会出場決定。

 

【ふきだまりコーナー】

インポッシブル、えんにち、ワールドヲーター、カミナリサンシャイン池崎、下村尚輝、すゑひろがりず、ばーん、なすなかにし、センサールマン、ペコリーノ、プラス・マイナスが登場。「あま~いギャグ」というテーマの元、カミナリ、すゑひろがりず、インポッシブルがギャグを披露した。すゑひろがりず、緊張からか甘噛みしていたが、本ネタはめちゃくちゃ面白いコンビなので、早く本戦に登場してもらいたいところ……。

 

「大きなカブ」。「オジンオズボーン」を「イジンイジビーン」と本場の発音で喋ることの出来る篠宮が、そんな本場の発音で『大きなカブ』のストーリーを語り始める。『大きなカブ』のストーリーをなぞるように展開しているシンプルな漫才が、「イジンイジビーン」システムによって包み込まれることで、まったくの混沌世界に変貌を遂げている。その意味の無さ、バカバカしさがたまらなく面白いのだが、発言の意味がよく分からない状態で同じような作業が延々と繰り返されているため、中盤辺りで飽きがきてしまう。高松のツッコミが上手くフォローしているが、説明が入ってしまっている時点で、序盤の破壊力はすっかり弱まってしまっている。実に勿体無い。このどうかしているとしか思えない発想自体は悪くない(むしろ好き)ので、何かしらかの改善を施してもらいたい。まあ、そこまで固執するようなシステムかというと……うん。

 

「ものまね大連発」。お馴染みの「ものまね芸」。今回の放送では「誇張しすぎたPPAP」「誇張しすぎたパッション屋良」「ヒロシ」「誇張しすぎた麒麟の川島」「誇張しすぎた長嶋監督」を披露した。やっていることは基本的にいつもと同じ。見て、大笑いして、すぐ内容を忘れさせてくれる、素晴らしき意味の無さ。特に、最後の最後に登場した、誇張しすぎた長嶋監督は凄かった。じんわりと錯乱しているようにしか見えない。あと、最初は目を閉じているのに、途中から目を開けるところが、地味にたまらないんだよなあ……。

 

【今週のふきだまり芸人】

イヌコネクション「初バイトにイタズラ」

インポッシブル「ゾンビ映画

 なすなかにし「じゃんけん」

 

次回の出場者は、えんにちオジンオズボーン(一週勝ち抜き)、てんしとあくま(一週勝ち抜き)、ハリウッドザコシショウ(一週勝ち抜き)。

「柳家喬太郎独演会」(2017年2月12日)

岡山県柳家喬太郎が独演会を開催するというので、観に行く。

開演時刻は午後二時。会場はお馴染みの岡山市民文化ホール。私はいつものように宇多津駅から高松方面行きの電車に乗り込み、坂出駅で乗り換えて、快速マリンライナーで岡山へと向かった。岡山駅に到着したのは午後十二時半ごろだっただろうか。まだ少し時間に余裕を感じたので、駅から歩いて数分のところにあるイオンモール岡山に向かった。昼食を取ろうと考えていたのだが、時刻が時刻だったため、どの店にも入ることが出来ず、何も食べずにただ時間を潰すだけになってしまった。気が付くと一時間が経過しようとしていたので、慌ててイオンを飛び出し、レトロなデザインの路面電車へと飛び乗る。岡山駅前から小橋まで。小橋で降りると、もう目的地はすぐ側だ。結局、開演五分前に会場入りすることとなった。チケットをもぎってもらい、客席へと向かう。ロビーでの物販は見当たらず。少し寂しい。私の席は一階十列の右端。端っこの席は隣に気を使わなくて済むから気楽ではあるのだが、冷たい壁から漂う冷気が骨身にこたえた。

開口一番は柳家喬太郎が務めた。恒例の演出である。本来、落語会の開口一番は、いわゆる前座・二つ目の仕事だ。しかし、あえて師匠は、前座から登場してしまう。単なる酔狂なのか、前座噺が異常に好きなのか、何も考えていないのか、私は知らない。演目は垂乳根。長屋の独身男の元にある女性が嫁に来るのだが、この女性の言葉遣いがあまりにも丁寧すぎるので、上手くコミュニケーションを取ることが出来ない。通常なら、男と女と二人の仲を取り持つ大家の三人がメインで登場する噺だが、喬太郎はここで男の隣の部屋に住む婆さんの存在に着目、長屋の住人たちをより立体的に描き出していた。男と婆さんが壁越しに会話するくだりの面白さたるや。

続いて、登場したのは、二つ目の落語家・春風亭正太郎さんである。正朝の弟子、五代目柳朝の孫弟子にあたる方だ。個人的には、Twitterでよく見かける人という印象が強い。演目は『五目講釈』。道楽が過ぎて、勘当されてしまった生薬屋の若旦那が、居候先の職人から働くように促され、「私は講釈師になろうと思う」と宣言する。いわゆる若旦那の生兵法が描かれた噺で、似たような設定の演目に、銭湯を舞台とした『湯屋番』、集めた紙屑を整理する作業を始めるも気が散ってしまってまるで進まない『紙屑屋』、船頭になった若旦那が様々な人々を騒動に巻き込む『船徳』などがある。『五目講釈』の若旦那もそれらと同様に、最初の方は、いかにもそれらしい芸を見せてくれるのだが、だんだんと話の内容がおかしくなってしまう。気が付くと、古典の世界にはそぐわないような、人物の名前やワードが次々に盛り込まれていく。そして話は、どんどんどんどんナンセンスに崩壊していく……このハチャメチャぶりがたまらなく面白かった。

そして再び、師匠の登場。演目は自作の新作落語『白日の約束』。ホワイトデーに恋人から「約束、覚えてる?」と訊ねられた男が、果たしてどんな約束だったのかを思い出せずに苦悶する姿を描いた噺だ。女性の色っぽさと面倒臭さに直面した男の困惑ぶりがコミカルに描写されており、「これぞ喬太郎の新作!」と思わせられる一席である。また、登場する人物たちの言動が、ちょっとトレンディドラマ風に色っぽいのが妙に面白い。ここで中入り。十五分の休憩が挟まる。

幕が上がると、三度目の喬太郎である。演目は『小言幸兵衛』。とにかく周囲の人間に小言をしないと気が済まない大家・幸兵衛の元に、様々な人々が部屋を借りにやって来るのだが、彼らにも小言をぶつけてしまい……という噺である。初めて聴いたときには、後半の不条理な展開が苦手だったため、今でもちょっと苦手意識の残る演目なのだが、師匠の『小言幸兵衛』は実に面白かった。前半でしっかりと小言幸兵衛の名の如き綿密にねっとりとした小言ぶりを見せつけ、フリをしっかりと固めた後で、後半の想像を暴走させた幸兵衛による不条理過ぎる展開をしっかりと笑いに変えていく。とても満足のいく熱演だった。

午後四時、終演。まだ日が高いので、フォロワーさんと待ち合わせて、焼き鳥を食べに行く。東京のこと、ブログのこと、DVDのことなどについて話をしていたら、気付けばあたりはすっかり暗くなっていた。別れたときには、もう時刻は午後七時半。とはいえ、久しぶりの岡山の街並みを楽しみたかったため、岡山駅までは歩いて戻ることにした。午後八時を過ぎたころ、岡山駅に到着。セブンイレブンで温かい缶コーヒーを購入し、高松行きのマリンライナーへと乗り込む。坂出駅で乗り換えて、宇多津駅に戻ってきたときには、もう午後九時をとっくに過ぎていた。それにも関わらず、私は更にあっちこっちへと寄り道をしてしまい、自宅へと戻ってきたのは午後十一時。それから風呂に入って、『乃木坂工事中』を見て、就寝した。

お疲れさまでした。

「bananaman live 腹黒の生意気」(2017年2月2日)

bananaman live 腹黒の生意気 [DVD]

bananaman live 腹黒の生意気 [DVD]

 

2016年8月12日から14日にかけて俳優座劇場で開催された単独ライブを収録。

もはやコント師としての全盛期を過ぎてしまった感はあるものの、その自然な会話から生み出されるバカバカしい笑いは流石の一言。英会話教室のコスプレパーティに誘われた日村が設楽にどんなコスプレをすればいいのかを社食で相談する『cucko costume party』は、そんなバナナマンの実力が存分に発揮されたコントだ。「ジェイソン」「スーパーマン」「ジェームス・ディーン」などといった設楽の提案を日村が次々にホームラン級の笑いへと昇華していく様は、まさしく圧巻である。

一方、お馴染みの『赤えんぴつ』では、いつものクレイジーなやりとりが繰り広げられている。設楽はいつもと同じようにヤバい発言を繰り返し、日村はいつもと同じように設楽を突き飛ばし、そして日村のタンクトップはいつもと同じようにビリビリに引き裂かれる。……こんなにもクレイジーな内容なのに、このやりとりがもはや様式美となっているところが、最もこのコントのどうかしている部分のような気がしないでもない。

この他のネタは、ちょっとこれまでのバナナマンではあんまり見たことがないタイプのコントが並んでいる印象を受けた。

例えば、カラオケで日村が設楽にある相談を持ち掛けようとすると、設楽が予約してあったWhiteberryの『夏祭り』が始まってしまう『karaoke』。バナナマンのコントで版権曲が使用されているというだけでもかなり珍しいのだが、コントの軸となっている部分があまりにもオーソドックスで、それ故に演者としてのバナナマンが不思議な浮き上がり方をしている。日村演じるファッションデザイナーと設楽演じる助手がファッションショーのモデルを選出する様子を描いたコント『panic Attack』も、バナナマンのコントにしてはロジックがシンプル過ぎて、逆に違和感を覚える。

だが、最も驚かされたのは、オープニングコントでありライブタイトルにもなっている『Haraguro no Namaiki』だ。生意気な後輩社員の設楽が腹黒な先輩社員の日村にちょっかいを出すという内容なのだが、日村の腹黒ぶりを説明する演出がちょっと変わっている。ここで説明してもいいのだが、そうするとコント自体の面白味が薄れてしまうので、これは実際に確認してもらいたい。とにかく、何か、変なのだ。

……もしかすると、バナナマンはまた新たなる進化を遂げようとしているのかもしれない。本作に広く漂う違和感は、その前兆なのかもしれない。まあ、単なる憶測にすぎないが、バナナマンはこれまでもそういう進化を見せてきたコンビなので、ちょっとだけ期待しておきたい。

最後の長尺コント『The pitiful two in the Philippines』は、フィリピン女性に振り回される二人の男の滑稽な姿を描いたもの。夏を上手く再現した舞台演出には目を見張ったが、肝心の内容はべたべたで面白味に欠ける。それでも会話自体に面白味があれば難なく楽しめるのであろうが、ストーリー展開を重視しているためか、あまり遊びどころが作られていないのも厳しい。今回もオークラ脚本なのだろうか。こういう小市民的な設定は、同じく彼が長尺コントの脚本を担当している東京03ならば、もうちょっと上手く笑いに昇華できるのかもしれないが(東京03は普段から小市民的な設定のコントを得意としているからだ)、今のバナナマンのベクトルには向いていないように思う。金と女とダメ男たちの友情……というテーマも食傷気味。バナナマンが経年変化を繰り返して現在の状態へと辿り着いたように、オークラもまた変わらなくてはならない時期が来ているのではないだろうか。……それとも、この変わらなさに、いつか愛おしさを覚える日が来るのだろうか。よく分からんな。

特典映像は幕間に使われた映像。オリジナルゲームに興じる二人の音声を収録した「ゲーム」、日村がテレビではあんまり出来ないような挑戦をする映像コーナー「クシャミでカップ焼きそばは眉間につくのか?」、日村が頻繁に着用しているパーカーのヒモが長すぎる問題を取り上げる「パーカー」……などの映像が収録されている。基本的には、過去の単独でも見たような企画のバージョン違いなのだが、ある映像だけはとあるコントと密接な関わりが……これ以上は書けないので、各自でご確認を。

■本編【115分】

「Haraguro no Namaiki」「オープニング」「cukoo costume party」「ゲーム」「karaoke」「クシャミでカップ焼きそばは眉間につくのか?」「panic Attack」「パーカー」「赤えんぴつ」「仮装体操」「The pitiful two in the Philippines」

「じわじわチャップリン」(2017年2月4日)

「結婚のあいさつ」。一週勝ち抜き。娘との結婚を許してもらいたいとやってきた青年の仕事がYouTuber。「娘との結婚の許しを得に来た若者が軽率」というありがちなシチュエーションに、今の時代を表すキーワードのひとつ「YouTuber」を絡めることで、とても現代性の高いコントに仕上げている。ただ、よくよく見てみると、意外性という意味ではそれほど切り込んでいない。「お金のためにやっていない」「結婚のお願いをネット配信」「最初は批判的だった彼女の父親がだんだんとノリノリに」などの展開には、むしろセオリー通りの手堅さを感じさせられる。だが、今の時代にこのコントを作り上げた、対応力の早さは評価されるべきだろう。「カメラを振るな!」は笑ったな……。

 

  • ばーん【23】

「はじめてのおつかい」。結婚して子どもを「はじめてのおつかい」に出すことが夢だという高田の話を聞いて、高坂が感情を爆発させる。カンニングスパローズのように、売れない若手芸人であることを逆手に取った漫才。この手法では、既にアルコ&ピースが『忍者』で「見せ方に捻りを加えれば面白くなる可能性を秘めている」という新たな道筋を開拓しているのに、どうして売れない芸人ドキュメンタリー止まりで満足している漫才師が後を絶たないのか、不思議でならない。今回のばーんの漫才に至っては、そもそもきっかけとなる「結婚して子ども作って「はじめてのおつかい」に出したい」という設定に対するツッコミがおかしいのだ。そこは「なんで、スタジオで子どもを見守る側じゃなくて、子どもを出させる側になりたいんだよ!」だろ! 高坂が津軽弁で喋り始めたあたりから盛り返していたが(「煮ても焼いても開かねえな~」「全盛期のサモ・ハン・キンポー」には笑った)、それでもU字工事ロケット団、カミナリが出現した現在の状況を思うと、些か弱い。もっと本意気の感情を漫才に込めて、向き合ってもらいたい。

 

【ふきだまりコーナー】

インポッシブル、えんにち、ワールドヲーター、オジンオズボーン、カミナリ、サンシャイン池崎、下村尚輝、すゑひろがりず、てんしとあくま、なすなかにしハリウッドザコシショウ、ペコリーノ、プラス・マイナスが登場。「春を感じられるギャグ」というテーマの元、カミナリ、ハリウッドザコシショウ(タイガーステップ)がギャグを披露した。

 

  • センサールマン【26】

「3匹の子ぶた」。二週勝ち抜き。童話「3匹の子ぶた」におけるオオカミの訪問を『渡辺篤史の建もの探訪』風に描写する。過去二回の放送で披露した漫才のように、従来の童話に「競馬実況」「怪談話」などのような別の要素を当てはめるスタイルではなく、童話の世界に持ち込まれた別の要素をむしろ軸としたネタで、これまでで一番バカバカしいネタに仕上がっていたように思う。「ブタ臭いな~」「豚小屋そのものです」「こらしめるための罠なんですね」など、童話の世界に上手く切り込んだワードも炸裂していた。ただ、童話をモチーフにしていることを前提としているネタなのに、「3匹の子ぶた」におけるのメインイベントの一つである「オオカミの息でわらの家、木の家を吹き飛ばす」シーンがカットされていたことに少なからず違和感を覚えてしまった。小さなことではなあるが、この違和感が案外バカに出来ないのである。もう少し元ネタに忠実なシーンを加えていれば、また違った結果になっていたかもしれない。あと、ここはもう勢いで行ってやろうってつもりだったんだろうけど、やっぱりオオカミが罠に自ら掛かりに行くシーンは、ちょっと無理があるよなあ……(笑)

 

  • イヌコネクション42

「ケンカ」。二週勝ち抜き。二人のヤンキーが山の中で決闘を始めようとするが、たびたび虫が服に付いてくるので話が進まない。ケンカをしている二人が妙にほのぼのとしたやりとりを繰り広げる……という設定のコントは、過去にも幾つか存在している(個人的にはホーム・チームのイメージが強いけど、天竺鼠の『定食屋』の方が有名か)。そして、イヌコネクションのこのコントも、その流れの中にあるものだと思う。ただ、このコントがスゴいのは、ケンカの緊張感を緩和するものが「虫」に限定されているところ。それ以外に展開がない。これがスゴい。こんなに条件を絞っているのに、しっかり面白いコントに成っている。背を向けた杉浦に対する戸川のリアクション、「刺すヤツ?」という確認、「開いてきた!」という不穏なワードに対してほのぼのとしたオチまで、とても面白かった。正直、全体の整合性はあんまり取れていなかった気もするが(「ありがとう」って言った直後にブン殴りに行くのは変だろう!)、そのことに目をつぶっても、良いコントだった。三週連続勝ち抜きでチャンピオン大会出場決定!

 

【今週のふきだまり芸人】

えんにち「道案内をする矢沢永吉

プラス・マイナス「楽屋挨拶シリーズ+体型ものまね」

 

次回の出場者は、うしろシティ(二週勝ち抜き)、オジンオズボーン、てんしとあくま、ハリウッドザコシショウ

「じわじわチャップリン」(2017年1月28日放送)

「入れ替わり」。お互いの不注意でぶつかってしまった二人の中身が入れ替わってしまう。映画『君の名は。』の影響を感じさせられる設定だが、それよりもずっと以前に作られたネタだったように記憶している。むしろ、当時は古臭いベタな設定の一つでしかなかった筈で、その状況がほんの数年のうちに一変してしまったわけだ。二人の中身が入れ替わってしまうという非常事態に対し、意外と大丈夫かもしれない……と、すぐさま落ち着きを取り戻してしまうギャップが笑いとなっている。また、お互いの仕事、恋人、住居などを確認し合っても、さほど支障は無さそう……と簡単に納得してしまう姿に、ほのかなシニカルさを感じさせられた。案外、人間の個性なんてものは、この程度の代物なのかもしれない。

 

  • センサールマン33

「かさ地蔵」。一週勝ち抜き。前回のオンエアでは「うさぎとかめ」を競馬実況中継風にお届けするという、競争をテーマにした昔話に現実の競争を当てはめた意外性の薄いネタを披露していたセンサールマンだったが、今回のネタは面白かった。“恩返し”をテーマにした昔話の定番として知られる「かさ地蔵」の世界でしれっと受け入れられている「地蔵が動いて、家にやってくる」という設定をクローズアップ、怪談話風に仕立て上げている。基本的には、前回のオンエアと同様「元ネタの昔話とのギャップ」を軸としたネタなのだが、ほのぼのとした昔話を恐ろしい怪談話に変えてしまう意外性が、より大きな笑いを生み出していたように思う。お経を読み上げたり、家の前で「ここじゃ!ここじゃここじゃ!」と大声でがなり散らしたり、恐怖描写をリアルで良かった。表現力の高いコンビなので、切り口が上手くハマると、本当に面白くなるな。

 

【ふきだまりコーナー】

インポッシブル、ペコリーノ、えんにちオジンオズボーン、カミナリ、サンシャイン池崎、下村尚輝、すゑひろがりず、てんしとあくま、なすなかにしハリウッドザコシショウ、ばーん、プラス・マイナスが登場。「特技を使ったギャグ」というテーマの元、プラス・マイナス、ばーん、オジンオズボーン、インポッシブルがギャグを披露した。

 

  • イヌコネクション34

「職員室」。一週勝ち抜き。クラスメートの遅刻について意見するために職員室の担任の元を訪れた生乾木。しかし、そのクラスメートには、遅刻せざるを得ない理由があった……。前回のオンエアでも登場したキャラクターが再登場。しかし、簡単に激高してしまう性格をシンプルに描いていた前回に対し、今回はありがちな設定に気持ち悪いキャラクターを配置するだけの面白味に欠けたコントで終わってしまっていた。自分たちの何がウケているのか、何が受け入れられているのか、あんまりよく分かっていないのかもしれない。次回は果たして、どんなネタを……(って、もう既に見てるんだけども)。

 

  • ワールドヲーター【18】

「浪漫~ロマネスク~」。一週勝ち抜き。古き良き時代のオタクを思わせるビジュアルの四人組によるダンスパフォーマンス。前回のオンエアで先細りを心配したが、まさか早くもネタ切れを起こすとは思わなかった。それだけならまだしも、傘で姿を隠すというパフォーマンスに関しては、まったく意味が分からなかった。オタクな見た目の人たちがダンスパフォーマンスを行うから笑いが起こるのに、それを隠してしまうとはどういう了見だ。最後に傘回しをするかのように見せかけてやらない(出来ない)というくだりは面白かった。ああいうボケを上手く散りばめられていれば、もう少し良い試合が出来たかもしれない。

 

【今週のふきだまり芸人】

てんしとあくま「ラッパー」

ハリウッドザコシショウ「誇張し過ぎた五郎丸」

カミナリ「アメリカに行くのを止める」

 

次回の出場者は、イヌコネクション(二週勝ち抜き)、うしろシティ(一週勝ち抜き)、センサールマン(二週勝ち抜き)、ばーん。

「磁石傑作選ライブ「BEST ALBUM」B面」(2017年1月20日)

磁石傑作選ライブ「BEST ALBUM」B面 [DVD]

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2016年4月30日に新宿明治安田生命ホールで開催された傑作選ライブより、B面(17時開演)の模様を収録。事前に行われたファン投票によって演じられるネタが選出されたA面に対し、B面は磁石自らがネタを選んだ自選ベストとなっている。正直なところ、「ファンベストよりも自選ベストの方がA面と呼ぶに相応しいのではないか?」と思わなくもない。とはいえ、芸人は客商売なので、客の印象こそが第一であるという観点からいえば、ファンベストをA面とするという判断も別に間違ってはいないのだが。しかし、個人的な印象としては、こちらの方がベスト盤と呼ぶに相応しいラインナップになっているような気がしている。感じ方は人それぞれなのだろうが。

本編は古いネタから新しいネタへと流れるように展開する。過去から現在への行程を歩んでいるような感覚を覚えさせる、とてもベーシックな構成だ。一本目の漫才は最初期の傑作『彼女が家に来る』。永沢演じる秋田美人の女性が佐々木の部屋で自由奔放な行動に出る姿を描いた、シンプルにバカバカしいネタである。永沢のボケの不条理さは相変わらずだが、その内容はサディスティックだったり下ネタだったりして、明らかに粗削り。でも、そんな粗さが、磁石という漫才師が決して一朝一夕で出来上がったコンビではないことを証明してくれる。私が初めてテレビで磁石の漫才を見たとき、既に彼らの芸風は完成していたが、そんな彼らにも当然のように、未熟な時代があったのだ。ちなみに、この漫才のオープニングで、磁石が結成当初にやっていたという挨拶ギャグ「Nと!Sで!ビタッ!」が再現されている。こちらもやはり粗削りだが、だからこそ味わい深い。

この後も、面白い漫才が続く。永沢が様々な理由から色々なお店を次々に移動していく『床屋』。カタコト日本語の外国人に扮した佐々木が日本からホームステイにやってきた永沢に手を焼かされる『ホームステイ』。不良映画に出たいという永沢が良い不良となって悪い不良である佐々木に立ち向かう『不良映画』。観客にアイドルのライブの客のようなリアクションを求めている永沢が、観客や佐々木を指導する『アイドル化』。どのネタもガチッとツボにハマる面白さ。唯一、残念だったのは、優柔不断な永沢が実際に事故を起こしたとき対応に困らないようにするため、漫才の中で事故のシチュエーションを再現する『事故』。言わずと知れた佐々木の名言が引き出されるネタなのだが、永沢が手痛いミスを犯してしまい、まさかの不発という事態に。佐々木の特質を最も活かした、あのフレーズが傑作選に収録されないとは……実に惜しい。

特典映像は「思い出の地を巡ろう!」。磁石にゆかりのある場所へと赴き、当時の思い出を振り返るロケーション映像である。かつて二人が所属していた三木プロダクションに始まり、「爆笑オンエアバトル」へ出始めた頃に同じネタを延々と練習していた公園、M-1THE MANZAIの予選会場であるルミネから近かったことから最終練習のために利用していたカラオケ館などなど……当時の思い出話も興味深いものが多く、とても見応えのある映像だった。

……やっぱり、こっちがA面じゃないか?

■本編【72分】

オープニングVTR

2000年~2005年:「彼女が家に来る」「床屋」

2006年~2010年:「ホームステイ」「CM」「事故」

本人たちの一番好きなコント:「海外旅行」

2011年~2015年:「プロポーズ」「不良映画」「不動産屋」

2016年:「アイドル化」「訪問」

エンディングトーク

■特典映像【16分】

「思い出の地を巡ろう!」