白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

高知に何があるってんですか旅行(2019年8月24日~25日)

ある日、友と二人で話し合った。

このまま、これといったイベントもないままに、今年の夏を終えていいものか、と。そこで思いついたのが高知旅行である。喧騒とは無縁の静かな民宿に泊まって、日々の疲れを癒やそうではないか……という話になったのである。ところが、いざ民宿に当たってみると、どこもかしこも部屋が空いていない。どうやら、予約の電話を入れるには、些か遅すぎるようだ。無念である。

とはいえ、高知に行くぞと一度決めてしまったからには、何が何でも行かないといけない。ここで断念するという変更は認められない。そこで市内のホテルを当たり始めたものの、こちらも予約が埋まっている。全ての行動が遅すぎたのである。行動するときは迅速に。しかし、それでもなんとか場末のホテルに空きを見つけ、どうにかこうにか部屋を押さえることに成功した。過去に何度か泊まったことのあるホテルと同じ系列のホテルである。とはいえ……果たして……。

そんなこんなで、当日を迎えたのであった。

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2019年9月の入荷予定

18日「さらば青春の光 単独LIVE『大三元』
18日「磁石単独ライブ「freeze」
25日「トータルテンボス全国漫才ツアー2018「いきなり ミックスベジタブル」

どうも菅家です。皆さんは人生に失望していますか? 私は生きる気力を失ってしまって、そろそろ職場を放棄することを考えています。もう自分が自分であるためにはそうするしかありません。それから生きていけるかどうかを考えるのは二の次だ。それはそうとして九月のリリース予定ですが、以上のラインナップとなっております。ポニーキャニオンからのリリースも遂に三度目となったさらば青春の光、自社レーベルからのリリースが途切れることなく続いている磁石、全国ツアーで安定の漫才とどっきりを披露し続けているトータルテンボス……といった、芸の安定した顔ぶれが揃っております。明日を生きるためのスパイスを注入して、張り切ってまいりましょう(それでもダメならよく寝るべし)

盆の記録。

八月十日(土)。午前十時起床。『シソンヌライブ[モノクロ]』を観に行くために、正午に家を出発し、高知市内へと向かう。よさこい祭りの真っ最中ということで渋滞を危惧していたが、さして時間を掛けることなく高知市内へ突入。以前から姉が行きたがっていた蔦屋書店へ偵察に向かう。店内は雑貨屋や飲食店がひしめき合っていて、書店というよりも小型のショッピングモールといった印象を受ける。無論、書店コーナーも存在。『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』(塙宣之)と『噺のまくら 』(三遊亭圓生)を購入する。続けて高知市文化プラザかるぽーとへ向う。施設の地下駐車場は料金が高いので、近場の適当な有料駐車場を探してみるも、なかなか見つからず。ここでよさこい祭りの弊害が。あちらこちらを動き回った結果、かるぽーとの真横にある駐車場が奇跡的に空いていたので、そこに車を停める。運が良い。時刻は午後三時。まだ時間に余裕があったので、かるぽーとの施設内を散策する。ミュージアムショップで『独走癌 第一巻』(タイケヒデミ)を購入。高知を中心に活動されている漫画家の本らしい。吾妻ひでおからの影響を多分に感じる。午後四時、『シソンヌライブ[モノクロ]高知公演』を鑑賞。衣装もセットもない舞台で繰り広げられるシンプルなコントが披露される一時間のライブを堪能する。終演後、物販でシソンヌ関係のDVDを購入した観客を対象とした撮影会が行われたが、参加せず。彼らのDVDは全て持っているからだ。そういう人でも撮影会に参加できるような要素が欲しい。そのままひろめ市場へ徒歩で移動、唐揚げと土佐巻きを購入する。途中、よさこい踊りの集団をそっと横切る。とんでもない人数のチームが同じ振り付けで踊っていて、そういった類いのものにまるで興味のない私でも少しだけ心が動かされた。踊ろうとは思わないが。車へ戻る途中、製麺処 蔵木で夕食。この店の牛モツつけ麺は裏切らない。帰宅後、夜中にNHK総合で『大悟道』という番組が放送されていたので見る。千鳥の大悟が手掛けるドイヒーな舞台をノブのツッコミとともに鑑賞する謎番組。こういうバカな番組を放送してくれる局をぶっ壊してはいけない。深夜一時、『オードリーのオールナイトニッポン』を聴きながら就寝。

八月十一日(日曜日・山の日)。午前八時起床。この日は休日出勤である。遠方からやってくる技術者に現場で使用している機械のチェックをしてもらう。休日に会社へ出てくるのは面倒だが、それでも、通常業務をこなさなくてはならないわけではないので気楽ではある。午前十時出勤。昼過ぎには終わるだろうと想定していたのだが、なんだかんだで作業を切り上げたのは午後四時を過ぎたころ。うっすらと蓄積されたストレスを発散するため、近くのアダルトショップへ赴くも、これといった作品とは巡り合えず。良きエロスとの出会いは常にプライスレスである。帰宅して『モヤモヤさまぁ~ず2』を見ながら夕食。新人アナのたまに出るギャル感が今後の波乱を思わせる。どうなってしまうのだろうか。夜中、『ゲームセンターCX 15th感謝祭 有野の生挑戦 リベンジ七番勝負』特典ディスクを鑑賞。実際の放送ではなくソフトで番組を追っている身としては、有野とスタッフのノリについていけなくなってしまう瞬間が何度か。午前一時ごろ就寝。

八月十二日(月曜日・振替休日)。午前九時半起床。以前に私が住んでいた部屋を新たに物置にするため、家族総出で片付けに乗り出す。乗り出す……といいながら、実は昨年からずっと片付けを続けているのだが、これがなかなか片付かない。なにせ荷物が多かったのである。しかし本日、ようやっと全てを片付けられた。自分にとっての宿題を一つ終えたような心持ちである。午後三時に家を出て、綾川イオンへ。午後四時十分上映の『天気の子』を鑑賞する。『ほしのこえ』『言の葉の庭』『君の名は。』で知られる新海誠監督の最新作。とても面白かったのだが、あの澄み切った世界観に濁りを加えるあの小道具は無くても良かったのではないか、という気がしないでもない。無論、私個人の好みの問題である。夕飯に徳島ラーメン麺王でにんにくラーメン。

八月十三日(火曜日)。午前六時起床。両親とゴルフ場へ。大人の嗜みとして数ヶ月前からゴルフを始めたのだが、これが大変に疲れる。ゴルフといえば中年層向けのスポーツというイメージを抱いていたのだが、とんでもない。平穏無事にフェアウェイに留まっている球の元へ歩み寄るだけで息が切れる。芝生に囲まれた場は距離感を狂わせ、しかも勾配が強い。脳天へと突き刺さる日差しから隠れる術はない。このような地獄の如き娯楽を進んで楽しもうなどという人間は、この世の全ての楽しみを味わい尽くした数寄者に違いない。そうでないのなら純然たるマゾヒストだ。帰りにいきなりステーキへ立ち寄り、600グラムの肉を食らう。肉は良い。ただ食べているだけなのに、自らの生命力へ課金しているような感覚を覚える。

八月十四日(水曜日)。午前七時起床。再び休日出勤。午前中に作業を済ませ、午後からネットカフェに入り浸る。『ゴールデンカムイ』『古見さんは、コミュ症です。』の最新刊、おっぱいと特撮ヒーロー愛にまみれた『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい 』、おっぱいと謎妖怪とバトルにまみれた『妖怪番長』などを読む。他にも読んだような気もするが、おっぱいしか記憶にない。どれほど気取っていても身体は正直である。夕暮れ時、店内に雨音が響くようになってきたので、暗くなる前に店を出る(台風が近付いていたのである)。『爆笑問題カーボーイ』を聴きながら帰宅。太田が真面目に井口への忠告を述べていて、芸人としての太田光の確かさを噛み締める。帰宅してオードリーの武道館DVDの特典を見る。武道館イベントの前に行われた、全国ツアーの模様を収録。オードリーのトークに実際の映像が重なる編集が秀逸。一つ欲をいえば、ゲスト出演していた芸人たちのパフォーマンスも収録してもらいたかった!(バカリズムTHE GEESEに関してはソフト化されているコントだったが) 深夜、『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』をリアルタイムで聴く。今、最も聴くべきラジオ番組はコレであると確信している。全てのテレビっ子、お笑い好き、サブカルエンタメバカたちは絶対に聴くべきである。

八月十五日(木曜日)。絶対に何もしないと心に決めた日。実際、何もしなかったので、記録するようなことはない。強いて書き記すとすれば、amazonのプライムビデオで『メイドインアビス』を観始めたことぐらいだろうか。この文章を書いている時点で、第四話まで視聴した。ファンタジー色の強い世界観とコミカルとシリアスの塩梅がたまらない。とはいえ、脚本が倉田英之ということなので、きっとろくでもない展開が待っていることだろう。ドキドキする。

八月十六日(金曜日)。夜に家族でビアガーデンに行く予定だったので、万が一にも飲み足りないという事態になってはならぬと考え、一人二次会の用意をする。ドン・キホーテでつまみを購入し、スーパーで炭酸水を合わせるだけでモヒートを作ることが出来る神リキュールを仕込み、コンビニでダメ押し的に色々を仕入れる。しかし、結局ビアガーデンで黒牛かというぐらいにビールを飲んだので、全てが不要になってしまう。……翌日には飲み干していたが。こりゃ肝機能が大変なことになるわけだ! 帰宅して『新・美の巨人たち』『脱力タイムズ』『ネタパレ』を見る。かが屋のコントを楽しんでいると、同時間帯に「キングオブコント2019」準決勝進出者が発表。常連たちがバッタバッタと落とされ、新参者が一気にフックアップされ、時代の変化を感じさせられる。時代が動くのか。そういう空気に呑まれているだけなのか。

八月十七日(土曜日)。午前九時起床。最近、気に入っているタオルを作っているコンテックスの直売店「コンテックスタオルガーデン」がある今治市へ。正午ごろに到着。触感とデザインをしっかりと確認しながらタオルを吟味する。どのタオルもふわふわしていて、でも薄くて使いやすく、とても素晴らしい。一時間かけて欲しいタオルを選別し、五千円分ほど購入する。次は誰かと行きたい。他人にオススメしたい。そのままイオンモール今治新都市へ立ち寄るが、これといって気になるものはなし。ただ、ここの雰囲気は、なんだかとっても良いような。そこから新居浜市へ向かい、愛媛県総合科学博物館へ。宇宙服やら恐竜やら、様々な科学的な展示に心が躍る。こういう施設は大人だけでも楽しい。何故か『攻殻機動隊』の映像作品がプラネタリウムで上映されていたので、鑑賞。映像そのものは面白かったのだが、家族連れで来ていた人たちは内容を理解できたのだろうか。心配だ。帰りに天下一品で天津丼(+唐揚げ)のセットを食べる。天下一品は天津丼のセットが鉄板だと思う。ラーメンのしょっぱ味と甘いタレのバランスが絶妙。そのまま『三四郎オールナイトニッポン』を聴きながら帰路につく。以前に聴いたときに比べて、グンバツに面白くなっている。定期的に聴いていこう。午後八時ごろ帰宅。ちょうど『ENGEIグランドスラム』を放送していたが、録画しているのでスルー。東京03爆笑問題だけ見る。太田はどれだけピエール瀧のことが好きなんだ。『オードリーのオールナイトニッポン』を聴きながら就寝。

八月十八日(日曜日)。午前七時半ごろ起床。朝から“お笑い第七世代”について考えるが、特に落としどころもなかったので、テキトーに思ったことをツイートする。どれほどヒマなのか。ヒマだったので二度寝をキメる。起きてからもぐずぐずに過ごす。午後三時、友人宅へ。三時間ほどぐずぐずに過ごす。連休の最後なんてこんなもんだ。夕刻、『モヤモヤさまぁ~ず2』を見る。新人アナの初々しさがたまらないが、柔軟に対応できている部分もあって、今後の展開に期待が高まる。夜、金曜日にしれーっとレンタルしていた『MAIGRET/メグレ』を見る。思春期にMr.ビーンのブームを体感した世代として、ローワン・アトキンスンの老け具合に沁みる。やがて寝る。そんな連休だった。おしまい。

なあ、怖いコントを観ようじゃないか!!

先日、XXCLUB大島育宙氏を怒らせてしまった。

実際に怒っていたのかどうかは分からない。でも、きっと怒っていたのではないかと思う。少なくとも私には怒っているように見えた。日頃は理論的に物事を語っている人が冷静に怒りを露わにする姿というのは、得も言われぬ迫力に満ちている。それも原因は明らかに此方にあるので穏やかじゃない(氏のとある意見ツイートに対し、不用意な批判を飛ばしてしまったのである。相手に対して不相応な知性を晒し上げながら批判する行為ほどみっともないものはない)。過ちに気付いた私は即座に反省の意志を表明するリプを氏に送った。そして、この恥ずかしさと情けなさ、なにより相手に対する申し訳なさを少しでも解消すべく、数日前に大島氏が募集していた〈怖いネタ〉を一つお教えしようと思い至った。

お笑い芸人のネタの多くは観客を笑わせるためだけに作られている。だが、それらの中には、ただ笑わせるだけではなく、時に他の感情を呼び起こすものも幾つか存在する。その中でも、人の恐怖心に揺さぶりをかける〈怖いネタ〉は、お笑い芸人マニアの間ではたびたび話題の種となるメジャーなテーマだった。当時、大島氏はそんな〈怖いネタ〉について、フォロワーへ募集をかけていたのである。その募集を始めて目にしたとき、私は別に自分が意見せずとも、多くのフォロワーを持つ彼の元には沢山の情報が集まってくるだろうと思い、敢えて反応しなかった。だが、氏を怒らせてしまった後となると、話は別である。まだ名前の挙がっていない怖いネタを教えることで、先程のみっともないツイートを相殺すべく、必死に考え込んだ。

そして思い出したのが、シソンヌの『しつけ』である。

『しつけ』は新居へと引っ越してきたとある入籍前の男女の姿を描いたコントだ。女性(じろう)が化粧品回りの荷物を片付けようと段ボール箱の中身を確認していると、そこにドライヤーが無いことに気が付く。男性(長谷川)に所在を尋ねると、「古くなったから捨てて、新しいのを買ってきた」と聞かされる。それを聞いて女性は激怒。「なんでそんな勝手なことをするのよ!」。しかし、故障してコールドしか出てなかったし、捨ててしまったものは仕方がないと説得され、しぶしぶ新しいドライヤーを受け取ることに。ところが、女性はその新しいドライヤーのコードを縛り、机の下へと投げ捨てる。「関係性を覚えさせないと……!」。

『しつけ』は基本的に女性の言動が持つ可笑しみを中心に構成されている。ドライヤーに対する過剰な思い入れ、そして「ドライヤーを躾ける」という不可思議な視点が持つ異質性によるものだ。だが、その言動こそ異質ではあるが、彼女の気持ちそのものは決して異常ではないことが分かり始める。彼女にとっての日用品に対する躾け行為は、あくまでも自分の所持物として受け入れるための儀式なのだ。まだ生活に馴染んでいない日用品を日常に当たり前に存在するものとして受け入れるために必要な期間なのである。そのことが分かるようになるにつれて、少しずつ、その舞台に有る別の異常性が明らかになっていく。この瞬間が、とても怖い。是非とも体感してもらいたい。

私は大島氏に『しつけ』を紹介した。何処に出しても恥ずかしくない名作である。

ここで話は終わるべきだったのだが、お詫びの品(=怖いコント)を無事に提出することが出来た安心感からか、無性に怖いコントの話がしたくなってきてしまった。以後、私は怖いコントについてあーだこーだと考え、思いついたことを次々にツイートしてしまった。そして、自分の中で怖いと思うコント、大袈裟にいうならば【新三大・怖いコント】を選出したのであった。

ちなみに、【旧三大・怖いコント】は以下の三作品である。

ラーメンズ『採集』(「ATOM」収録)
バナナマン『ルスデン』(「秘蔵映像集 "private stock"」収録)
千原浩史千原靖史渡辺鐘『ダンボくん』(「プロペラを止めた、僕の声を聞くために。」収録)

ちなみに、私はこれらの三作品を「怖いネタである」という事前情報を得ずに鑑賞しているのだが、当時、それほど恐怖を覚えることはなかった(『採集』のオチには驚かされたが)。確かに、これらのコントはいずれも不穏な空気に満ち溢れていて、一般的なコントとは一線を画した存在感を見せつけていた。だが、その描写があまりにもドラマチックで、一つの非日常的なシチュエーションのフィクションとして見えてしまい、恐怖心を抱くことが出来なかったのである。逆にいえば、これから私が紹介する【新三大・怖いコント】は、日常に直結する恐怖が感じられるコントということになる。

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2019年8月の入荷予定

21「第20回東京03単独公演「不自然体」

どうも菅家です。七月は更新が少なくてすいませんでした。大阪旅行の記録で体力を絞り出した後で、京アニの放火だの、吉本動乱だの、色々な出来事で精神的にも疲弊してしまって、いよいよ何もやる気がなくなってしまったのです。皆さんもきっと疲れ切っていることでしょう。お笑いなんて見てないで、とっとと寝てしまった方がいいですよ。それはそうとして来月の予定ですが……なんとも心寂しいことになっていますね。東京03の単独公演だそうです。前回と同様、DVDとBlu-rayの二形態でリリースするそうです。Blu-rayにはDVDに収録されていない映像が特典として入るそうです。楽しみですね。あ、あと、2日に幕張メッセでのイベントを収録した『ゲームセンターCX 15th感謝祭 有野の生挑戦 リベンジ七番勝負』がリリースされるそうです。こちらもDVD・Blu-rayでの二形態でのリリースとなります(どちらも二枚組)。お盆の夜はこれ観ながら一杯ひっかけるしかないな……嫌なことは全て酒で忘れるんだ……。

めちゃめちゃ大事な正念場

宮迫博之吉本興業から契約解除であるという。私は『ワンナイ』の熱心な視聴者ではなかったし、『アメトーーク』もMCよりゲストの方に注目していたし、むしろ『R-1ぐらんぷり』に関してはMCとしての判を押したような立ち振る舞いに苛立ちを覚えることも少なくなかったので、正直なところ宮迫氏の引退そのものに関しては「まあ別に引退したからってだからなんだっていうんですか?」としか思えないのだが、それよりも何よりも「契約解除するほどのことじゃねえだろ、バカじゃねえの」という気持ちの方が強いわけです。彼に対して抱いていたあらゆる嫌悪感を集結させたとしても、それよりもなによりも、その気持ちの方が強いわけです。一部報道では引退も視野に入れているとのことですが、やっぱり引退することそのものについては「どうでもいい」としか言いようがないのですが、それ以上に「こんなことで引退していいの? 芸能の世界に対する未練はそんな程度のものなの?」と思ってしまうわけです。引退する側にもさせる側にも思うわけです。なんかもう、そういう思考になっちゃってるような気がします。いらねえんだよそんなのは。そういう時代の流れ、風潮の胡散臭さから逸脱して、狂気の世界へと誘ってくれるのが芸人じゃねえのかよ。良識に呑まれてんじゃねえよ。尤も、山本圭壱だって復帰したわけで、そこまで心配することじゃないのかもしれないけれど。ていうか、いつまでこの話題続けるの。いいだろ、もう。誰が喜ぶんだよこれ。

追記。明けて七月二十日、状況があまりにも変わり過ぎてしまった。昨日まで、闇営業の一件を受けて、ただ宮迫が引退するだのなんだのという話になっているという程度に認識していたのだが、本日行われた宮迫・田村亮による記者会見によると、どうも色々な前提が食い違っていることが分かった。無論、宮迫・亮の言い分が、必ずしも正しいとはいえない。自分にとって都合の良いことを言っている可能性は否定できない。とはいえ、それにしても驚くべき話が飛び出している。飛び出し過ぎている。細かいところはお笑いナタリーの記事に詳しい。

例えば、宮迫引退の件からしてズレている。当初、保身を理由に闇営業の件で「お金は受け取っていない」とコメントしていた宮迫だったが、騒ぎが大きくなってきたため、世間を欺いていたことを改めて謝罪する会見を開きたいと亮とともに社長へ申し出たところ「会見はやってもええけど、全員連帯責任でクビにする」と告げられ、謹慎期間に入り、再び記者会見を開きたいと申し出ると「宮迫と亮の引退会見もしくは二人との契約解除のどちらかを選べ」という旨の書面が届いたという。そこまでして事務所が反社会的勢力への闇営業の存在を無かったことにしたい理由は分からないが、結果として、最悪の状況を生み出してしまったことを思うと、なんともいえない気持ちにさせられる。

そもそもの発端である闇営業についても、どうやら胡散臭いことになっているらしい。

会見によれば、入江から「結婚パーティに顔を出してもらえないか」と誘いを受け、その報酬の高さに驚いて「大丈夫か?」と確認をしたところ、「入江のイベントのスポンサーについてくれている。吉本の会社を通したイベントについてくれているスポンサーなので安心です」と話されたのだそうだ。もし、入江が嘘をついたわけではないのだとすれば、吉本は過去に反社会勢力がスポンサーについているイベントを通していることになる。……なにやら良からぬことを邪推してしまいたくなるが、果たして……。

色々と激しい動きを見せた本件、どのような着地を見せることになるのか。無関係な我々は、ひたすらへらへら踊るばかりである。