白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「女芸人 No.1決定戦 THE W」(2018年12月10日)

・司会
徳井義実チュートリアル
水卜麻美日本テレビアナウンサー)

・ブレイクサポーター
志尊淳

・ゲスト
福原愛
ヒロミ
中尾明慶
土屋太鳳
滝沢カレン
清水ミチコ

・副音声
松本人志ダウンタウン
高須光聖

・審査員
一般公募から選ばれた401名

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「爆笑問題の検索ちゃん 芸人ちゃんネタ祭り 実力派芸人大集合スペシャル」(2018年12月21日)

三四郎「漫才:マジ卍」
ハナコ「コント:コインランドリー」
チョコレートプラネット「コント:メンタリスト」
ロバート「コント:人間ドック」
友近「コント:大阪ブロードウェイ」
ナイツ「漫才:いちゃラブ漫才」
東×土田×古坂大魔王「犬(ハナコの変則カバー)」
東京03「コント:同窓会」
オリエンタルラジオ(RADIO FISH)「NEW GOD(feat.May J.)」
中川家「漫才:CEOになりたい・路上教習」
爆笑問題「漫才:今年の漢字貴乃花問題・築地市場最後の日・高輪ゲートウェイ・小説の映画化・人生半分損してる」

司会は爆笑問題小池栄子。ネタごとに出演者に関するゴシップ情報が紹介される。正直、基本的には大した話が出てこないのだが、東京03角田の酒癖の悪さ、爆笑問題田中の後輩芸人に対する奇行が取り上げられていたのには笑った。どんなに凄味に満ちたネタが演じられた後でも、最終的に話題の全てをかっさらってしまうウーチャカという存在……実に恐ろしい。

肝心のネタは、攻めた内容のものが多めで楽しかった。特にロバート以降は混沌としていて、まともなネタが一つもなかった。とりわけ、友近は意味が分からなかった。どうしてミュージカルなのか。どうして大阪なのか。何に対するものなのかは分からなかったが、とにかく悪意に満ち溢れていた。普段は安定の東京03もコミュ障の気持ちをえぐり込むような内容で恐ろしく、普段は安心の中川家も礼二が暴走して剛と二人だけで盛り上がってしまっている珍しいワンシーンを見せていて、なんだかとても真っ当じゃなかった。そんな二組を繋いだオリエンタルラジオに至っては、もう何がなんだか分からない。何が分からないって、クールなショーをお届けしている筈なのに、妙に笑えるところが分からない。なんで笑えるのだろうか。不思議だ。

しかし、最もヤバかったのは、番組ではお馴染みとなっている東貴博(Take2)、土田晃之古坂大魔王によるユニットコント。いつもは懐かしのショートコントを披露している三人だが、今回はなんとハナコキングオブコントの決勝のステージで披露したコント『犬』を思わせるネタを演じていた。最初は後輩のネタを丁寧に再現している様にニヤニヤしていたのだが、中盤でいきなり放り込まれる異分子! 何もかもが台無しになってしまう展開に、ボキャ天世代の意地のようなものが感じられた。いやー、熱かったな。

「THE MANZAI 2018」(2018年12月9日)

霜降り明星「カラオケ」
NON STYLE「井上家に招待」
チュートリアル「怖い話」
トレンディエンジェル赤ずきんちゃん」
流れ星「ちゅうえいイライラ棒
海原やすよ ともこ「東京と大阪の比較」
タカアンドトシ「もの忘れ」
サンドウィッチマン「警察24時」
 プレマスターズ第2位:ミキ「新婚旅行の計画」
 プレマスターズ第1位:インディアンス「木村は元ヤン」
テンダラー「感動の再会」
銀シャリ「10回クイズ」
パンクブーブー「なぞなぞ」
博多華丸・大吉イカ不漁」
千鳥「サファリパーク・権蔵院園」
ナイツ「サッカー・西野朗監督のサイン」
笑い飯「言葉を間違える・蚊を叩く練習」
おぎやはぎ「スクワット」
ウーマンラッシュアワー「村本の主張」
ハマカーン「恩着せがましい」
矢野・兵動「イラッとなる・老化」
とろサーモン「旅館」
中川家「CEO・路上教習」
爆笑問題「時事漫才」

たけし賞は流れ星(二年連続)。たけし氏、昨年よりも老け込んだように感じられて、少し不安。オープニングセレモニーの悪ふざけぶりは相変わらずだったが、じんわりと欽ちゃんに続いているような雰囲気に。そう成ってしまったときのたけし氏もまた、ちょっと見てみたい気もするが。うん、これでいいの。

印象に残っているのは、奇しくもネタの設定が「M-1グランプリ2018」敗者復活戦でさらば青春の光が披露していたネタと丸被りだったチュートリアル、「好きな芸人」第一位に選ばれた途端にちょっとアウトローなスタイルを取り戻し始めたサンドウィッチマン、たけし氏への感謝の気持ちをネタ中のコマネチで表現したテンダラー、鰻のボケに橋本の精神が崩壊していく銀シャリ八代亜紀の『舟唄』をテーマにする渋さの中にさりげない可愛げを見せていた博多華丸・大吉、ナンセンスなキャラクターにヤバみが加えられた千鳥、村本のこってりとした主張が大きな笑いと止め処無い戸惑いを生み出したウーマンラッシュアワー、そんなウーマンよりもある意味で炎上しそうなネタを放り込んできたハマカーン

その中でも、おぎやはぎは「爆笑オンエアバトル」に出ていた頃と変わらぬテキトーぶりで、とても楽しかった。小木がスクワットをする、スクワットをエンターテインメントにする、矢作がスクワットをやらされる。スゴくバカバカしい。くだらない。でも、ちゃんと笑える。なんだろうな、あのニュアンスは。面白かったなー。

「M-1グランプリ2018」優勝者決定!

見取り図「女の子を紹介する」(606点)
スーパーマラドーナ「隣人を家に上げて…」(617点)
かまいたち「ポイントカード」(636点)
ジャルジャル「国名分けっこ」(648点)
ギャロップ「合コンの代役」(614点)
ゆにばーす「遊園地ロケ」(594点)
ミキ(敗者復活)「ジャニーズ」(638点)
トム・ブラウン「なかじマックス」(633点)
霜降り明星「豪華客船」(662点)
和牛「ゾンビに噛まれたら」(656点)

ジャルジャル「ポーズ」(0票)
和牛「オレオレ詐欺」(3票)
霜降り明星「小学校」(4票)

いや、素晴らしかったですね。トップバッターとしては大健闘の見取り図、あえて大衆ウケよりサイコ度数に重点を置いたスーパーマラドーナ、どうでもいい話をきっかけに込み入った口論が繰り広げられるかまいたち、我が道をひた走るジャルジャル、そんなジャルジャルの空気に巻き込まれたギャロップ・ゆにばーす、敗者復活から這い上がってきたミキ、技術よりパッションで立ち向かったトム・ブラウン、発想と熱量が燃え上がった霜降り明星、所作や佇まいがもはやM-1の域を脱している和牛。どのコンビも面白かった。今はもう、それ以上の感想は出てこない。面白かった。うん。

最終決戦は甲乙つけ難い激戦に。結果として、和牛と霜降り明星の一騎打ちのようになってしまったが、ジャルジャルもまた彼ららしいネタで勝負していた。個人的にはジャルジャルでもまったく問題無かった。しかし、霜降り明星……強かった。お見事! お疲れ様でした!

「M-1グランプリ2018」敗者復活戦(2018年12月2日)

1.ウエストランド(24位)「女の子に井口を紹介」

2.ダンビラムーチョ(22位)「カラオケバイトの年上の新人」

3.さらば青春の光(16位)「ものまねでネタバレ」

4.ミキ(15位)「サザエさんのじゃんけんで勝つ練習」

5.たくろう(12位)「おしゃれな美容室」(タイムアップ)

6.からし蓮根(10位)「ホストになりたい」

7.アキナ(18位)「結婚の挨拶」

8.金属バット(21位)「お見合い」

9.マユリカ(25位)「受験に失敗した幼馴染みを慰める」

10.東京ホテイソン(11位)「入学式」

11.侍スライス(20位)「裁判の雰囲気を味わいたい」

12.ニッポンの社長(17位)「荷物が多い女の子」

13.マヂカルラブリー(14位)「高級フレンチのマナー」

14.三四郎(23位)「マジ卍」

15.プラス・マイナス(13位)「野球のスイング」

16.インディアンス(19位)「元ヤン」

司会は陣内智則ホラン千秋。レポーターに「M-1グランプリ2015」王者のトレンディエンジェル。また、客席には、有名人ゲストとして、あき竹城、羽田圭介池田美優。十六組の漫才師による熱演を鑑賞した視聴者が、その中から面白かった漫才師を三組選び出し、投票する。Twitterのタイムラインでは「たくろう」「からし蓮根」「プラス・マイナス」「マヂカルラブリー」が好評。私は「ウエストランド」「金属バット」「インディアンス」に投票した。

結果は以下の通り。

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「うしろシティ単独ライブ「どこが海のみえるまち」」(2018年11月14日)

うしろシティ単独ライブ「どこが海のみえるまち」 [DVD]

うしろシティ単独ライブ「どこが海のみえるまち」 [DVD]

 

2018年6月16日から7月29日にかけて全国五都市をツアー展開した単独ライブより、同年8月8日に座・高円寺2で行われた追加公演の模様を収録。

うしろシティといえば、「キングオブコント2012」決勝の舞台で披露された『転校生』(阿諏訪演じる目立ちたがり屋な転校生が、金子演じるもう一人の転校生の転校生としてのステータスの高さに恐れ戦くコント。コントの中で不意に登場する謎のアイテム“もぎぼっこり”が話題となった)のイメージが今でも根強いのではないだろうか。しかし、近年の彼らは、そういったナンセンスな面白さだけに重点を置いたコントから脱却し、人間同士の考え方のズレによって生じる理不尽をテーマにした深みのあるコントを表現しようと努めている。

本作でも、その傾向は色濃い。例えば『焼き鳥屋』。焼き鳥をメインで取り扱っているのに、常連だけに出していた裏メニューのラーメンが焼き鳥以上の人気を集めてしまった焼き鳥屋(阿諏訪)に、ラーメンを目当てにやってきた客(金子)が入店するコントだ。お店の新しい魅力を次々に見出していく客に対し、お店を褒められながらもメインの焼き鳥がどんどん放置されていってしまうことに釈然としない店主の構図がたまらない。また、山奥で絵を描き続けている画家(阿諏訪)の元へ、とある客(金子)が画家のまったく想像していなかっただろう理由で彼の絵を買いにやってくる『山奥の画家』というコントも、とてもイヤらしい切り口で実に面白かった。このコントに関しては、詳細を書いてしまうと面白さが半減してしまうので、実際に確認していただきたい。

ただ、全体を通してみると、まだまだスタイルを掴み切れていない印象を与えられた。いずれのコントも、確かに安定して面白い。だが、人間同士のギクシャクを描いたコントにしては、同様の方向性で大きな笑いを掴み取っている、東京03さらば青春の光に比べると、明らかに笑いの量が少ない。思うに、この二組がコントの切り口の核となっている部分と実直に向き合っているのに対して、うしろシティは設定を深追いしようとしていないためだろう。先の『焼き鳥屋』にしても、本来ならば焼き鳥屋の店主の複雑な心境に注目すべきところを、お店の新しい魅力を次々と発見してしまう客の異常性を広げてしまっている。そのため、折角の設定が活かしきれていない。いわば、彼らが以前から大事にしていた、ナンセンスな表現に固執してしまっているのである。そこにこだわるのであれば、無理に凝った着眼点を見せる必要はない。面白い視点で日常を切り取るか、ヘンテコな人たちのナンセンスな笑いを繰り広げるか、どちらかを選ぶべきだろう。勿論、このまま続けることで、まったく新しい地平を見つけることが出来る可能性は否定できないが。……いや、しかし、そうなると、そこにはシティボーイズがいるのでは……。

これら本編に加えて、ライブの幕間映像に使用された「ルールも分からずやってみた」(未公開映像含)と副音声解説が収録されている。幕間映像は毒にも薬にもならないようなゆるい内容だったが、副音声解説はなかなかに面白かった。なんと、この副音声の音声録りの日に阿諏訪が遅刻、その後の予定も控えていたため、急遽として金子とコンテンツリーグ関係者の平山聡氏が収録に臨んでいるのである。なかなかに珍しい事態だ。しかも、この金子と平山氏のコメンタリーが、かなり興味深い。ライブを鑑賞した一個人としての立ち位置を崩さない平山氏の素朴な質問に対し、金子がフザケることなく、かなりきちんと答えている。DVDコレクターとしては、「他の芸人のDVDを観ることはあるんですか?」という質問にはちょっとシビれた。しばらく録音したところで、阿諏訪が遅れてやってくるのだが……正直、来なくても良かったのでは(流石にそれはダメか)。

◆本編【101分】
「帰省」「予約の青木です」「焼き鳥屋」「駄菓子屋」「僕は変わるんだ」「おじいちゃん大好き」「山奥の画家」「ひさしぶり」「陶芸家」「才能とは」

◆特典映像「ルールも分からずやってみた」【23分】
「はじめての空手の形」「はじめての新体操」「はじめての空手 1回目 フルVer.」「はじめての新体操 リボン編」「はじめての痛い空手編」

◆音声特典
うしろシティの副音声解説」

2018年12月の入荷予定

19「爆笑問題のツーショット 2018 結成30周年記念Edition ~爆笑問題が選ぶBest Selection~

19「落語研究会 柳家喬太郎名演集

19「佐久間一行SHOW2018「FORTY」(豪華盤)

どうも菅家です。暑い夏が終わり、涼しい秋がやってきたと思っていたら、もう年末ですね。一年が過ぎていくペースがいよいよ早いです。知らず知らずのうちに、タイムマシーンが何かに乗せられているのではないかという気さえしてきます。この分だと、東京オリンピックなんて、本当に直ぐですね。生きていればの話ですが。

そんなこんなの十二月ですが、なにやら各レーベルの代表格が出そろったようなラインナップであります。我らがコンテンツリーグからは爆笑問題によるベストセレクション。二枚組ということなので、単独ライブの模様がちょっとは収められているのではないかと期待しております。よしもとからは天下御免ピン芸人佐久間一行の最新ライブ。豪華盤は脅威の四枚組であります。うち一枚はタナゴ釣りだそうです。実に恐ろしいですね。そしてソニーから、柳家喬太郎の名演集です。古典も新作も器用にこなす実力派による落語が三枚組にパッケージ。落語にちょっとでも興味があるなら、是非とも手に取ってください。決して損はさせません!