土曜深夜の視聴覚室

Saturday midnight audio-visual room.

「にちようチャップリン」(2018年5月13日)

「漫才:遊園地」。遊園地デートをやりたい。ショーゴの笑いに繋がりにくいボケを、健が独特の言い回しによるツッコミを繰り出すことで、笑いを生み出している。方向性としては三四郎ウエストランドに近いのかもしれない。ただ、ボケに対して、まるで決め台詞のように繰り出されるツッコミは、個人的にイシバシハザマのショートコントの名残を残した漫才を彷彿と。肝心のネタは安定の面白さ。自分たちのスタイルをきちんと提示した後で「寝るなーっ!!!」とシンプルなツッコミを繰り出してからの園子温。後半での園子温、良かったなあ。

  • マツモトクラブ【70】

「聞こえない」。祖父を亡くし、久しぶりに故郷へと戻ってきたコイズミは、葬儀の後で昔の友人の家へと向かおうとしていたのだが、スマホ越しに聞く友人の声は電波状態が悪くて聞き取りづらく……。とにかく設定が素晴らしい。他人の声を音源で流しながら演技するマツモトクラブの芸風だからこそ出来るコントをちゃんと作っている。構成もスゴい。電話の聞き取りづらさから電車内アナウンスの聞き取りづらさへと、あまりにもさりげなくシフトチェンジしている。これが上手い。後半のヒューマンドラマ感もスゴい。「コイズミヒサシブリー」の伏線を笑いでなく感動で回収し、その上で、改めて笑いに落とし込む。マツクラのコントは本当に見るたびに驚かされるな。

  • だーりんず【66】

「コント:公園」。公園のベンチで休憩していたサラリーマンに、お笑い芸人が近付いてきて「ネタを見てくれないか」と頼み込み……。ここも設定が上手い。「一人で演じているけれど別にもう一人いる設定」の一人コントを見させられているサラリーマンが、客観的には「もう一人」であるように見えるように仕向けている着眼点が素晴らしい。ただ、「もう一人」がサラリーマンにとってあまり芳しくないタイプの人物で、事情を知らない人たちに慌ててコントであることをアピールする……というボケに一貫していたのが残念。もうちょっと展開に強弱をつけられる設定だと思う。ダメ押し感のあるオチはかなり好き。

「コント:野球」。九回裏ツーアウト満塁という状況で代打を任された白井だったのだが、彼が頭にかぶせたのはヘルメットではなく、ヘルメットのように仕立て上げた米だった。ストーリーではなくボケを展開させる、関西圏の芸人が得意とする手法のコント。ちょっとでも油断をするとパターンに飽きられてしまいかねないところを、ボケの絶妙なバリエーションの広げかたと里の絶対に外さないツッコミで確実に笑いをもぎ取っている。ちょっと嬉しそうに「さっきのよりちょっと大っきいねぇ~」は良かったなあ。特に終盤のボンバーマンのくだりは笑った。笑ったなあ……。

  • トム・ブラウン【58】

「漫才:キングムーミン」。ムーミンを五体集めてキングムーミンを作りたいというみちおだったが、うっかり一体だけユーミンが混ざってしまい……。「M-1グランプリ2017」準々決勝敗退ネタ。設定と二人のキャラクターのヤバさが際立つが、ネタの内容そのものは「キングムーミンを作ろうとするも上手く作れない」という純粋に期待を裏切るタイプのシンプルなネタ。否、ネタの軸がしっかりしているからこそ、設定や二人のキャラクターがヤバくても、きちんとネタとして成立させられていると考えるべきなのかもしれない。最後に引っ叩かれる意味の分からなさもまたたまらんかったな。しかし、もうちょっと見たかった。

  • LOVE【60】

「コント:警備員」。昨日は通らせてもらえた工事現場を、今日の女性警備員は通してくれない。そこで、そっと誘惑して……。頭の堅い生真面目な女が男の色仕掛けにまんまと引っ掛かってしまい、心を溶かしていく様子をコミカルに描いたコント。工事現場を通り抜けるために色仕掛けで女を落とす……という費用対効果の低さは笑えるかもしれないが、特に落ち度もなく仕事をこなしている恐らくは異性に慣れていないだろうタイプの人をおちょくるような姿勢はあまり好きではない。男の方が明確な悪党であればそれなりに納得もできるのかもしれないが(実際、こういうのは峰不二子とかがやるヤツだ)。ただ、警棒を光らせようとするくだりの「昼はダメ……」は笑った。ああ、下ネタには弱い。

  • 流れ星【80】

「漫才:プーさんゲーム」。ちゅうえいが考案した“プーさんゲーム”をやってみる。「爆笑オンエアバトル」でしっかりとオリジナリティあふれる世界観のネタを作っていた時代を知っているため、こういう営業みたいなネタを堂々とテレビでやっている姿を見させられると、なんだかとっても切ない気持ちになってしまう。プーさんからの林家へと展開する前半はまだしも、 “ちゅうえいゲーム”にウッチャンや土田を巻き込んでいく後半はちょっと見ていてキツかった。その場で見ている人たちには臨場感もあってウケるのかもしれないが、視聴者にはその空気感は伝わってこない。このネタに東京ホテイソンとマツモトクラブが落とされたのかと思うと……うーん……。

1位の大自然、2位の流れ星が勝ち上がり。

【次回の出場者】

ザ・ギース(1週目1位)

大自然(3週目1位)

トンツカタン(1週目2位)

流れ星(3週目2位)

2丁拳銃(2週目1位)

ネルソンズ(2週目2位)