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さあ、水道の蛇口を開け。

録画テープふりしぼる ぶっこわれるまでやりきる

先日のテレビ録画についての記事が読まれているらしい。

正直なところ、文章としてはあまり出来が良くないものになってしまったと自覚していたので、意外に感じている。幼いころの私の「記録することへの欲求」に対して、共感を抱いていただけたのだろうか。或いは、年齢を重ねるにつれて、人間は行動に意味を持たせなくてはならないと勘違いする傾向が強まりがちなので、そういった欲求に懐かしみを感じてもらえたのかもしれない。いずれにしても、自分の文章を読んでくれた方々に、なにかしらかを感じていただけたのは有り難い話である。

ということで、今回の記事では当時の私がどういった番組を録画していたのかについて、うすらぼんやりと振り返ってみようと思う。子どものころの記憶を辿る作業なので、それはもううすらぼんやりとしているので、皆さんもうすらぼんやりと読んでくれると助かります。

私が「録画する」という行為を始めるきっかけとなった番組は『大発見!恐怖の法則』(1996年~1997年)だった。視聴者から様々な法則を募り、番組内で検証、認定委員長が法則として認定・却下の判定を下す……というフォーマットのバラエティ番組で、司会進行役を中山秀征と加藤紀子、認定委員長を上岡龍太郎が務めていた。どうしてこの番組を録画していたのかについては、まったく覚えていない。録画した番組を再生した記憶もない。それなのに、初回から最終回まで、すべての放送回をVHSで録画していた。我ながら、よく分からない子どもである。ちなみに、Wikipediaの記事によると、この番組には再ブレイク直前の爆笑問題がレポーターとして出演していたらしい。既に当時のVHSはすべて処分してしまったのだが、もしも残していれば、貴重な映像になっていたかもしれない。

『大発見!恐怖の法則』の次に私が目を付けたのが『奇跡体験!アンビリバボー』(1997年~)だ。世界中の不思議な事件・出来事を再現したVTRをスタジオで鑑賞するスタイルのバラエティ番組である。これもどうして録画し始めたのか、まったく覚えていない。ただ、『大発見!恐怖の法則』よりは、ちゃんと番組をチェックしていたように記憶している。例えば、道端の女性の胸に目を奪われたドライバーが事故を起こしてしまい、女性を訴えて裁判中……というニュースが取り上げられていたことがあった。裁判の結果はどうなったのだろうか。『アンビリバボー』の録画はかなり長い期間続けていたと思うのだが、4年ほど経ったあたりで「いつまで続くか分からない番組を録画するのは面倒だ」と思うようになり、自主的に止めてしまった。結果、出演者が入れ替わりながらも、現在も放送を続けている長寿番組になったことを思うと、当時の私の判断は正しかったのかもしれない。

この頃から、私はアニメ番組も録画するようになっていた。今でも覚えているタイトルは『バトルアスリーテス大運動会』『マスターモスキートン'99』『ロストユニバース』『万能文化猫娘』『彼氏彼女の事情』『金田一少年の事件簿』『忍ペンまん丸』……などなど。いずれの番組も録画するだけしておきながら、それを後で見返すことは一度もなかった。唯一、『無限のリヴァイアス』に関しては、リアルタイムの15歳では見ていなかったものを、18歳になったころにふと思いつきで一気に鑑賞した。「めちゃめちゃ面白いな!」と強く感動したものである。当然のことながら、これらの番組を録画したVHSもすべて処分してしまったのだが、その多くは今やサブスクで視聴することが出来るようになっている。録画文化を衰退させた原因とされているサブスクだが、その分野に深く踏み込まない人間には有り難い存在であることは違いない。その旨味を知ってしまったら、もう戻ることは出来ない。

そんなこんなで時代は21世紀に突入。私自身も高校を卒業して大学進学を決めたころ、世の中はVHSからDVDへと移行しつつあった。VHSよりも格段に低価格で、場所も取らないDVDは、あっという間に世間から受け入れられていった。その結果、私は番組を録画せずに、なるべくソフトで購入するようになっていった。……ただ、それでもなお、録画し続けていた番組もあった。『爆笑オンエアバトル』である。毎週、5組の若手芸人のネタがオンエアされる『爆笑オンエアバトル』は、私が初めて「録画して、何度も何度も見直さなくてはならない」という気持ちにさせられた番組だった。思い返してみると当然のことである。当時、番組に出演していたのは、アンジャッシュ、アンタッチャブル、麒麟、陣内智則、タカアンドトシ、ペナルティなどといった、後に大ブレイクを果たす芸人たちばかりだったのだ。テレビのお笑い=スタジオコントで止まっていた私には、彼らのネタがあまりにも刺激的だった。録画は番組の存在を知った2002年から後継番組の『オンバト+』が終了する2014年まで続けた。

そして現在も、なんだかんだで番組の録画は続けている。もっとも、今は「録画したいから録画するんだ!」という衝動によるものではなく、「この番組は見ておいた方が良いかもしれない」と半ば義務的に録画している。そして、それらの番組の多くは、見られることなくBlu-rayへとダビングされている。やっていることは幼いころと変わらないように見えるが、録画への意識は明らかに低下している。VHSという“物体”が存在しないからなのか、単に年を重ねて感情が枯れてしまったからなのか。……私はこれを憂うべき状況とは全然考えないのだが、かといって素晴らしいとは絶対思わない。

こちらからは以上です。