白昼夢の視聴覚室

犬も食わない

「THE SECOND ~漫才トーナメント~」のざっくりとした感想。

いつもお世話になっております。すが家しのぶです。

皆さんは先日の『THE SECOND ~漫才トーナメント~』は見られましたか。私は見ました。見ましたが、あんまりはっきりとした記憶は残っていません。おそらく、放送前から発泡酒のロング缶を二本空けて、それからずっとレモンサワーとハイボールを交互に飲み続けていたためだと思われます。まがりなりにもお笑い評論家を名乗っている人間が、大事な賞レースの第一回大会に対して、そのような態度でどうするのかと腹を立てている人もいるかもしれませんが、令和のゴールデンタイムの特番で「金属バット」「マシンガンズ」「三四郎」「超新塾」のネタが放送されることが決定されている時点で、もう飲まずにはいられなかったのです。ご理解いただきたい。

それにしても、なんとも不思議な大会でしたね。観客投票ということだったので、もうちょっと『爆笑オンエアバトル』のような審査傾向になるのかと想定していたのですが、内輪ネタの権化のような三四郎の漫才が高く評価されていたり、逆に漫才という枠組みの中には入れにくいけれど大爆笑は確実に約束されている超新塾が低評価だったり、ちょっと独特な評価軸の大会でした。そのため、M-1を見慣れている視聴者の中には、この結果に対して不満を感じる人もいるのかもしれませんが、そもそも、真剣にネタで競い合うというよりは、それぞれが特番でネタを披露できる喜びに満ち溢れた大会といった雰囲気が漂っていたので、これはこれでアリっていう風に捉えればいいのではないかと個人的には思います。みんなちがってみんないい。

それにしても囲碁将棋が面白かったですね。どのユニットも面白かったですけど、ネタの精度と熱量という意味では、ここが一番でした。一本目の『ものまね』も、二本目の『パン屋』もとにかく最高の出来映え。ともに一貫して「初心者がやるにしては生意気すぎる要素が組み込まれている」というボケが主軸になっているのに、生意気要素のあるあるネタの高い精度と丁寧な構成で、まったく飽きさせませんでした。その存在感は、かつての賞レース時代の『THE MANZAI』において、爆発的な活躍を見せていた千鳥を彷彿とさせるほど。今年、もっと色々な番組でネタを披露している彼らの姿が見られると嬉しいですね。

ところで、次回の開催はどうなるのでしょうか。今回、ハチミツ二郎の入院を理由に無念の出場辞退となってしまった東京ダイナマイト、予選で敗退して愚痴ったツイートが話題になってしまった流れ星☆、会場を大きく沸かしたことが伝えられているインポッシブル、ノックアウトステージにも上がれなかった三拍子、磁石、ダイノジトータルテンボスレイザーラモンなどの漫才師たちに、リベンジのチャンスが与えられるのでしょうか。これだけ話題になっているのですから、これっきりということはきっとないだろうとは思っていますが……来年も開催されるといいですね。

では、また。