白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

脳内一面に広がる『PINK』

えっ、えっ、何これ何これ。ラジオを聴いているときに、流れてきた楽曲に心奪われた。その瞬間、まるで思春期のように気持ちが揺れたのを感じ取った。衝撃の大きさはあまりにもデカくて、その後の芸人のトークがまるで、頭に入らなくなってしまうほど、完全に呆然としてしまった。放送後、すぐさま詳細を調べて、それが土岐麻子の『PINK』という曲だと分かった。しばらくしてから買ったアルバム。聴いてみると当時の衝撃が、何の揺るぎもなく蘇った。何だこれは、何なんだこれは。都会の情景を描写する中に「おばけが出そうでシャワーが苦手」といった人間臭い言葉が飛び出す歌詞も最高だけれど、やっぱりメロディの高揚感がたまらない。ああ、自分の世界はまだまだ狭いのだなあ、と少し反省しながら、以前のアルバムを注文した私であった。

PINK(DVD付)

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『PINK』以外の楽曲も良い。『Fancy Time』『Rain Dancer』『Peppermint Town』がお気に入り。