白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

これが大阪のやりかただッ! 「大阪チャンネル」始まる!

某月某日。知らない人からのメールが届く。

フィルターをくぐり抜けてきた天才的迷惑メールかしらんと訝りながら内容を確認してみると、つらつらと長文が書かれている。ざっくりと目を通してみたところ、アルモノについて文章を書いてもらいたいという、いわゆる執筆の依頼だった。だが、どういった媒体で公開される文章なのか、原稿料は貰えるのか、肝心なところが触れられていない。そこで「執筆の依頼だということは把握したのですが、書いた文章が何処で公開されるのか、原稿料は頂けるのか、教えていただけませんか?」という旨の返信メールを送ってみる。すると、「文章は貴殿のブログ上で公開していただくカタチになります。原稿料は出ません」とのこと。……つまり、これは執筆の依頼という形式をとった、ボランティア参加の案内だったのである。

現在、私はフリーペーパーのコラムをひっそりと連載しているが(今年で四年目に突入します)、無料で配布されている媒体への寄稿にも関わらず、原稿料はしっかりと頂いている。この原稿料は、いわば執筆者である私と、仕事を依頼している企業の信頼関係の証である。それなのに、このメールを送られた方は、一方的にこちらに文章を書かせ、それを私のか細いながらもそれなりにアクセス数を稼いでいるブログに挙げさせておきながら、お金は払わないという。私はあえて声を大にして言いたい。ステマさせろ! 金欲しい! ただただ金が欲しい! プリーズギムミーマネー! プリーズギムミーマネー! ……と、そのようなことを思いながらも、こういう時流の話題に乗っかってみるのも少し面白いような気がしたので、そのアルモノについての記事を書いてみようと思う。

2017年4月25日から、NTTぷらら吉本興業が関西の主要放送局と連携したネット配信サービス「大阪チャンネル」の提供が開始されたらしい。「大阪チャンネル」は関西のエンターテインメント番組を中心に構成された映像配信サービスで、『ごぶごぶ』『松本家の休日』などといった関西で人気のバラエティ番組のアーカイブ、『よしもと新喜劇』『ジャルやるっ!』『にけつッ!!』などといった現在放送中の番組の見逃し配信、「なんばグランド花月公演」「ルミネtheよしもと お笑いライブ」のアーカイブなどが楽しめるとのこと。関西ローカルの番組はともかくとして、劇場公演のアーカイブ配信はちょっと惹かれるものがある。なお、サービスを受けるためには、月額480円を支払う必要があるらしい(ひかりTV契約者はテレビでも閲覧可能な別プラン有)。内容の充実ぶりを思えば、この価格設定は安いと言ってしまっていいだろう。ただ……有料コンテンツなんかい!!! 有料コンテンツの宣伝を無料でやらせようとしとったんかい! ステマ! 金! マネー! おい!

詳しい情報はこちらでご確認を。→大阪チャンネル

……まあ、正直なところ、「大阪チャンネル」というサービスを知ることとなったきっかけがちょっとアレだったというだけで、サービスそのものについてはそれほど悪い印象を受けない。ただ、どういった番組が配信されているのか、どういった公演が配信されているのか、やや内容に関して不透明なためにサービスを受けることを躊躇われる気持ちも否定できない。また、インターネットテレビ局の「AbemaTV」や、民放公式テレビポータル「TVer」などが既に存在していることを思うと、やはり有料を前提としたサービスはなかなか受け入れにくいものがあるのではないかという気がしないでもない。まあ、そのあたりのことは、私の専門外なので言及しかねるが。それよりも気になるのは、どうやら「M-1グランプリ」は配信されているようなのだが、「R-1ぐらんぷり」も配信されてる……よね……?

こちらからは以上です。