白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「KAJALLA #2 裸の王様」鑑賞における大阪旅行の記録(2017年4月7日~9日)

【4月7日(金)】

終業後、善通寺インターバスターミナルへと移動。観音寺発なんば行の高速バスが午後7時過ぎ(予定よりやや遅れる)に到着したので、これに乗り込む。道中は録音してあったラジオを聴きながら過ごす。聴いた番組は「東京ポッド許可局」「WE LOVE RADIO! ~山下達郎星野源のラジオ放談~」「古館伊知郎のオールナイトニッポンGOLD」など。しかし、数日前からやや風邪気味だったこともあってか、だんだんと気分が悪くなり始める。原因は空腹にあるのではないかと思い、途中のサービスエリアでサンドイッチを購入、食べてみるも体調は優れずず。

午後11時過ぎ、大阪駅に到着。御堂筋線の電車に乗って、予約したカプセルホテル「アムザ」があるなんば駅へと移動する(そのままバスに乗っていればなんばに行けたではないかと思われるだろうが、当初は梅田のカプセルホテルを予約する予定だったのである)。なんばには数分で到着。夜中とは思えぬ街の賑わいに、心なしか元気になったような気分になる。本来、このままカプセルホテルでチェックインを済ませるべきところだが、本日の体調を考慮するに、恐らく、カプセル内で横になってしまったら、そのまま眠ってしまうであろうことが予想されたので、ここは先に現地で何か食っておこうと思い(食べることしか考えていない)、ホテルの近場にある三田製麺所でつけめんを食べる。もう何度も食べている味だが、相変わらず美味い。

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食後、カプセルホテル「アムザ」へ移動。今回は事前にネット予約をしていたので、細かい手続きをせずにチェックインすることが出来た。荷物をロッカーに押し込み、館内着に着替える。「アムザ」の良いところは、私のように大柄な体型の人間向けの館内着をきちんと用意している点である(チェックイン時にカウンターへ申し出れば大きめの館内着を用意してくれる)。とても有り難い。着替えたら、財布を貴重品ボックスに預けて(暗証番号を入力するタイプのボックスがカウンター横に設置されている)、大浴場へと向かう。カプセル宿泊客用のロッカー(形状は棚に近い)に館内着を放り込み、まずは洗い場へ。垢と疲労感を洗い流しように、タオルで全身を強く擦る。それから湯船に向かう。「アムザ」には、大浴場の他にも、ジェットバス、サウナ風呂、露天風呂などの多種多様な風呂が設置されているので、どんなに客が入っていたとしても、それなりに余裕をもって入れることが出来る。広々とした湯船、それだけでとても嬉しい気持ちになれる。

入浴後、カプセルにて就寝。

 

【4月8日(土)】

午前8時起床。しかし、スマホを片手にカプセルの中でダラダラと過ごしているうちに、午前9時を過ぎる。このままでは午前10時のチェックアウト時間ギリギリまで居かねなかったので、強引に気持ちを切り替え、そそくさと出発の準備を始める。持参したT字カミソリで髭を剃り、館内着とタオルを回収用ボックスに放り込んで、ロッカーの前で服を着替え荷物をまとめる。一人旅ではお馴染みの行程なので、頭がぼんやりとしていても難なくこなすことが出来るようになった。

午前10時、ホテルを出る。空はどんより曇り空……どころか、ぽつぽつと雨が降っていたので、気持ちが萎える。そのままNGK近くにある金龍ラーメンへと向かい、朝食のラーメンを貪る。

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ただでさえ出来の良くないラーメンの味が、更に落ちていたような気がする。

この日は心斎橋のカプセルホテル「朝日プラザ心斎橋」を予約していたので(本当は「アムザ」に連泊するつもりだったのだが、予約しようとした時点で土曜の夜は満室になってしまっていた)、ホテルからほど近い場所にある心斎橋駅(御堂筋線)のコインロッカーにおおよその荷物を預ける。時刻は午前11時。朝食を取って間もないが、コインロッカーの近くにあったてんやで昼食。その日、特別価格の390円で振る舞われた天丼は、きちんと衣がサクサクッとしていて非常に美味しかった。地元にあったら、きっと通っていたに違いない。

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食後、表に出ると雨が上がっていたので、あちらこちらをブラブラと散策する。偶然通りがかったイシバシ楽器を冷やかそうと店内に入ると、なかなか良さそうなコンサート用ウクレレが安値で売られているのを見つけ、少しだけ購入を考える……が、予算の都合で断念。旅行をすると、こういう事態に遭遇することがあるから厄介だ。自宅の近所であれば、間違いなく購入していたのだが……。

その後も街中をウロウロしていると、雨の湿気と疲労感で汗がダラダラと流れ始めたので、これまた通りがかった「雪桜」というかき氷屋へ飛び込む。チョコレートを全体にブチ撒けたようなかき氷を注文、ふわふわとしたミルク100%の氷がとても美味しかった。食事中、店内の雰囲気に少しだけ違和感を覚えたのだが、後で調べてみたところ、どうやらここは韓国系のお店だったらしい。思わぬ文化交流である。

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午後2時、カプセルホテル「朝日プラザ心斎橋」でチェックイン。初めての場所だったため、ホテルに入る際に少しだけ緊張していたのだが、店員のフランクな笑顔についつい心を許してしまう。チェックインを済ませた後、館内着のサイズが気になったので、ロッカーへと向かい、中に入れられたそれを試着してみると、案の定入らない。恥ずかしながら大きめのサイズは無いのかと受付で訊ねてみたところ、浴衣を差し出される。大柄な体型の人間がこれを着たら、それはもう力士のコスプレではあるまいか……と思いながら装着してみるとピッタリと合った。見た目はどうあれ、合えば問題はない。ロッカーには、館内着の他にフェイスタオルが二枚とバスタオルが一枚備え付けられていた。館内の貼り紙によれば、これはあくまでレンタルタオルであって、新しいタオルが必要な場合は売店で購入しなくてはならないとのこと。宿泊費が千円近く違うがフェイスタオル取り放題な「アムザ」との明確な違いをはっきりと感じ取る。一応、カプセルにも入ってみる。布団はやや薄め。床の硬さを身体で感じられる。テレビは小さめ。画質は粗く、誰が映っているのかハッキリと確認できない。色々とグレートがダウンしている感は否めないが、却って味わいがあるといえなくもない。

ホテルを出て、四ツ橋線で梅田駅へと移動。到着してから何をしていたのかは、まったく記憶に残っていない。恐らく、梅田の街の巨大さに翻弄されて、心を奪われていたのだろう。途中、とあるサイトで紹介されていた、ヨドバシカメラの8階にある「ミートラッシュ」でステーキを食べる。見たところ、ジューシーな肉の旨味を感じられる料理だろうと想定していたのだが、予想していたよりも肉の主張が控え目で、やや肩透かし。

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食後、再び記憶を失う。

気が付くと、時刻は午後5時を過ぎていた。本来ならば、もう会場に向かっていなくてはならない頃合いである。しかし、この時点で私は何処に居るのかを完全に把握出来ない、迷子状態であった。これが噂に聞いた梅田ラビリンスか……! 慌ててスマホのナビ機能を立ち上げ、北と南、東と西の向きを勘違いしながら、なんとか会場であるサンケイホールブリーゼに到着したのは午後5時50分ごろのことだった。その後の様子に関しては前記事でまとめたので、そちらを参考にされたし。

午後6時開演。午後8時過ぎ閉演。

閉演後、兵庫県からやってきたイシダドウロ氏と、京都府からやってきたゴハ氏と落ち合い、三人で「フジヤマドラゴン 福島店」へ。さりげないタイミングでニクい相槌を打つイシダ氏、普段は物腰が柔らかいのにお笑いの話になると超早口で持論を展開するゴハ氏との楽しいようなそうでもないようなよくよく考えてみるとやっぱり楽しかったような時間を過ごす。主な話の内容は「後藤秀樹の現状」「関西女性芸人の枠を埋めるのは誰?」「関西に見切りをつけて上京する若手たち」「関西には売れない芸人を記録する演芸おじさんがいない」「神田松之丞はメチャクチャ面白い」「M-1グランプリの審査基準、キングオブコントの審査基準の変化」「コントを観るのに適した会場の大きさ」などなど。午後10時半ごろ、ゴハ氏の終電時刻に差し掛かったため、店を出る。……思えば、2時間の宴会の間に、話題がコロコロと変わり過ぎた気がする。もっと一つの話題に集中して掘り下げていくべきなのかもしれない。……そういった規制がないからこその居酒屋トークともいえるのだが。大阪駅で解散、それぞれ自分たちの棲み処へと戻る。

御堂筋線で心斎橋駅へ移動。コインロッカーから荷物を回収し、「朝日プラザ心斎橋」へ。ホテルのロッカーに荷物と衣服を預け、浴衣を装着し、フェイスタオルとバスタオルを持って大浴場へと向かう。大浴場の手前に鍵付きのロッカーが設置されていたので、そこへ浴衣と先程のロッカーのカギを放り込み、洗い場へと向かう。大浴場、サウナ、ジェットバス……施設としては及第点といったところだろうか。宿泊代を思えば妥当だが、個人的には「アムザ」の方が好きかもしれない。

風呂を出て、そのままカプセルに戻り、就寝。寝る前に喉が乾いたので、自販機でコーラを買って、一気に飲み干した。

 

【4月9日(日)】

午前9時半ごろ起床。チェックアウトの時刻を寝過ごしかねないほど眠り込んでいたことに驚く。

洗面台で髭を剃ろうと思うも、髭剃り用のクリームやアフターウォーターが備え付けられていなかったので諦める。午前10時にチェックアウト。荷物を抱えたまま、なんば方面へと移動する。……ここから先は、このブログでは書けないようなことをしっぽりとやっていたので省略する。どういうことをやっていたのかを知りたい方は、個人的に聞きに来ればいいと思う(話すかどうかは知らん)。

正午、御堂筋線で梅田へ移動。そのまま環状線で親類がやっている福島のラーメン屋へ向かう予定だったのだが、うっかり乗り換えとは反対方向の出口に出てしまう。どうしたものかと考えていたら、大丸梅田店の看板が目に留まる。この日、私は大丸ミュージアムで開催されている「追悼水木しげる ゲゲゲの人生展」を観に行く予定だったので、ならばこちらを先に済ませようと思い、大丸ミュージアムへと向かう。どのような内容だったのか言葉では説明のしようがないのだが、とにかく一度行ってみるといいと断言できるほどには優れた展覧会であった。水木翁のイラスト、写真、映像を堪能させていただいた。出口の物販コーナーでは、これまでに世に出た水木翁の著書やらなにやら、とにかく素晴らしいモノが大量に売り出されていたのだが、そのハクリキに押された私は公式図録のみを購入した。……美術館に行くたびに、なにかしらかの図録を購入している気がしないでもない(京都でサザエさん展を見たときも買ったような……)。

展示会場を出て、時刻を確認してみると、午後2時を過ぎていたので驚く。どれほど作品に見入っていたのだろうか。帰りの高速バスの発車時刻が午後3時なので、これでは福島に行く余裕がない。仕方がないので、今回は諦めることにして、「ルクア」10階にある「どうとんぼり神座 ルクア大阪店」で昼食を取る。チャーシューメンがとても美味しかった。

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食後は、ごく当たり前にお土産物を買い漁り、用便を済ませ、コンビニで飲み物を購入した。その姿、まさしく純然たる観光客そのものである。……そのもの、なのだが。

午後3時、なんば発観音寺着の高速バスが大阪駅を出発する。直後、うっかり待合用の席に、土曜日に購入したビニール傘を忘れていたことに気が付く。大した金額ではなかったし、それほど思い入れもないのだが……なにやら悪いことをしたような気分になる。最後の最後で、なにやらとても哀しい。道中は、つい先日放送されたばかりの「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら過ごした。スペシャルウィークに、オードリーとは犬猿の仲だという市野瀬瞳(中京テレビアナウンサー)がゲストとして登場すると知り、ニヤニヤが止まらない。梅沢富美男、ビビる大木ときて、市野瀬アナとは……楽しみで仕方がない。

午後7時、善通寺インターバスターミナルに到着。二日ぶりに再会した愛車に乗り込み、なんとなしに丸亀のTSUTAYAへと立ち寄ったところ、矢野顕子+TIN PANのライブアルバムが何故か20%オフという罰当たりな金額で売られていたので、これを購入する。この価値が分からないとは、もはや罪よのう。

午後8時半ごろ帰宅。お疲れさまでした。