白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「こそこそチャップリン」(2016年2月27日)

「高校生活」。1週勝ち抜き。特に思い出もなく高校時代が終わってしまったと嘆く加藤と、そこにズレた相槌を挟み込む森枝。前回の漫才があまりハマらなかったので少し不安を感じていたのだが、今回はちゃんと面白かった。見た目はおじさんでも、中身は本っ……当におじさん」みたいに中身のないボケばっかりやっているようで、ちゃんと合間にテクニカルなボケを挟み込んでいくバランス感の良さ。「サッカーとかバスケがやりたかった→サスケやれば良かったのにね!」はちょっと上手かったな。そこで散々ウケた後で、動き重視のボケに切り替える絶妙さも無視できない。収録四回目だったにも関わらず満点合格を成し遂げられたのは、この切り替えのおかげだろう。疲れている客は動きの大きいネタに弱い(※個人的なイメージです)

 

「BL」。久保田をモデルにしたボーイズラブ同人誌をコミケに出そうとしている内藤から、その内容を聞き出す。素っ頓狂で無感情な内藤に対し、久保田が感情強めにツッコミを入れるというスタイルは、往年のアンガールズを彷彿とさせる。洗練されていないようで妙にボキャブラリーが豊富なところや、ツッコミの後でじわっと笑いが起こるところなど、とても似ているように感じた。「人を馬のイチモツみたいに言うなよ!」は笑った。それだけの才気を放っているのに、肝心の同人誌が「久保田がタイムスリップして西郷隆盛ボーイズラブに発展する」というなかなかにキテる内容だったのも良かった。とはいえ、やはりそこはコアなテーマだったためか、点数は伸びず。でも、設定がもっと大衆に寄っていれば、すぐに世間にハマりそう。

 

【ふきだまりのコーナー】

相席スタート、ドドん、メイデン玉砕、サッチ、平野ノラ、ザ・ギース、オーストラリア、大福、なすなかにし、ゆにばーす、BBゴロー、スーパーニュウニュウが登場。「誰がC.C.ガールズよ!」とのたまって注目を集めた「平野ノラ」、オープニングから延々と鳥山明の格好をしていた「スーパーニュウニュウ」をクローズアップ。

 

  •  パーマ大佐22

「ものまねメドレー」。ちょっとマニアックな切り口のものまねを立て続けに。個人的に、こういうフォーマットがあやふやなスタイルの見せ方は、あまり好きではない。とはいえ「フシギバナのアニメの時とゲームの時の鳴き声の気持ち悪さの違い」には笑った。鳴き声そのものも似ていたが、その声を出しているときの顔が良い。ちょっと過剰で引きが強い感じ。なんとなくテツandトモの顔芸を思い出した。最後の「もしもコウメ太夫さんに人気YouTuber・ヒカキンさんの生き霊がのりうつったら」には普通に感心。……ヒカキンの元ネタは分からないが、ボイスパーカッションのクオリティの高さで一気に引き込まれた。こういう着眼点のネタがもうちょっと欲しかったかなあ。

 

「親戚の集まり」。2週勝ち抜き。親戚の集まりで幹事を務めることになった妹の美穂が、姉の江里子に相談する。彼女たちの良さが凝縮された漫才だ。AKB48フライングゲット』のメロディに乗せて「ババアをゲットさせないで、美穂さん」と繋げるバカバカしいツカミから、丁寧に「親戚の集まり」というババア臭いテーマを掲げた漫才に流れる展開が丁度良い。ゆるっとした雰囲気がちょっと昔のおぎやはぎの漫才を思い出させる。そして最後は、郷ひろみ『GOLDFINGER '99』の替え歌とともに全身を激しく動かすパフォーマンス。阿佐ヶ谷姉妹の良さを存分に引き出した漫才に思えたが、蓋を開けると惨憺たる結果に。ビリーズブートキャンプのあたりで少しグダッた印象があったので、それが原因かもしれない。……いや、しかし、それにしても。こちらは収録四回目が悪い方向に転がってしまったのだろうか。

 

次回の出場は、相席スタート(二度目の挑戦)、エレファントジョン(2週勝ち抜き)、ドドん、パーマ大佐(1週勝ち抜き)。