白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「こそこそチャップリン」(2016年1月16日)

「オリジナルゲーム」。「あっちむいてホイ」「おちゃらか」などの遊びによく似たオリジナルゲームで遊んでみる。じゃんけんで負けるたびに「こんなもんじゃない」と自らを鼓舞する「こんなもんじゃない」、じゃんけんするたびにミカンを手渡す「みかん剥いてホイ」など、一つ一つのゲームの適度にズレている感じも面白いが、その度に滲み出る中西のおっさん臭さが笑いに昇華されている点が実に興味深い。近年、華丸の人間性を反映した漫才で高く評価された、博多華丸・大吉を彷彿とさせる。もうちょっとネタをキャラクターに寄せていけば、ハネるかも。いや、華大の後を追うのは、ちょっと厳しいか……?

 

  • 平野ノラ【11】

「バブリー50音」。箱から50音を引いて、出た文字から始まる言葉で会場をバブリーに。一つ一つのワードは面白いし、ワードが出るまでの無駄に引っ張るくだりも面白かったのだが、ネタの本数が圧倒的に足りない。「ラン♪ランララランディ・バース♪」「光GENJIのテレカに穴あけたの誰よ!」など、ちゃんとウケていたところもあったので、もうちょっと畳み掛けることが出来ていれば、もう少し評価されていたのでは。あと、平野ノラのネタは、ワードに注目を集めさせるよりも、コントの流れでワードを引き出すスタイルの方が……ということは前にDVDレビューで書いたか。

 

【ふきだまりのコーナー】

相席スタート、アンバランス、勝又、小杉まりも、サッチ、シンボルタワー、大福、タイムマシーン3号、馬鹿よ貴方は、マツモトクラブ、ママスパパス、ラブレターズが登場。美人なのにはっちゃけたキャラクターから土田に「こいつクスリやってんな?」とイジられる「小杉まりも」、「横のタイムマシーン3号の方がよっぽど可愛いじゃない」と同じ事務所の土田から温かいフォローが入れられた「タイムマシーン3号」をクローズアップ。

 

「逆転漫才」。「いつもボケの後にツッコミを入れられるのが嫌だ」というツッコミ・野村の要望を受けて、ボケ・柴田はツッコミの後にそのツッコミの意味が分かるボケを披露させられることに。ツッコミが先に提示されているため、ボケの自由度が従来の漫才よりも高く、割と突飛なボケが受け入れられていたように思う。今後、更に自由でムチャクチャなボケが飛び出すようになるのでは。ただ、そういった自由度の高いボケを従来の形式の漫才で見せてもらいたいという気持ちが、このネタに対する評価を邪魔する。とりあえず、今はスタイルで評価されているところもあると思うので、これからの展開に期待を。

 

「椅子取りゲーム」。1週勝ち抜き。会社の飲み会の席で始まった椅子取りゲームだったが、なかなか椅子を取る合図の笛が鳴らない。今回は延々と鳴り響くオクラホマミキサーを軸に、なかなか笛を鳴らさないことに対するツッコミだけで成立させた前半パート、社長がバカな行動を取り始める後半パートで展開を作ったコント。個人的には、後半パートがあんまりハマらなかったのだが(普段は割と落ち着きのある宮澤が急にアグレッシブになるので少し引いてしまう)、観客にはちゃんとその面白さが理解できたようでなにより。

 

次回の出場は、小杉まりも、ジグザグジギー(2週勝ち抜き)、笑撃戦隊(1週勝ち抜き)、なすなかにし(1週勝ち抜き)。