白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「こそこそチャップリン」(2016年1月9日)

これまでの放送に関してはこちらを参照のこと。

 

「オークション」。三度目の出場。オークションで二億! 驚きと怒りの表情を強めに演じる池田の顔がやたらと面白いが、ネタもちゃんと作り込まれている。実はちゃんと練り上げたコントをやっているコンビなんだけど、そういうところがあんまり評価されていない気がしないでもない。少し硬過ぎるのか。人を示すアイテムとして「ピコのTシャツ」を選んでいるのも良い。絶妙なチョイスだと思う。

 

  • アンバランス【11】

「銀行強盗」。銀行強盗のコントをやりたいから銀行員をやってほしいと告げた相方が、銀行員になるまでのプロセスをちゃんと描きたいといってイチから演じようとする。設定は面白い。従来の漫才コントのシステムを面白く掘り下げている。黒川がちゃんと銀行員になるまでの間に起こり得る障害を、銀行強盗のコントがやりたい山本がはねのけて、スムーズに銀行員にしようと奮闘するという展開も見事。ただ、残念なことに、漫才師としてのポテンシャルが設定を殺してしまっていた。どうして、ここぞという場面で、芸歴24年の芸人が台詞を間違ってしまうのか! いや、失敗そのものはいいんだけど、それをちゃんと「失敗」としてフォローしていないから、しばらくはそういう漫才なのかと勘違いしてしまった。ああ、勿体無い……。

 

【ふきだまりのコーナー】

相席スタート、勝又、小杉まりも、サッチ、笑撃戦隊、大福、タイムマシーン3号なすなかにし、馬鹿よ貴方は、平野ノラ、マツモトクラブ、パパスママス、ラブレターズ、そして落選したばかりのアンバランスが登場。セーラー服を着て、目元を手で隠して、なんだか雑誌に載っている風俗嬢みたいになっていた「相席スタート」をクローズアップ。

 

  • シンボルタワー【03】

「ドラキュラ」。出会い頭で人とぶつかって、歯がたくさん折れてしまったドラキュラ。特殊な設定に対して、笑いどころが極端に少ない。また、その笑いどころも、「ドラキュラなのに……」というギャップで笑わせていることが殆どで、バリエーションが極端に少ない。ネタを大幅にカットした(された)のか、それともネタ選びに大失敗したのか。良くない意味で驚きのコントだった。

 

  • インポッシブル26

「失格シリーズ」。二週勝ち抜き。大黒摩季の名曲『熱くなれ』に合わせて、様々なスポーツ競技で失格する様を見せていく。一つ一つのボケはバカバカしくて下らないものだが、それらがボディーブローのようにじわりじわりと利いてきて、最後は大笑いへと繋がっていく様は圧巻の一言。ここも実は構成が上手い。前半は瞬発性のあるボケを重ねて、後半はちょっと捻りを加えたボケで笑わせていく。そして、最後の最後で「失格!」ではなく「審議!」からの「続行!」を出す絶妙さ。実に面白かった。三週勝ち抜きで春の特番への出演が決定!

 

次回の出場は、ジグザグジギー(1週勝ち抜き)、笑撃戦隊なすなかにし、平野ノラ。