白昼夢の視聴覚室

犬も食わない

『爆笑オンエアバトル』第1回チャンピオン大会・幻のファイナリストについて

どうも、すが家しのぶです。

聞くところによると、今年で『爆笑オンエアバトル』『オンバト+』の終了から十年が経過したことになるらしいです。これだけの年月が流れてしまった後では、昨今のお笑いブームの礎を築き上げた番組としての『爆笑オンエアバトル』の功績をご存じではないお笑いファンも増えてきたのではないでしょうか。……そもそも現状を“お笑いブーム”としてくくっていいのかどうかという問題がありますね。でも、ゼロ年代のお笑いブーム以前なんて、バラエティ番組で若手芸人の姿を目にする機会が本当に稀少でしたからね。その頃を思い返してみると、今はまだまだしっかりお笑いブームの真っ只中ですよ。……まあ、その辺の話は、今回はどうでもいいことなんですけれども。

さて、『爆笑オンエアバトル』といえば、忘れてはならないのがチャンピオン大会ですね。一年間の戦績が高評価だった芸人たちが集められ、年間チャンピオンの座を競い合う一大イベントであります。ある意味、M-1やKOCでいうところの予選が、一年を通して開催され続けているようなものだということを考えると、その重みはなかなかのものといえるのではないでしょうか(芸人や所属事務所によって出場回数が異なる点については議論が重ねられるべきところでもありましたが)。そんな素晴らしきチャンピオン大会の第一回大会が開催されたのは、1999年8月のことでありました。当時の出場者は以下の10組です。

アンジャッシュ
アンタッチャブル
OverDrive
号泣
底ぬけAIR-LINE
テツandトモ
DonDokoDon
バカリズム
北陽/s
ラーメンズ

なんとも魅力的なラインナップですね。ちなみに当時、底ぬけAIR-LINEはピコ太郎のプロデューサーとして知られる古坂大魔王のコンビで、北陽/sは現在の「北陽」で、バカリズム升野英知のソロプロジェクトではなくコンビとして活動していました。時の流れを感じずにはいられませんな。予選の結果、アンジャッシュDonDokoDonテツandトモの三組が決勝戦に進出、最終的にDonDokoDonが初代チャンピオンに選ばれました。

……ところで、皆さんは第1回チャンピオン大会の出場資格をご存じですか?

先にも書いたように、『爆笑オンエアバトル』のチャンピオン大会へと出場するためには、その一年間で高い成績を収める必要があります。このルールは第4回チャンピオン大会から「一年間にオンエアされたキロバトルのうち、高い方から順番に規定の合計数で競い合い、上位に入ることが出来た者」と明確に整備されるようになります。ですが、第1回チャンピオン大会に関しては、「オンエア回数が三回以上の10組」としかアナウンスされていません。正直、ちょっとガバいです。つまり、後々のルールであればチャンピオン大会への出場資格があったにも関わらず、この時には出場していなかった芸人がいた可能性があるわけです。

というわけで、今回の記事では『爆笑オンエアバトル』第1回チャンピオン大会に出場しようと思えば出場していたかもしれないけれど、出場していなかった芸人について調べてみました。……要するに、25年前のことを蒸し返すわけですね。ヒマにも程がありますな。「初回から第1回チャンピオン大会までの期間にネタが三回以上オンエアされた芸人」について調べてみると、次のような結果になりました。

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結果的に人間ドックのチェックリストみたいになっているボヤキ。

近日中に人間ドックを受けなくてはならない。それ自体は別に良い。アラフォーともなると、身体の各部位で異常が自然発生するようになるので、これからも健やかな人生を送るためにも定期的に検査すべきである。だから、検査そのものには、何の問題もない。ただ、面倒臭い。検査を受けるまでの準備が面倒臭い。健康調査票の記入が面倒臭い。定期的に飲んでいる酒の量を一合二合と日本酒で換算しなくてはならないのが面倒臭い。最後に大腸内視鏡検査を受けた時期を思い出すのが面倒臭い。当時の手帳を開いて、年数を計算するのが面倒くさい。過去にピロリ菌の検査を受けたかどうか思い出すのが面倒臭い。親族に重病人がいたかどうかを思い出すのも面倒臭い。結局、思い出すことが出来なくて、親に電話をして、確認することになるから面倒臭い。内視鏡検査の際に病気が発見された際の切除・生研を許可する同意書にサインを書くときの緊張感が面倒臭い。絶対にサインした方が良いのだけれど「サインしても大丈夫かな?」と心配になるから面倒臭い。検査前の一週間で検便を採取しなくてはならないのが面倒臭い。検査前の一週間で検便を二度も採取しなくてはならないのが面倒臭い。検便を採取するための水に溶けやすい専用の紙が弱くて、その上に便を落とすと、重みで水没してしまうところがまた面倒臭い。かといって和式トイレにかがんで用を足すのも面倒臭い。採取した便を保存する場所を確保するのも面倒臭い。冷蔵庫に保存するのが良いとされているが、他の食品と一緒にすると衛生面に支障をきたしそうなので、検査用キットを入れた袋の上から更にもう一枚重ねなくてはならないのが面倒臭い。検査の前日、午後九時以降は食事を取れないのが面倒臭い。ちょっと小腹が空いたからと、うっかりお菓子を口に放り込んでしまいかねないから面倒臭い。おかげで、何もしようがないから、とっとと布団に入って眠ろうとするも、変に緊張してなかなか寝付けないし、じわじわ腹が減ってくるしで面倒臭い。すべての準備を済ませた検査当日の朝、検尿を取ることを忘れてしまいそうなのが面倒臭い。いつものように便器に腰かけて用を足している最中に「あっ」となりそうなのが面倒臭い。検尿を採取するために使った容器の処分が面倒臭い。ゴミ袋に放り込む前に軽く洗浄したいけれど、トイレの手洗い場やキッチンでは洗えないので、こっそりお風呂場で洗わなくてはならないのが面倒臭い。とにもかくにも、面倒臭い。……まあ、受けるんだけどさ。

漫才もコントも出来る人たち。

どうも、すが家しのぶです。

突然ですが、漫才もコントも得意なお笑いコンビって恰好良いですよね。お笑いコンビというと、漫才をメインに活動する【漫才師】とコントをメインに活動する【コント師】のどちらかに方針が分かれてしまいがちですが、そのどちらも得意としている芸人さんは、なんだか「どんなスタイルにも捉われない。自分たちのスタイルは自分自身」と主張しているみたいで、とっても格好良いですよね。……格好良いですよね!(異論は認めない)

というわけで、今回の記事では、漫才の賞レース(『M-1グランプリ』『THE MANZAI』)とコントの賞レース(『キングオブコント』)、その両方の大会で決勝進出の経験を持つコンビについて、まとめてみることにしました。賞レースでの評価が絶対だとは言い切れませんが、観客や関係者から一定の支持を集めていなければ決勝進出を決めることは出来ません。あくまでも「一つの基準として」ではありますが、漫才とコントの両方を得意とするコンビの判断材料として使わせていただくことをお許しください。ただデータをまとめるのが好きなだけではありませんからね。本当に。

とはいえ、ただデータをダラーッと並べるだけだと面白みに欠けるので、漫才とコントのどちらが先に評価されたのか、その順序で区分してみようと思います。まずは、漫才の賞レースで評価されてから、コントの賞レースで評価されたコンビから、見ていきましょう。(以下、数値は初の決勝進出年)

【漫才→コント】
サンドウィッチマン(「M-1」07→「KOC」09)
モンスターエンジン(「M-1」08→「KOC」09)
銀シャリ(「M-1」10→「KOC」12)
アルコ&ピース(「THE MANZAI」11→「KOC」13)
タイムマシーン3号(「M-1」05→「KOC」16)
マヂカルラブリー(「M-1」17→「KOC」18)
ニューヨーク(「M-1」19→「KOC」20)

なかなか渋いメンツですね。『M-1グランプリ』(2001年~)と『キングオブコント』(2008年~)とでは開催時期に隔たりが生じてしまっていることと、『M-1』には出場資格として活動期間の制限があるのに対して『KOC』には制限がないことが、少なからず影響しているような気がします。タイムマシーン3号に関しては、なんか数字がバグッてるように見えますね。漫才師としてあまりにも早熟だった、ということなのでしょうけれども。ていうか、今となっては、『キングオブコント』にサンドウィッチマンが出場していたという事実だけで、ちょっとご飯が三杯ぐらいいけちゃいそうです。そうなんですよねえ、出てたんですよねえ。

【コント→漫才】
天竺鼠(「KOC」08→「THE MANZAI」13)
ジャルジャル(「KOC」09→「M-1」10)
ピース(「KOC」10→「M-1」10)
さらば青春の光(「KOC」12→「M-1」16)
アキナ(「KOC」14→「THE MANZAI」14)
かまいたち(「KOC」16→「M-1」17)
ロングコートダディ(「KOC」20→「M-1」21)
男性ブランコ(「KOC」21→「M-1」22)

続いては、コントで評価されてから、漫才でも評価されるようになった人たちです。ただ、ピースとアキナに関しては、同じ年に開催された大会で決勝進出を果たしているので、どちらの芸も同時に評価されたということがいえるのかもしれません。いよいよもって恰好良いですね。

この中では、初期のM-1でファイナリストに選ばれていたジャルジャルが、あまりにも圧倒的な存在感を放っているように思えます。当時は決勝進出していたとはいえ、漫才もコントもあまり評価されていなかったんですよね。それが最終的には、『M-1』で決勝3位、『KOC』で優勝まで上り詰めているのですから、たまりません。たまに芸人さんの方から「賞レースで評価されるということは、その評価基準に合わせることを強要されているだけなので、出ません」みたいな声を聞くことがありますけれど、ジャルジャルの歴史を思うと、「君らはジャルジャルほどの努力を重ねた上で言っているのか?」とか底意地の悪いことを言いたくなりますね。もっとも出るも出ないも個人の自由なんですけれども。

……と、ここで記事を終わらせても良いのですが、せっかくなので漫才・コントの各賞レースのファイナリストたちが、もう一方の賞レースにおいて惜しくも準決勝敗退となってしまったパターンについてもデータをまとめてみました。まあ、お暇なときにでも、チラッと読んでいただければ幸いです(数値は準決勝進出の年)。

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『M-1グランプリ』敗者復活戦に関する余談。

復活後の『M-1グランプリ』では、敗者復活戦の結果が下位のコンビほど決勝進出するパターンが多いような記憶があったので、ちょっと調べてみた。

・2015年大会
18位:囲碁将棋
19位:アインシュタイン
20位:ニッポンの社長

・2016年大会
16位:Aマッソ
17位:ゆにばーす(2017年初決勝進出)
18位:霜降り明星(2018年初決勝進出・優勝)

・2017年大会
18位:東京ホテイソン(2020年初決勝進出)
19位:Aマッソ
20位:ランジャタイ(2021年初決勝進出)

・2018年大会
14位:ウエストランド(2020年初決勝進出・2022年優勝)
15位:ニッポンの社長
16位:マユリカ(2023年初決勝進出)

・2019年大会
14位:マヂカルラブリー(2017年決勝進出済・2020年優勝)
15位:ロングコートダディ(2021年初決勝進出)
16位:囲碁将棋

・2020年大会
13位:キュウ(2020年初決勝進出)
14位:カベポスター(2020年初決勝進出)
15位:ランジャタイ(既出)

・2021年大会
14位:ダイタク
15位:カベポスター(既出)
16位:キュウ(既出)

・2022年大会
15位:THIS IS パン
16位:ママタルト
17位:ストレッチーズ

結論。そうでもなかった。ただ、敗者復活戦で下位だったコンビから、優勝者が三組も出てきているという事実は、割と興味深い傾向といえるだろう(ちなみに、2016年大会の15位は錦鯉)。何かのマンガで「人間の能力値を上位・中位・下位に区分した場合、上位に食い込んでくる人間が現れるのは、中位から……ではなく下位から」という話を読んだ記憶がある。もしかすると、ここにもその傾向が表れているのかもしれない。

なお、2023年大会からは、敗者復活戦のシステムが大きく変更され、順位をつけられないようになってしまったため、今後の検証は出来なくなってしまった。だが、もしも同じシステムを採用し続けていたら、まだまだ面白いデータを拾い上げられることが出来たのかもしれない。ちょっと残念である。

その後のM-1チャンピオンと賞レースの話。

今年のM-1グランプリに昨年王者の令和ロマンが出場するらしい。

M-1歴代王者が優勝後に再び出場している前例がないわけではない。過去には、03年優勝のフットボールアワー、08年優勝のNON STYLE、09年優勝のパンクブーブー、以上の三組が優勝後に再びM-1の舞台へと戻ってきている。とはいえ、フットボールアワーの参戦は優勝から三年後の2006年大会でのことだったし、優勝の翌年に出場しているNON STYLEパンクブーブーはどちらも敗者復活戦を勝ち上がってからの決勝進出だったため、もしも令和ロマンが今大会においてストレートで決勝進出を果たした場合、その時点で史上初の快挙といえるだろう。ちなみに、歴代王者のうち、今現在もM-1への出場資格を持っているのは、2012年結成の錦鯉と2013年結成の霜降り明星のみ。今回の令和ロマン参戦を受けて、彼らが動き出すことをちょっとだけ期待しているのは、きっと私だけではないだろう。

なお、NON STYLEパンクブーブーは、M-1の後継的な位置づけにある賞レース『THE MANZAI』にも出場。パンクブーブーは2011年に優勝、NON STYLEは2012年・2013年に決勝進出を果たしている。大衆性の高い技巧的な漫才を得意とする彼らの出場に対して、当時のお笑いファンが大いに怒っていた記憶がある。自分の推している芸人が世に出られるきっかけを奪われるかもしれないのだから、そりゃ怒るよなあ。『THE MANZAI』に限った話でいえば、2012年大会に01年優勝の中川家、10年優勝の笑い飯も出場。中川家は敗者復活戦、笑い飯は決勝戦へと進出している。決勝当日、テレビを見ながら、「あの中川家が敗者復活戦行きなの!?」と驚いたものだ。まあ、きっと、想像でしかないけれど、ふざけたことをやったんだろうなあ。

漫才以外の賞レースに目を向けると、07年優勝のサンドウィッチマンが『キングオブコント2009』に出場して準優勝、20年優勝のマヂカルラブリーが『キングオブコント2021』に出場して決勝9位という成績を収めている。この他、『キングオブコント2009』にNON STYLE、『キングオブコント2021』に霜降り明星が出場、準決勝敗退に終わっている。2021年大会のマヂカルラブリー霜降り明星のコントバトルは大きな話題になったよなあ。また参加してくれないかなあ。あと、ここ数年ほど、15年優勝のトレンディエンジェルが出場し続けているのだが、いつも準々決勝で敗退している。どんなネタをやっているのだろう。

R-1グランプリ』においては、2007年大会と2012年大会で徳井義実チュートリアル)、2015年大会でNON STYLE石田、2018年大会・2019年大会で粗品霜降り明星)が決勝進出を果たしている。粗品に関しては2019年大会で優勝。また、2012年大会から2014年大会にかけて笑い飯哲夫、2018年大会で銀シャリ鰻、2024年大会でウエストランド井口が準決勝敗退となっている。R-1は割と出場のハードルが低く見積もられているのか、けっこうM-1王者もフランクに参加している。もっとも、コンビでの芸とピンでの芸で、少なからず方向性が変わることも関係しているのだろう。

それにしても、優勝コンビが他の賞レースに出場すると「大会としての権威が薄まる!」みたいなことを言い出す人があっちこっちで噴出していた前期M-1の頃に比べて、今はすっかり落ち着いたものである(一部で物議を醸している、とはいえ)。若手芸人が賞レース以外にも世の中に出ていく方法を選べるようになったことが大きいのだろう。どんどん時代は移り変わっていく。どんどん記録が塗り替えられていく。令和ロマンの出場を受けて、今年のM-1でどんなうねりが生じてしまうのか、今から楽しみだなあ。

すが家しのぶ収集物目録(2007年)

1/17 KENTARO KOBAYASHI LIVE「POTSUNEN」&KENTARO KOBAYASHI LIVE「POTSUNEN2006「○ ~maru~」
1/17 千原兄弟コントライブ「15弱」
1/24 アンジャッシュ「ネタベスト」
1/24 間寛平中川家「原宿寄席2006」
1/31 2006年下半期 漫才「爆笑問題のツーショット」
2/28 陣内智則「NETAJIN 2」
3/2 「THE JAPANESE TRADITION ~日本の形~」
3/7 FUJIWARA
3/21 東京ダイナマイト「漫才 ふたり旅」
4/11 「全日本コール選手権2 with ピエール瀧
4/18 「弩スピードワゴン
4/25 海砂利水魚 単独LIVE「アントニオ」
4/25 海砂利水魚 単独LIVE「ジャイアント」
4/25 爆笑問題×東大「東大の教養」
4/27 大人計画フェスティバル ~今日は珍しく!昨日より珍しく!~DVD-BOX」
4/27 エレキコミック第14回発表会「THIS IS CONTE」
5/10 小松政夫×イッセー尾形のびーめん生活
5/30 島田紳助松本竜介紳竜の研究」
5/30 2丁拳銃百式2006」
6/10 イッセー尾形 一人芝居 草月ホール 2005
6/21 笑魂シリーズ 超新塾「ロックンロール劇場」
6/21 笑魂シリーズ 360°モンキーズ「マニア向け」
6/21 笑魂シリーズ 我が家「3LDK」
7/18 つかじの無我~12人の証言者~究極版 第1巻」
7/19 笑魂シリーズ ザブングル「逆ギレ」
7/19 笑魂シリーズ にしおかすみこ「あたしだよ!!」
7/19 笑魂シリーズ クールポコ「THE 男」
7/25 Piper「SPOOKY HOUSE」
7/27 ラバーガールソロライブ「ブラッシュバック・スピノーネイタリアーノ」
7/27 エレキコミック第15回発表会「better XX」
7/27 2007 上半期 漫才「爆笑問題のツーショット」
8/3 「エンタの味方!THE DVD ネタバトル Vol.1 ハマカーンvs流れ星vsキャン×キャン
8/10 イッセー尾形 一人芝居 蔵出し2005~2006」
8/17 つかじの無我~12人の証言者~究極版 第2巻」
8/17 U-1グランプリ CASE01「取調室」
8/22 前田健まえけん☆ランド」
9/19 パペットマペットライブact.1「擬態」
9/19 ザッツ・エンタテインメント スーパースター林家木久扇 爆笑編」
9/19 つかじの無我~12人の証言者~ 究極版 第3巻」
9/21 第五回 東京03単独ライブ「傘買って雨上がる」
9/21 ライブミランカ「さまぁ~ずトークライブ~三村もいるよ!」
10/17 東京ダイナマイト「D-Generation X」
10/17 つかじの無我 ~12人の証言者~ 究極版 第4巻」
10/17 人間風車 2003年版」
10/24 立川談志×太田光「笑う超人」
10/24 「YOSHIMOTO PRESENTS LIVE STAND 07 DVD-BOX」
10/24 「フキコシ・ソロ・アクト・ライブラリー吹越満「XVⅢ」
10/24 ライブミランカ「アンタッチャブルトークライブ「~っていうか、断わりゃよかった。」
10/31 「なつかしの昭和爆笑漫才~天国の笑星(スター)~」
10/31 とろサーモン「ご指名・ご購入ありがとうございま~す!~感謝してます編~」
11/7 「エンタの味方!THE DVD ネタバトル Vol.2 ハマカーンvs流れ星vsキャン×キャン
11/21 バカリズムライブ「宇宙時代 特大号」
11/21 ライブミランカ「おぎやはぎトークライブ「~おぎとやはぎでおぎやはぎです。別に、やはぎおぎでもいいんですけど」
11/21 Piper「ひーはー」
11/21 林家彦いち 喋り倒し「野田知佑 夢枕獏ユーコンを下る」
12/5 bananaman live Spicy Flower
12/5 「チュートリアリズムⅢ」
12/5 「弩スピードワゴン vol.2」
12/19 さまぁ~ずライブ6
12/21 ライブミランカ「よゐこトークライブ「よゐこの大事なこと、全部決めます」
12/21 ライブミランカ「バナナマントークライブ「日村勇紀のおたのしみ会~設楽も出席します」

どうも、すが家です。

2007年はショートネタブームの黎明期です。『発掘!!あるある大辞典Ⅱ』の打ち切り後に放送された特別番組『爆笑レッドカーペット』が話題となり、翌年の2008年にレギュラー放送が開始されました。また、クセの強い芸人たちのパフォーマンスとクセの強いスタッフの編集が重ね掛けされた映像に、レフト藤井とライト東野がツッコミを入れる『あらびき団』の放送が始まったのもこの年でした。結果として、個性豊かな若手芸人たちが、一気に世の中に放出された年だったといえるでしょう。

なお、賞レースにおいては、『R-1ぐらんぷり』ではなだぎ武、『M-1グランプリ』ではサンドウィッチマンが優勝を果たした年となります。このサンドの優勝がきっかけとなって、翌年から賞レースにおける吉本へのバッシングが強まっていった印象があります。なにせ、当時の賞レースにおいて、吉本興業所属の芸人は異常なほどに強かったので……。

お笑い芸人の映像ソフトを中心に取り扱っているレーベル・コンテンツリーグが発足された翌年ということもあって、同レーベルによる作品が多いですね。アンジャッシュラバーガール東京03ピン芸人になったばかりのバカリズム……この年、キングオブコメディの単独ライブがソフト化される予定だったんですよねえ……懐かしいなあ。安価で手に入りやすいDVDシリーズ“笑魂(short contents)”の第一弾がリリースされたのも、この年ですね。顔ぶれを見ると、否が応でも隔世の感を覚えざるを得ません。360°モンキーズザブングルは解散したし、超新塾はメンバーチェンジしたし、にしおかすみこはSM嬢の格好をしなくなったし……そう考えると、あの芸風のまま変わらないクールポコは実に偉大ですね。皆で崇めましょう。

あと、目立つところというと、エレキコミックでしょうか。この年から、ポニーキャニオンから発表会(彼らは単独ライブをそのように呼んでいるのです)が定期的にソフト化されるようになりました。実際、かなり高いクオリティのコントが演じられていて、大変に面白いのですが、2017年にリリースされたDVD-BOXを最後に音沙汰がありません。寂しい話です。それから、忘れてはならないのが、マギー(ジョビジョバ)と福田雄一によるコントユニット“U-1グランプリ”のDVDですね。まだあまり世に知られていなかった佐藤二朗平成ノブシコブシの姿が収められており、今となってはちょっと貴重な作品のような気もします。ていうか、単純にコントの精度が高いので、興味のある方は是非お買い求めを。

そして、地味にお笑いDVDの歴史の中でも、ちょっと忘れられてしまいがちな『エンタの味方!』シリーズと『ライブミランカ』シリーズが発売を開始したのも、この2007年だったんですねえ。

『エンタの味方!』はTBSで放送されていた深夜バラエティ番組で、実際の番組内容については分からないのですが(Wikipediaによると、三組の若手芸人たちが様々なプレゼンをする……というベタな内容だったらしい)、DVDにはスタジオでの初々しい掛け合いと漫才が収録されていて、とても楽しい作品になっておりました。またメンツが良かったんだよなあ。ハマカーン、流れ星、キャン×キャン……ちょうど上がつっかえていて、なかなか世に出づらい状態にあった若手が集められている感が絶妙でした。

『ライブミランカ』シリーズは、映像配信ポータルサイトミランカ」で配信されたトークライブの模様を収録したもので、こちらはとにかくメンツが強い!第一弾にさまぁ~ず、第二弾にアンタッチャブル、第三弾におぎやはぎ、第四弾によゐこバナナマンですよ。強すぎる……ていうか、これ冷静に考えてみると、ほぼほぼJUNKのメンバーだな。個人的には、アンタッチャブルの回がとんでもなく面白かった記憶があるんですよね。たまに「久しぶりに見ようかな?」と思うこともあるんですけど、なんとなくそのままにしてしまっています。今になって、改めて見ると思い出が壊れてしまいそうな気がするから……それぐらい良い記憶なんですよねえ。

この他にも、吉本興業による大型ライブイベント『LIVE STAND』だとか、小林賢太郎によるソロプロジェクト『POSTUNEN』だとか、太田光立川談志を編集した『笑う超人』だとか、思い返してみると2007年は色々な動きのある年でしたね。ここから2010年にかけて、ゼロ年代のお笑いブームは再び燃え上がっていきます。

ラジオリスナーとしての分別について

例え話をする。

私は『あいみょんオールナイトニッポンGOLD』のリスナーだが、シンガーソングライターとしてのあいみょんにはさほど興味が無い。彼女の書く楽曲の中には好きなものもあるにはあるが、その多くには興味が感じられない(あくまでも現時点においての話である。将来的に心変わりする可能性も否めない)。ただ、ラジオパーソナリティとしてのあいみょんは好きだ。かなり好きだ。「やっほー!」とリスナーに対して気軽に挨拶を交わせる温度で繰り広げられる自然体のトークは、子どものころに感じたやわらかい使い古しの毛布のように心地良い。

対して、私はかつて放送されていた『CreepyNutsのオールナイトニッポン』が、やや苦手だった。トークやコーナーが面白かったので、毎週のように聴いてはいたのだが、意識的に悪童として振る舞う二人の掛け合いが滲ませる軽率で悪辣なトーンに、辟易とさせられることも少なくなかった。「このままだと、いずれ取り返しのつかない発言をしてしまう日が来てしまうのではないか?」と勝手に心配してしまうこともあった。なので、番組の終了が告知されたときは、無念さとともにある種の安心感を覚えたものである。ただ、彼らの生み出す楽曲は好きだ。たまらなく好きだ。自分の人生を振り返るとき、頭の中で自然に流れるBGMのように、心を揺さぶられてきた楽曲をいくつも思い出すことが出来る。

何が言いたいのか。

好きなラジオ番組のパーソナリティの活動について、リスナーは全てを肯定的に受け入れる必要性はない、という話だ。何事にも相性はある。好きなラジオ番組のパーソナリティのアーティストとしての活動が肌に合わないこともあれば、素晴らしい楽曲を生み出すアーティストのラジオ番組での発言が受け入れられないこともある。すべてを無理に肯定して飲み込もうとはせずに、それぞれの活動をそれぞれの表現として、まったく別のものとして考えるべきなのである。

というわけで、『ハライチのターン!』『オードリーのオールナイトニッポン』『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』のリスナーだからといって、『オドオド×ハラハラ』の終了について彼らに同情的なスタンスを取りつつ、終了の責任をフジテレビにのみ背負わせるのは、あんまりよろしくな(以下自粛)

テレビに比べてラジオは、どうしてもリスナーはパーソナリティと距離が近いような錯覚を起こしてしまいがちなので、そこんところは意識して気を付けて生きていきましょうね、という話。

2024年7月のリリース予定

03「NEW YORK LIVE 2021-2023 (DVD-BOX)(3枚組)
10「CHOCOLATE PLANET LIVE TOUR 2023 「PLANET TRAIN」
10「シソンヌライブ[douze]

いつもお世話になっております。すが家です。

気が付けば一年も半年が経過したわけですが、皆さんはどのような半年間をお過ごしになられましたか。意義のある半年間でしたか。後悔のない半年間でしたか。私はと申しますと、十年来の知り合いに失言をブッかましてしまい、お詫びのつもりで送ったメッセージで火に油を注いでしまい、何をどうすればいいのかが分からなくなってしまって、音信不通となっている状況であります。どうしたもんだろうかと思いながら、ふと速水健朗氏のポッドキャストを聴いていたら、ゲスト出演していた箕輪厚介氏が「カルチャー系界隈ってなんで厄介なんですかね」という話をされていて、なにやら自分が言われているような心持ちになってしまいました。気持ちは反省しておりますが、改善される気はしません。困ったもんです。

それはさておき7月のラインナップですが、かなりコント色の強いメンツとなっております。まずはニューヨーク。2021年から2023年までの間に開催された単独ライブ「Natural」「LastMessage」「虫の息」の模様を収録したDVD-BOXとなります。ニューヨークのライブ映像がソフト化されるのは、2016年にリリースされたベスト盤『THE NEW YORK~Love&Peace~ ベスト・オブ・ニューヨーク』以来、およそ8年ぶり。今回の発売はどういうきっかけによるものなのでしょうかね。チョコレートプラネットは2023年に開催された単独ライブツアー、シソンヌは同じく2023年に下北沢の本多劇場で開催された単独ライブをそれぞれ収録。どちらもおよそ一年ぶりのリリースとなります。チョコプラは定番化の流れが始まっていますね。『新しいカギ』も好評で、脂が載りまくってます。シソンヌは単独をソフト化するようになって今年で9年目。安定の評価を見せております。有り難い。

明けて8月は『ゲームセンターCX』のイベント映像がソフト化される予定ですね。あ、あと、忘れちゃならないのが、東京03の単独ライブ映像をまとめた予約限定ボックス!7月31日まで予約受付中なので、興味のある方はお気を付けを。