白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

『読む余熱』vol.6配信のお知らせ

いつもお世話になっております。すが家です。

来たる11月3日に、私も参加している『読む余熱』の最新号が配信されます。前号からおよそ九か月ぶりの配信となります。正直、前号の配信以後、編集の方からこれといった連絡も頂いていなかったので「ああ、休刊になってしまったのかな」と思い込んでいたのですが、ところがどっこい生きていました。一本くらい電話くれよなぁ!

今回は「キングオブコント2022」特集ということで、決勝戦で披露されたコントの感想文を寄せています。それ以外のことは何も書いていません。それなのに合計文字数が一万六千字というけっこうなボリュームになってしまい、「なんだか凄いことになっちゃったぞ」と一人で静かに盛り上がっていたのですが、蓋を開けてみると、“架空芸人ファクトリー”ことけうけげんさんが二万字の原稿を書き上げていて、呆気に取られてしまいました。なんだコイツ~!

その他、レギュラーの一角である飲用てれびさんと児島気奈さん、圧倒的な情報量で地引網のように読者を引き込むかんそうさん、今年八月に漫画家として単行本を発売した“ごめたん”こと五明拓弥グランジ)さんが参加しています。出場する側の目線から見た「キングオブコント」の漫画、読者として普通に気になるな……。

正直、ここ最近は「すが家の文章はつまらない」と言われることがちょこちょこあったため、自信喪失したりしなかったりを繰り返していたのですが、無事に今回も依頼を受けることになりました。依頼があるということは需要があるということですからね。サイレントマジョリティを考慮に入れて、需要があると決定させてもらいます。好意的な読者とは仲良くしたほうがいい。

なんだか、ところどころにミームを混ぜ込んだ記事になってしまいましたが、気にしないでください。とにかく今号もよろしくお願いします!

「M-1グランプリ2022」三回戦(大阪・京都)結果記録

・10月24日(大阪)

【合格組】
華山(準々決勝)
からし蓮根(準決勝)
軍艦(準々決勝)
キングブルブリン(三回戦)※追加合格
豪快キャプテン(三回戦)
さや香(準決勝)
タイムキーパー(準々決勝)
ダブルアート(三回戦)
ダブルヒガシ(準々決勝)
チェリー大作戦(準々決勝)
ツートライブ(準々決勝)
天才ピアニスト(三回戦)
どんちっち(二回戦)
ビスケットブラザーズ(準々決勝)
見取り図(準決勝)
マルセイユ(準々決勝)
令和喜多みな実(準々決勝)
ロングコートダディ(決勝4位)

【主な不合格組】
シカゴ実業、ドーナツ・ピーナツ、なにわスワンキーズネイビーズアフロ、丸亀じゃんご、爛々

 

・10月25日(大阪)

【合格組】
カベポスター(準決勝)
コウテイ(コロナ感染のため出場辞退)
滝音(準決勝)
たくろう(三回戦)
タチマチ(準々決勝)
生ファラオ(二回戦)
紅しょうが(三回戦)
ヘンダーソン(準決勝)
マユリカ(準決勝)
隣人(準々決勝)

【主な不合格組】
アキナ、イチオク、ジュリエッタ土佐兄弟フースーヤ

 

・10月26日(京都)

【合格組】
鬼としみちゃむ(三回戦)
祇園(準々決勝)
金属バット(準決勝)
黒帯(準々決勝)
三遊間(準々決勝)
セルライトスパ(準々決勝)
デルマパンゲ(準々決勝)
にぼしいわし(準々決勝)
ハイツ友の会(準々決勝)
バッテリィズ(三回戦)
骨付きバナナ(二回戦敗退)※追加合格
モンスターエンジン(準々決勝)
吉田たち(準々決勝)

【不合格組】
風穴あけるズ、ガーベラガーデン、パーティーパーティー、マイスイートメモリーズ、武者武者、ももラニーノーズ

昨年のファイナリスト・ももの敗退もさることながら、決勝進出経験もあるアキナの敗退もなかなかに衝撃。三回戦での敗退は初めてのことらしい。その他、昨年大会の予選で披露した『中華コレクション』のネタが話題になったフースーヤ、アマチュアながら過去に六度の単独ライブを開催しているガーベラガーデン、関西期待のトリオ漫才師・なにわスワンキーズ、アキナのかつてのユニット・ソーセージ時代のメンバーが所属するジュリエッタYouTubeに公開した動画の大炎上が記憶に新しい土佐兄弟などが敗退している。フースーヤは去年の勢いのまま勝ち上がっていくのではないかと思われていただけに、ここでの敗退は残念。

追記。11月1日に発表された追加合格組を加えました。

2022年11月のリリース予定

02「NON STYLE LIVE 2021 あっというま (2枚組)
16「吉住第5回単独公演 「咲かないリンドウ」
23「バカリズムライブ「信用」
23「バイきんぐ単独ライブ「キャバレー」

どうも、すが家しのぶです。年末の賞レース戦線に向けて『読む余熱』が復活するということで(別に休止と銘打ってたわけではない)、原稿作業に追われています。来月には『キングオブコント2022』について書いた号が配信されると思うので、よろしくお願いいたします。私以外にも、飲用てれびさんとか、児島気奈さんとか、書かれているので、買って損はないと思いますよ。個人的にはフツーに五明さんの漫画が楽しみ。

それはさておき来月のリリース予定ですが、充実してますね。バカリズムとバイきんぐの単独ライブはもはや定番化していますが、吉住もリリースが定着するようになりましたね。ベスト盤、第4回単独に続いて、今回で三作品目のリリースとなります。『キングオブコント2022』決勝進出を果たした、岡野陽一とのユニット“最高の人間”としてのコントも、どこかのタイミングでパッケージしてほしいところです。

そんな中、数少ない漫才勢として頑張っているNON STYLEは、ずっと強いですね。M-1優勝前からDVDをリリースし続けて、それが途切れない。以前、人から「石田さんは本当はDVDを出したがっていない」という話を聞いたことがあるんですが、それでも止められないほどの需要を持っているってことなんだろうなって解釈しています。或いは心境に変化があったのか。本人にしか分からないところですけれど。ともあれファンには有り難いことです。

さて、十二月のリリース予定ですが、こちらはこちらで凄い面々が名を連ねてますね。さまぁ~ず、さらば青春の光、Aマッソ、キュウ……更なる追加情報もあるかもしれないので、注意しながら参りましょう。今年ももう終盤戦だ!

「キングオブコント2022」初見直後の感想

どうも、すが家しのぶです。

今大会の感想も例のアレに書くことになりそうなので、こちらには初見時の感想を書き残しておきたいと思います。これからネタを何度か鑑賞していくうちに、感想もところどころ変わっていくことになるでしょうから、その辺を考慮した上でお読みいただけますと幸いです。……下手すると、こちらの方が大会直後の余熱が残っていて、感想としては面白いってこともあるかもしれません。うむむー。

 

・クロコップ

誰もが知っている「あっちむいてホイ」のルールに遊戯王カード的なゲーム性を付け加えたエンターテイメント性の高さに、プレイヤーのバカさが加わった、勢い重視のバカコント。エンドレスで流れ続ける曲と二人のやり取りが乗っかるリズム感に、はんにゃや2700あたりの系譜を感じた。終盤、ヘリコプターから下がる縄梯子に掴まって、ライバル役が退場する演出も最高。教室内でのやり取りから一気に視野が広がる爽快感。トップバッターに相応しいコントだったなー。

 

ネルソンズ

和田まんじゅうの表現力の高さに改めて驚かされた。どう考えても理不尽な状況に追い詰められているのに、ツッコミのチョイスもトーンも妙に冷静さのギャップ。加えて、見た目とキャラが合っていない。このズレの面白さ。そんな和田のことを振り回す二人のキャラクターも絶妙。完全に非常識なバカなんだけれど、現実的でないとは言い切れない丁度良さ。しかし、驚くべきは、そんな二対一の構図の面白さを、揺らぐことなく最後まで高いテンションのまま維持させる台本の強固さ。こんな序盤の出番じゃなければ、もっと高く評価されていたのでは。

 

かが屋

前半で二人の複雑な関係性をスムーズに明らかにする表現力と台本力は流石。説明的になりすぎない、でも、言葉足らずにはならない、バランスの取れたパフォーマンス。ただ、この丁寧な下地作りに対して、二人がお互いの求めるものが合致していることに気付いてしまう展開が、やや早い。アクション映画を観に来て、ド派手なアクションの始まりを予感させる展開なのに、サクッと敵のボスみたいなのと殴り合って、平和的なエンディングが始まっちゃったような感覚。要するに肩透かし。これだけの前提を持ってくるなら、もっと遊んでほしかった。

 

・いぬ

ジムのトレーナーと生徒が、お互いに淫靡な夢を見て、それが事故的に現実化してしまうコント。展開だけを見ると、陳腐なアダルトビデオのようだが、淫靡の表現がキス以上の展開にならないため、ただただエンドレスにキスが繰り返される様のバカバカしさがたまらない。ドラマが起こるわけでもなく、意外な展開を迎えるわけでもなく、ただただ多様な体勢でキス・キス・キス。このクドさの面白さ!あんまり下らなくて見ているときに頭がからっぽになってしまったので、ここはもう一回ちゃんと見ないとダメだなー。

 

ロングコートダディ

兎の帽子が落ちた瞬間に「優勝じゃん!」と思った。あまりにもツカミが渋い。渋すぎる。「番組のセットに料理人の帽子がぶつかって落ちてしまう」というボケに堂前が向き合っている間に、兎の愚鈍ぶりがじわりじわりと広がっていく構成の上手さ。こういう「ボケの失敗をツッコミが正そうとするたびに、ボケがそれを乗り越えてくる」仕組みは漫才で採用されがちな手法なんだけれど、その意味では、このコントは非常に漫才的だったといえるのかもしれない。ネタを降りた後も、二人がコントのままだったのも良かったなあ。個人的には一位。

 

・や団

三人のうち二人が残った一人にドッキリを仕掛けようとしたところ、その残り一人の思わぬ真実が明らかになってしまう……という構図自体は割とベーシック。ただ、その残り一人のキャラクターの解像度があまりにも高くて、そこから滲み出る狂気の説得力に惹きつけられる。どういう人生を送っていれば、こんな卓越した台本が書けるのか。とはいえ、それだけだと、観客に引かれてしまう……かもしれないところを、非ツッコミ役でドッキリの当事者である一人が、とんでもない状況に陥っているにも関わらずドッキリを継続させようとする、こちらはこちらでまた別ベクトルの異常者であることで、絶妙にバランスが保たれているので、ちゃんと笑いに昇華されている。かなり良いネタだったのだけれど、オチがベタに落ち着いてしまったことがちょっと残念。これほどまでに狂気に振り切れたネタなんだから、最後もちょっとムチャクチャにしてほしかった。

 

・コットン

設定の時点で「これは抜けたかもしれない」と思った。実在しない職業をリアルに描いたコントは、テーマの切り口が面白ければ、あとはどれだけ解像度を上げられるかどうかという点が重要になる。そしてコットンは、ボケとツッコミの爆発的な面白さという意味では弱いイメージがあったけれど、一方で、丁寧なネタ作りをするコンビとして記憶していたので、この設定ならばイケるのではないかと感じていた。で、実際に突き抜けてしまった。ただ架空の業者を描くだけではなく、そこへ更に恋愛に関する底意地の悪い視点が入り混じって、チョコプラの創作性とニューヨークの偏見が合致したような、キメラ的とんでもなさ。おまけに「いきなり彼女がやってくることになった!」というドラマチックな展開も加わって……いやー、凄かった。

 

ビスケットブラザーズ

こち亀』のキャラクターを彷彿とさせる強烈なビジュアルに違わぬ不条理ボケの連打。会話は通用しているのに、そのビジュアルについての自覚はまったくない。ボケとツッコミが明確に切り分けられた、正統派のコント。ドラマ性を帯びたコントが多い中だと、こういうコントはなかなか評価されるのが難しいのではないか?と思っていたのだが、最初から最後まで笑いが途切れることなく、圧巻のクオリティ。こういうベーシックなコントは、感想を書くのがちょっと難しいな。後でもう一回見ないと。ただ、後半になって、ツッコミ役がボケ役のキャラクターに寄せる展開は、こういうコントの構成としてはちょっとありがちで、個人的にはイマイチだった。

 

ニッポンの社長

マンガ的な設定と似たようなシチュエーションが何度も繰り返される構成は、モンスターエンジンの名作『Mr.メタリック』を彷彿とさせる。しかし、その流れが少しずつ逸脱し、気づけばケツがショックを受ける顔を見せたいだけの状態に。ストーリーを軸に展開するのではなく、ケツの顔の面白さに特化するという、一般的には評価されにくい方向へと敢えて突き進む姿勢は嫌いじゃない。それだけケツのビジュアルに対する信頼があるということなのだろう。事実、ネルソンズ和田まんじゅうロングコートダディの兎、ビスケットブラザーズの原田を経て、それでもケツの顔は確かに面白かった。今後、ストーリーとケツの顔を両立させるか、もっとケツの顔を見せる仕掛けを単純化させていくか、考えるところだろう。暗転については割とどうでもいい。演出による効果の問題なので、コントの内容次第である。ただ、両刃ではあるだろう。

 

・最高の人間

設定の不気味さは確かに巨匠のコントなのだけれど、そこから更に一歩踏み込んだ展開は鬼ヶ島のそれを思わせる。いずれにしても、人力舎のダークサイドなコントの流れを、きちんと系譜している感があって良い。映像や音楽を駆使して不気味さを演出しているホラー映画から、それらの要素を引っこ抜いた上で、コント的に誇張された演技が加えられることによって、恐怖と笑いを引っ繰り返している。主人公のような立ち振る舞いの吉住の見た目が地味で、明らかにこういったドラマの主役には力不足なのも絶妙なんだよなあ。逆にいえば、ホラー映画がどれほどバランス感を大事に作られているか、ということでもある。もし、このコントをちゃんとホラー映画として映像化したら、『ゲット・アウト』みたいな作品になるんじゃないかしらんね。見てみたいな、それ。

 

・や団(二本目)

設定の渋さがたまらない。一本目ほどの狂気はないけれど、日常的な風景の中でこれが行われているというバカバカしさが楽しい。隠していた設定を明らかにするタイミングも絶妙。ただ、優勝するネタかというと、ちょっと弱かった気も。

 

・コットン

こちらも設定が渋い。お見合いの緊張感を破壊するアイテムがタバコ。しかも、それから女性のキャラクターを掘り下げるのではなく、徹底してタバコのボケに特化するという展開に。ただ、一本目のコントの出来が頭に残っていたので、もっと多様なボケを期待してしまったところがある。一本目が良過ぎた。後でもう一回、ちゃんと見る。

 

ビスケットブラザーズ

強烈なキャラクターが登場するという意味では一本目と同様なんだけれど、それがコントだからこそ許されている「明らかに男なんだけれど、女装しているので女性ということになっている」という不文律を軽快に超えてくる内容で、なんだかとんでもなかった。例えるならば、一本目のコントは『おそ松くん』で、二本目のコントは『天才バカボン』といったところ。この大胆不敵な掟破り!これだけハチャメチャだから、終盤、その行動の意図が明らかになる展開にも、「理由を付けて、コントの狂気から逃げたな」というよりも「あ、意外とちゃんとした根拠のある人だったのか」と感じられるんだよな。むしろ、この終盤の展開があったことで、追加点が入ったんじゃないかとすら。いやー、面白かった。圧倒的だった。

 

こちらからは以上です。例のアレに出す感想、何も思い浮かばなかったら、これをそのままコピペするかもしれません。そうはならないように頑張ります!では。

 

追記(2022.10.16)

例のアレの情報が出ました。

懐に余裕がありましたら、お買い求めくださいませ。

ボックスについて本気出して考えてほしい。

先日、コント犬のDVD-BOXを購入した。

コント犬とは、空気階段の水川かたまり、男性ブランコの平井まさあき、サンシャインの坂田光、やさしいズのタイ、そいつどいつの松本竹馬の五人によるコントユニットである。DVD-BOXには、彼らの公演映像を収めたDVD四枚が収納されている。コントユニットによる映像作品そのものは過去にも例があるが、同時に四枚ものソフトがリリースされることはかなり珍しく、その内容にも期待が持たれる。これから本編を観るのが楽しみでならない。

それはそれとして、このDVD-BOXにはちょっと引っ掛かっていることがある。ボックスの形状がどうにも実用性に欠けるのである。

通常、DVD-BOXといえば、疑似的な本棚を思わせる紙の容器にDVDケースが差し込まれた、いわゆる“函”の形状であることが多い。蓋を開閉することなく、そのまま容易にDVDケースを取り出すことが出来るためだろう。

無論、例外もある。例えば、ラーメンズのDVD-BOXは、蓋と身が完全に分離した“被せ箱”の形状をしている。かなりしっかりしたつくりになっていて、頻繁に視聴するのには不便だが、DVDを大切に保存したい人には向いている。

いずれにしても、DVD-BOXの形状は基本的に、実用性か保存性を優先したつくりになっていると考えてもらっていいだろう。

そして、肝心のコント犬のDVD-BOXなのだが、これがありとあらゆる箱の中で最もシンプルな“キャラメル箱”なのである。キャラメル箱とは、文字通りキャラメルを入れるために作られた箱で、左右の小さなフラップを内側へと折りこんで、最後に真ん中の大きなフラップで蓋をする形状となっている(この説明で理解できないという人は「キャラメル箱」で検索してください)。

で、このキャラメル箱という形状なのだが、かなりDVD-BOXには不向きなつくりになっている。というのも、開閉の度に真ん中のフラップの隙間へ指を差し込む必要があるため、その部分に折り目や凹みが発生しやすいからだ。しかも、開けようとすると、真ん中のフラップが左右のフラップに引っ掛かってしまって、どちらかに破損が生じる可能性も高い。これが単なるティッシュ箱であれば気にもならないが、一万円前後の高価なボックスであることを考えると、あまりにもお粗末なつくりになっていると言わざるを得ない。

しかし、それ以上に私が引っ掛かっているのは、このキャラメル箱の中に特典としてTシャツが封入されている点である。キャラメル箱の外ではない。キャラメル箱の中に封入されているのである。つまり、この特典であるTシャツを取り出した後に、キャラメル箱の中にはTシャツが収められていた分だけの空間が発生するのである。まったく有り得ない。本来ならば、このような事態は事前に想定されるもので、だからこそ基本的に、こういった特典は厚紙などを応用してボックスの外に別途貼り付けられるようになっている。なのに、どうしてこのようなことになってしまっているのか。

おそらく、このボックスは単なる梱包として見られているのだろう。ユーザーの手元に届いたら、もう後は単なる箱として処分するだけ。そのように想定しているのだ。そうでなければ、安っぽいキャラメル箱を採用し、その中に特典のTシャツも一緒にまとめてしまうことなどするわけがない。だが、それはあまりにも、ファンの心理というものを分かっていない。どんなに安っぽい箱であろうと、取り出すのに不便であろうと、中身に空間が出来ていて歪であっても、それを取っておきたいと考えるのがファンというものである(人によるところもあるだろうが)。まして、コントという演出脚本によって丁寧にパッケージされたパフォーマンスにこだわりのある面々による初の映像作品が、こんな雑な仕様になってしまったことは、本当に残念でならない。

……ていうか、同じレーベルからDVDを出しているジャルジャル友近NON STYLE佐久間一行は、ちゃんと従来の函形状のDVD-BOXを出していたのに、どうして今回に限って、こんな雑な仕様にしちゃったんだろうなあ……いや、マジで残念……。

2022年10月のリリース予定

12「ななまがり単独ライブ「ななまつり二〇二二」
12「ビスケットブラザーズ単独ライブ「町のクチビル代理店」
19「JARUJARU TOWER 2021 DVD-BOX ジャルジャルのてじゃら&ジャルジャルのとじゃら
19「サンチョー」(出演:ジャルジャル
26「ロッチ単独ライブ「すってんこロッチ」

どうも、すが家しのぶです。

いつの間にやら九月も終盤になってしまいましたね。のんべんだらりと生きていますと、このようにあっという間に時間が過ぎてしまうものなのかと驚かされてしまいます。まるで路傍の石のような人生。まあ、そんな風に生きていますと、時たま「このままでいいのだろうか」「こんなことでいいのだろうか」と苦悩することもあるのですが、それでも苦悩する振りをするばかりで、実質的には何もしていないのと同等なわけであります。下手の考え休むに似たり。それでも考えないよりはきっとマシなのでしょうけれど。

そんなことはどうでもいいのであります。先月末にも申し上げたように、来たる十月のラインナップ、なかなかに大変なことになっております。ここまでコントにまみれた一ヶ月が果たして過去にあったでしょうか。いや、ありません。いや、あったかもしれません。でも、特に調べません。各自で調べてください。面倒臭いじゃないですか。

注目は、ななまがりは今年の四月に開催したイベントの模様を収録したDVD-BOX『ななまつり』。二日間のうちに行われた四公演、全ての公演内容がそれぞれまったくの別モンという、とんでもない公演が収録されております。怪物ではなかろうか。初回限定盤には、ゲストを招いたコーナーの模様を収録するとのこと。和牛とななまがりの組み合わせ、ちょっと想像できません。

もう一作、気になるのはジャルジャル主演の映画作品『サンチョー』。登場人物全員をジャルジャルが演じた青春群像劇だそうで、マジメにやっているのかフザケているのか、こちらもなんとも想像ができません。監督はジャルジャルの単独ライブで構成を務めている倉本美津留。事前情報によると、同時発売されるライブDVDとリンクした内容になっているそうなので、先にライブ映像の方を見た方が良いのかもしれません。

この充実のラインナップでお送りする十月、なんともかんとも大変です。でも、十一月になれば、一息つけることでしょう……え? 吉住? NON STYLEバカリズム? バイきんぐ? いやいや、ちょっと多すぎやしませんかね。

「キングオブコント2022」決勝進出者発表!

いぬ(初)
かが屋
クロコップ(初)
コットン(初)
最高の人間(初)
ニッポンの社長
ネルソンズ
ビスケットブラザーズ
や団(初)
ロングコートダディ

いつもお世話になっております。すが家しのぶです。

今回の結果ですが、ちょっと驚きましたね。よもや昨年のファイナリストの大半が敗退してしまうとは。その中で唯一、連続で決勝進出を果たしたのが、昨年二位のザ・マミィでもなく、昨年トップバッターでありながら高い評価を受けた蛙亭でもなく、ニッポンの社長というところがまた渋い。とはいえ、彼らも今回で三度目の決勝進出。ここらでひとつ、大きな結果を残したいところではあります。

ニッポンの社長以外の決勝進出経験者は全て返り咲きとなります。2020年大会以来の決勝進出となるロングコートダディは、昨年のM-1で決勝進出を果たしている実力者。更なる才能の爆発に期待が寄せられます。かが屋ネルソンズビスケットブラザーズは2019年大会以来の決勝進出。いずれも当時、厳しい評価を受けて予選敗退を経験しています。今年はリベンジを目指す。

残る五組は初の決勝進出。注目は、吉住と岡野陽一によるユニット・最高の人間……と、言いたいところですが、オンバトフリークとしては、どうしてもや団に期待してしまいますね。バイきんぐ、だーりんず、ロビンフットなどのファイナリストたちを輩出してきたSMAからやってきた新たなる刺客は、コントに心血を注ぎ込んできたトリオであります。幾度の準決勝敗退を経験し、ようやくたどり着いた優勝への切符。なんとかモノにしてもらいたい!

ひとまず、こちらからは以上です。

2022年9月のリリース予定

0928「第三回かが屋単独ライブ「瀬戸内海のカロ貝屋」

どうも、すが家しのぶです。皆さんはすが家ですか?

夏の暑さも落ち着きを取り戻し、ほんのりと秋ならではの涼しい風が吹き始めている今日この頃ですが、皆さんは如何お過ごしでしょうか。別に教えていただかなくともけっこうです。興味がないので。こちらはというと、別にご報告するようなことが何ひとつございません。そういう時期もあります。年がら年中、イベントにまみれていると、疲れてしまうってもんです。

そんなこんなで九月になるわけですが、気になる作品はかが屋の単独ライブを収録した作品ぐらいのもんです。実際のところ、『ゲームセンターCX たまゲー スペシャル』だとか、『ドキュメンタル シーズン8』『ドキュメンタル シーズン9』だとか、『有吉の壁 Break Artist Live '21 BUDOKAN』『有吉の壁 カベデミー賞 THE MOVIE』だとか、テレビ関係の作品はけっこう出るのですが、芸人の単独作品はこれだけのようです。しかもHMV限定。ちょっと寂しいですね。とはいえ、かが屋にとってはこれが初の単独ライブDVDになるので、ここは少し期待もしてみたいところではあります。副音声コメンタリーもあるようなので、気になる人はローソンへ駆け込もう。

まあ、ぶっちゃけ九月はどっちでもいいんですよ、どっちでも。問題は十月ですよ。ちょっと数が多いので予告しておきますけどね、まずはビスケットブラザーズによる初の単独ライブDVD『ビスケットブラザーズ単独ライブ「町のクチビル代理店」』、次にななまがりによるこれまた初の単独ライブDVD『ななまがり単独ライブ「ななまつり二〇二二」』、それからジャルジャルのDVD-BOX『JARUJARU TOWER 2021 DVD-BOX ジャルジャルのてじゃら&ジャルジャルのとじゃら (初回限定版)』に謎のコントシネマ作品『サンチョー』……なんだこの物量!これは財布が爆発しそうですね。今のうちに貯金しておきましょう。