令和時代のお笑い公論

心が腐る、その前に。

「M-1グランプリ2019」準々決勝敗退者・オススメの五組(11月19日東京予選)

菅家です。毎年のアレです(以下、過去のアレ)。

ここ最近、公私ともに慌ただしい日々を過ごしているため、悠長に文章を書き連ねられるような余裕がないため、細かい説明は抜きにして、とっとと本題に入ろうと思います。今年のM-1グランプリで惜しくも準々決勝で敗退してしまった漫才師たちの中から、個人的に面白いと感じさせられたコンビを選出しております。私が好きな漫才師を皆さんも気に入るとは思いませんが、興味がありましたらば。

以下、今年のアレ。

三四郎

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マセキ芸能社所属。小宮浩信(左)と相田周二(右)によって2005年に結成。スクールJCA13期生。今やタレントとして確たる地位を築き上げている三四郎だが、こと漫才師としてのイメージはあまり定着していないように思う。少なくとも、彼らが売れっ子となる前のガムシャラにハチャメチャな漫才を知る人は、それほど多くはないだろう。事実、ここ数年の三四郎は、少なくともM-1予選においては保守的な漫才を演じていた。ところが今年は違った。売れっ子になった三四郎は、更にアヴァンギャルドでサディスティックな地平へと辿り着いた。否、辿り着いてしまった。その倫理性の低さが故に今年は準々決勝敗退という憂き目を見てしまったように思うが、とはいえ、その姿勢は称賛に値する。これが令和の三四郎だ。三回戦「ちっちゃいおじさん」準々決勝「開頭手術」

モグライダー

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マセキ芸能社所属。ともしげ(左)と柴大輔(右)によって2009年に結成。芝は東京NSC9期生、ともしげはスクールJCA13期生。シンプルに愚鈍なともしげとキツい見た目とは裏腹に優しさが滲み出ている芝の悪ふざけのような漫才は、ある意味では正統派といえるだろう。ただ、ともしげはそれにしてもあまりにも愚鈍で、芝はそんなともしげの愚鈍さを心から楽しんでいる。相方の魅力をこれでもかと引き出している。そこで描かれているのは奇妙な共犯関係の匂い。とはいえ、ただムチャクチャにやっているわけでもない。漫才コントのディティールは意外と繊細に描き込まれている。才気も技術も愛嬌も備わっている。本来、もっとベラボーに売れなくてはならないコンビだろう。三回戦「マイケルじゃんけん」準々決勝「介護の心得」

【ストレッチーズ】

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太田プロダクション所属。福島敏貴(左)と高木貫太(右)によって2012年に結成。慶応義塾大学お笑い道場“O-keis”出身。漫才には“定番の設定”が幾つか存在する。それだけ演じやすいシチュエーションなのだろう。だが、定番と呼ばれるほどに多くの漫才師たちによって演じられているということは、それだけの数の対抗馬が存在するということとだ。余程、突出して面白い様を見せていないと、あっという間に視聴者の記憶の屑籠の奥へと押し込まれてしまう。今回の予選でストレッチーズが披露したネタもまた、ありがちな設定である。だが、彼らの漫才に登場する人々は、誰もが僅かにズレている。本来、その場で求められている人材とは、僅かにズレている人が登場する。このズレが、また絶妙だ。フィクションと呼べるほど非現実的ではなく、とはいえ、ノンフィクションと呼べるほどに現実的ではない。その絶妙な合間を上手く通り抜けている。とりわけ準々決勝で披露していた漫才は笑った。「不良生徒を注意する教師」というありがちな設定に「教師が実は教育実習生」というありがちなボケを経て、怒涛の勢いで繰り広げられる「教育実習生」漫才。派手ではないが、面白い。三回戦「お客様の中に」準々決勝「不良生徒を説教する」

【ダイヤモンド】

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吉本興業所属。野澤輸出(左)と小野竜輔(右)によって2017年に結成。野澤は「エレ―ン」、小野は「アルドルフ」「セクシーパクチー」というコンビでそれぞれ活動していた。ダイヤモンドの漫才は、まず野澤の話から始まる。その内容は率直に言ってヘンテコだ。例えば、色々な言葉に“半”を付けてみたり、“スポーツ”を付けてみたり、何の話をしているのかがよく分からない。面白いといえば面白いし、つまらないといえばつまらない。どちらかといえばつまらない寄りの内容である。だが、その明らかに異様な話に対して、相方の小野はまったくツッコミを入れようとしない。何の感情も込めていない目で野澤をただ見つめるばかりだ。だが、野澤の話が一通り終わると、それまでの不可思議な話が全てフリとなって、次々に笑いへと昇華されていく。個人的に、私は構成を意識した漫才はあまり好きではないのだが、彼らのネタは反射的に「好きだ」と思ってしまった。恐らく、私は前半の敢えて捨てている野澤の話のパートの持つシュールな雰囲気が、それはそれで好きなのだろう。M-1で勝てる漫才ではないのかもしれないが、良い。三回戦「半」準々決勝「スポーツ」

 

【ドンデコルテ】

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吉本興業所属。小橋川共作(左)と渡辺博基(右)によって2019年に結成。小橋川は「デビルポメラニアン」、渡辺は「マンキンタン」というコンビでそれぞれ活動していた。ネガティブな感情と良心による暴走がぶつかり合ったブラックマヨネーズ、ありきたりな事物への異常な執着が平凡な優しさに襲い掛かるチュートリアルの例を見ずとも、M-1グランプリという大会において、ある種の熱狂は高い評価を獲得することがある。その意味では、ドンデコルテは今後の飛躍に期待を持てるコンビといえるのかもしれない。小橋の平々凡々とした話に対し、渡辺が強烈な持論を展開、自らの世界へと小橋も観客も飲み込んでしまう姿は圧巻だ。三回戦の時点ではまだ偏執的価値観の域を出なかったが、準々決勝では完全にその世界観を剥き出しにしてしまっている。ただ、あまりにもよく出来たネタなだけに、これっきりなのではないかという不安も残る。来年、更なる飛躍を見せるか、それとも静かに姿を消してしまうか。それまで絶対に名前を憶えておきたいコンビの一組である。三回戦「原付」準々決勝「ディフェンス」

以下、準々決勝戦(大阪予選)の出場者。お気に入りは★マーク。

ゆったり感「老人に席を譲る」
リニア「握手会しようよ」
ぺこぱ【通過】
★カラタチ「アイドルオタクとアニメオタク」
ドッチモドッチ「そういう娘」
わらふぢなるお「相方・口笛なるおのこと」
赤もみじ「牛肉」
東京ホテイソン【通過】
変ホ長調「小田さんの悩み」
三四郎「開頭手術」
井下好井「大おかずの仕返し」
しんぼる「家電のシナリオ」
ダニエルズ「宝くじ」
ラフレクラン「情報番組」
リンダカラー「相方の怒った声フェチ」
スリムクラブ「自宅への訪問者」
★ななまがり「ななまがりの新メンバー」
ヤーレンズ自転車屋
納言「街コン」
ミキ【通過】
★鬼越トマホーク「真実だけの漫才」
ザ・パーフェクト「卒業式で振り返る思い出」
★令和ロマン「年越しパーティに来る大御所」
★ダイヤモンド「スポーツ」
ラランド【通過】
ロングロング「お前の話を例えるならば」
すゑひろがりず【通過】
ういろうプリン「パンケーキの国からやってきた」
EXIT「映画デート」
マヂカルラブリー【通過】
シシガシラ「将来ハゲるか分かるチェック項目」
馬鹿よ貴方は「居酒屋」
インポッシブル「デカい昆虫とシャドーボクシング
くらげ【通過】
錦鯉【通過】
インディアンス【通過】
じぐざぐ「友達を我が家でおもてなし」
アイロンヘッド「ガンマンのコイントス
ナミダバシ「お金返して!」
四千頭身【通過】
宮下草薙宮下草薙のグッズ」
真空ジェシカ「ペーパードライバー講習」
THIS IS パン「アイドルのオーディション」
ニューヨーク【通過】
大自然「ウミガメの産卵を見るツアーガイド」
ウエストランド「シェアハウス」
笑撃戦隊「子どもからお年寄りまで楽しめる漫才」
ダンビラムーチョ「スポーツのクイズを出題する魔界の王」
★ストレッチーズ「教育実習生が不良生徒を注意する」
囲碁将棋【通過】
モグライダー「介護の心得」
ランジャタイ「TMラーメン」
天竺鼠【通過】
TEAM BANANA「新しいルール」
★ドンデコルテ「ディフェンス」
アイデンティティ野沢雅子をやめたのに」
侍スライス「死ぬ前にサムギョプサル食べたい」
シンクロニシティ「整形外科」
サンシャイン「フグの毒を見つけた人」
トム・ブラウン【通過】
オズワルド【通過】
ダイタク【通過】
カミナリ【通過】
ゆにばーす「結婚式のスピーチ」