白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

盆の記録。

八月十日(土)。午前十時起床。『シソンヌライブ[モノクロ]』を観に行くために、正午に家を出発し、高知市内へと向かう。よさこい祭りの真っ最中ということで渋滞を危惧していたが、さして時間を掛けることなく高知市内へ突入。以前から姉が行きたがっていた蔦屋書店へ偵察に向かう。店内は雑貨屋や飲食店がひしめき合っていて、書店というよりも小型のショッピングモールといった印象を受ける。無論、書店コーナーも存在。『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』(塙宣之)と『噺のまくら 』(三遊亭圓生)を購入する。続けて高知市文化プラザかるぽーとへ向う。施設の地下駐車場は料金が高いので、近場の適当な有料駐車場を探してみるも、なかなか見つからず。ここでよさこい祭りの弊害が。あちらこちらを動き回った結果、かるぽーとの真横にある駐車場が奇跡的に空いていたので、そこに車を停める。運が良い。時刻は午後三時。まだ時間に余裕があったので、かるぽーとの施設内を散策する。ミュージアムショップで『独走癌 第一巻』(タイケヒデミ)を購入。高知を中心に活動されている漫画家の本らしい。吾妻ひでおからの影響を多分に感じる。午後四時、『シソンヌライブ[モノクロ]高知公演』を鑑賞。衣装もセットもない舞台で繰り広げられるシンプルなコントが披露される一時間のライブを堪能する。終演後、物販でシソンヌ関係のDVDを購入した観客を対象とした撮影会が行われたが、参加せず。彼らのDVDは全て持っているからだ。そういう人でも撮影会に参加できるような要素が欲しい。そのままひろめ市場へ徒歩で移動、唐揚げと土佐巻きを購入する。途中、よさこい踊りの集団をそっと横切る。とんでもない人数のチームが同じ振り付けで踊っていて、そういった類いのものにまるで興味のない私でも少しだけ心が動かされた。踊ろうとは思わないが。車へ戻る途中、製麺処 蔵木で夕食。この店の牛モツつけ麺は裏切らない。帰宅後、夜中にNHK総合で『大悟道』という番組が放送されていたので見る。千鳥の大悟が手掛けるドイヒーな舞台をノブのツッコミとともに鑑賞する謎番組。こういうバカな番組を放送してくれる局をぶっ壊してはいけない。深夜一時、『オードリーのオールナイトニッポン』を聴きながら就寝。

八月十一日(日曜日・山の日)。午前八時起床。この日は休日出勤である。遠方からやってくる技術者に現場で使用している機械のチェックをしてもらう。休日に会社へ出てくるのは面倒だが、それでも、通常業務をこなさなくてはならないわけではないので気楽ではある。午前十時出勤。昼過ぎには終わるだろうと想定していたのだが、なんだかんだで作業を切り上げたのは午後四時を過ぎたころ。うっすらと蓄積されたストレスを発散するため、近くのアダルトショップへ赴くも、これといった作品とは巡り合えず。良きエロスとの出会いは常にプライスレスである。帰宅して『モヤモヤさまぁ~ず2』を見ながら夕食。新人アナのたまに出るギャル感が今後の波乱を思わせる。どうなってしまうのだろうか。夜中、『ゲームセンターCX 15th感謝祭 有野の生挑戦 リベンジ七番勝負』特典ディスクを鑑賞。実際の放送ではなくソフトで番組を追っている身としては、有野とスタッフのノリについていけなくなってしまう瞬間が何度か。午前一時ごろ就寝。

八月十二日(月曜日・振替休日)。午前九時半起床。以前に私が住んでいた部屋を新たに物置にするため、家族総出で片付けに乗り出す。乗り出す……といいながら、実は昨年からずっと片付けを続けているのだが、これがなかなか片付かない。なにせ荷物が多かったのである。しかし本日、ようやっと全てを片付けられた。自分にとっての宿題を一つ終えたような心持ちである。午後三時に家を出て、綾川イオンへ。午後四時十分上映の『天気の子』を鑑賞する。『ほしのこえ』『言の葉の庭』『君の名は。』で知られる新海誠監督の最新作。とても面白かったのだが、あの澄み切った世界観に濁りを加えるあの小道具は無くても良かったのではないか、という気がしないでもない。無論、私個人の好みの問題である。夕飯に徳島ラーメン麺王でにんにくラーメン。

八月十三日(火曜日)。午前六時起床。両親とゴルフ場へ。大人の嗜みとして数ヶ月前からゴルフを始めたのだが、これが大変に疲れる。ゴルフといえば中年層向けのスポーツというイメージを抱いていたのだが、とんでもない。平穏無事にフェアウェイに留まっている球の元へ歩み寄るだけで息が切れる。芝生に囲まれた場は距離感を狂わせ、しかも勾配が強い。脳天へと突き刺さる日差しから隠れる術はない。このような地獄の如き娯楽を進んで楽しもうなどという人間は、この世の全ての楽しみを味わい尽くした数寄者に違いない。そうでないのなら純然たるマゾヒストだ。帰りにいきなりステーキへ立ち寄り、600グラムの肉を食らう。肉は良い。ただ食べているだけなのに、自らの生命力へ課金しているような感覚を覚える。

八月十四日(水曜日)。午前七時起床。再び休日出勤。午前中に作業を済ませ、午後からネットカフェに入り浸る。『ゴールデンカムイ』『古見さんは、コミュ症です。』の最新刊、おっぱいと特撮ヒーロー愛にまみれた『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい 』、おっぱいと謎妖怪とバトルにまみれた『妖怪番長』などを読む。他にも読んだような気もするが、おっぱいしか記憶にない。どれほど気取っていても身体は正直である。夕暮れ時、店内に雨音が響くようになってきたので、暗くなる前に店を出る(台風が近付いていたのである)。『爆笑問題カーボーイ』を聴きながら帰宅。太田が真面目に井口への忠告を述べていて、芸人としての太田光の確かさを噛み締める。帰宅してオードリーの武道館DVDの特典を見る。武道館イベントの前に行われた、全国ツアーの模様を収録。オードリーのトークに実際の映像が重なる編集が秀逸。一つ欲をいえば、ゲスト出演していた芸人たちのパフォーマンスも収録してもらいたかった!(バカリズムTHE GEESEに関してはソフト化されているコントだったが) 深夜、『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』をリアルタイムで聴く。今、最も聴くべきラジオ番組はコレであると確信している。全てのテレビっ子、お笑い好き、サブカルエンタメバカたちは絶対に聴くべきである。

八月十五日(木曜日)。絶対に何もしないと心に決めた日。実際、何もしなかったので、記録するようなことはない。強いて書き記すとすれば、amazonのプライムビデオで『メイドインアビス』を観始めたことぐらいだろうか。この文章を書いている時点で、第四話まで視聴した。ファンタジー色の強い世界観とコミカルとシリアスの塩梅がたまらない。とはいえ、脚本が倉田英之ということなので、きっとろくでもない展開が待っていることだろう。ドキドキする。

八月十六日(金曜日)。夜に家族でビアガーデンに行く予定だったので、万が一にも飲み足りないという事態になってはならぬと考え、一人二次会の用意をする。ドン・キホーテでつまみを購入し、スーパーで炭酸水を合わせるだけでモヒートを作ることが出来る神リキュールを仕込み、コンビニでダメ押し的に色々を仕入れる。しかし、結局ビアガーデンで黒牛かというぐらいにビールを飲んだので、全てが不要になってしまう。……翌日には飲み干していたが。こりゃ肝機能が大変なことになるわけだ! 帰宅して『新・美の巨人たち』『脱力タイムズ』『ネタパレ』を見る。かが屋のコントを楽しんでいると、同時間帯に「キングオブコント2019」準決勝進出者が発表。常連たちがバッタバッタと落とされ、新参者が一気にフックアップされ、時代の変化を感じさせられる。時代が動くのか。そういう空気に呑まれているだけなのか。

八月十七日(土曜日)。午前九時起床。最近、気に入っているタオルを作っているコンテックスの直売店「コンテックスタオルガーデン」がある今治市へ。正午ごろに到着。触感とデザインをしっかりと確認しながらタオルを吟味する。どのタオルもふわふわしていて、でも薄くて使いやすく、とても素晴らしい。一時間かけて欲しいタオルを選別し、五千円分ほど購入する。次は誰かと行きたい。他人にオススメしたい。そのままイオンモール今治新都市へ立ち寄るが、これといって気になるものはなし。ただ、ここの雰囲気は、なんだかとっても良いような。そこから新居浜市へ向かい、愛媛県総合科学博物館へ。宇宙服やら恐竜やら、様々な科学的な展示に心が躍る。こういう施設は大人だけでも楽しい。何故か『攻殻機動隊』の映像作品がプラネタリウムで上映されていたので、鑑賞。映像そのものは面白かったのだが、家族連れで来ていた人たちは内容を理解できたのだろうか。心配だ。帰りに天下一品で天津丼(+唐揚げ)のセットを食べる。天下一品は天津丼のセットが鉄板だと思う。ラーメンのしょっぱ味と甘いタレのバランスが絶妙。そのまま『三四郎オールナイトニッポン』を聴きながら帰路につく。以前に聴いたときに比べて、グンバツに面白くなっている。定期的に聴いていこう。午後八時ごろ帰宅。ちょうど『ENGEIグランドスラム』を放送していたが、録画しているのでスルー。東京03爆笑問題だけ見る。太田はどれだけピエール瀧のことが好きなんだ。『オードリーのオールナイトニッポン』を聴きながら就寝。

八月十八日(日曜日)。午前七時半ごろ起床。朝から“お笑い第七世代”について考えるが、特に落としどころもなかったので、テキトーに思ったことをツイートする。どれほどヒマなのか。ヒマだったので二度寝をキメる。起きてからもぐずぐずに過ごす。午後三時、友人宅へ。三時間ほどぐずぐずに過ごす。連休の最後なんてこんなもんだ。夕刻、『モヤモヤさまぁ~ず2』を見る。新人アナの初々しさがたまらないが、柔軟に対応できている部分もあって、今後の展開に期待が高まる。夜、金曜日にしれーっとレンタルしていた『MAIGRET/メグレ』を見る。思春期にMr.ビーンのブームを体感した世代として、ローワン・アトキンスンの老け具合に沁みる。やがて寝る。そんな連休だった。おしまい。