土曜深夜の視聴覚室

Saturday midnight audio-visual room.

「第二十回 東京03単独公演 不自然体 岡山公演」(2018年9月8日)

今年も東京03が岡山に来るというので、観に行く。

東京03の単独公演が全国ツアーを展開するようになって、今年で九年目。当初はまったく観客が入らなかったという話だが、それが今では、地方公演のチケットも即日完売になるほどの人気を博している。ファンとしては嬉しい悲鳴を上げるべきなのだろうが、一方で、そろそろ公演のチケットを獲り逃がしてしまうのではないかと危惧するところでもある。事実、今回の公演のチケットも、なんとか手に入れることが出来た次第だ。そろそろ、ツアーの規模を更に拡大し、より多くの観客の動員を視野に入れるべきではないか……と思うのだが、それが難しいからこそ、映画館でのライブビューイングを敢行しているのだろう。

何はともあれ、今回は無事にチケットを入手することが出来たので、悠々自適に公演の鑑賞に赴くこととなった。更に喜ばしいことに、Twitterで仲良くさせていただいている人たちから、公演日当日に「岡山で集まりませんか」とのお声がかかり、公演終了後に飲み会が催されることにもなった。面白いライブの後に楽しい飲み会。なんと充実した休日だろう。その結果、連絡をいただいてから公演日を迎えるまでの数日間を、私は浮き足立ったまま過ごしたのであった。そんな状態で仕事をしていたにも関わらず、上司からキツいお叱りを受けなかったのは、まさしく奇跡といえるだろう。

そして、公演当日を迎えた。

午前十時起床。長めの睡眠時間を取っている筈なのだが、どうも心に張りがない。台風の接近による悪天候の影響だろうか。そうして、しばらくベッドの上でゴロゴロ寝転んでいるうちに、正午を迎える。このままでは開演時刻に間に合わないので、しぶしぶ出かける準備を始め、午後一時に愛車で家を出る。

午後二時、宇多津駅に到着。岡山行きの列車が出発する時刻が差し迫っていたので、大急ぎで荷物を抱えて車を飛び出し、電車の切符を買って駅のホームに駆け込む。午後二時十分発の快速サンポート南風リレー号に乗り込んで坂出駅快速マリンライナーに乗り換えて、午後三時過ぎに岡山駅へと辿り着く。幸いにも、曇天ではあるものの未だ雨は降っておらず、午後五時の開場時刻まで余裕があったので、しばらく岡山駅周辺をブラブラすることに。気付けば岡山ロフトまで足を伸ばして、来年の“ほぼ日手帳”を購入。サマーブルーのカバーが爽やかで美しい。これさえあれば年中『サマージャム』だ。そこから再び駅方面に舞い戻り、オタクの巣窟・とらのあなで同人誌を買い漁る。自分はお笑い好きである前にオタクなのだなあとしみじみ……。

午後四時半ごろ、イオンモール岡山へ。フードコートで「かばくろ」のどんぶりを食べる。豚のかば焼きの上にべっとりとチーズを乗っけた大胆なビジュアル通りの、こってりとした味に完全にノックアウト。カロリーが脳天を突き抜けた。食後、トイレで体調を整え、イオンモール岡山の中にある舞台施設「おかやま未来ホール」に向かう。ちょうど開場時刻を迎えたところだったので、チケットをもぎってもらい、そのままの勢いでロビーに突入。いつもは長めの行列が出来ている物販コーナーが随分と空いていたので、慌ててパンフレット・公演CD・タオルなどのグッズを購入する。荷物を整えてホール内へ。ほぼほぼ最後尾のほぼほぼ端っこという条件の良くない席だったが、意外と鑑賞に支障はなかった。コントライブにはこのぐらいのサイズ感が丁度良いのかもしれない。

午後五時半、開演。午後七時四十分、閉演。

全てのコントが終わり、エンディングのトークが緩やかに始まる。終演後の和やかな雰囲気の舞台を見つめながら、物販購入者を対象とした握手会に向けて、三人にどんなコメントを送ろうかと考えていると、飯塚が「(物販グッズの)Tシャツのモデルに登場してもらいましょう」などというようなことを言い始める。あ、誰かバックステージに来ていたのかな、などと能天気に構えていると、そこに姿を現したのは、なんと公演Tシャツを着たヒムケンことバナナマン日村勇紀! 一気に湧き上がる会場。止まらない歓声と拍手。あまりにも激しい観客のリアクションに、一度ヒムケンを舞台袖に引っ込め、「東京03の単独公演だぞ!!!」と観客に訴えかける飯塚。「あくまでTシャツのモデルですから!」と言いながら、再度ヒムケンを舞台に呼ぶのだが、今度は腹を出した状態で登場するヒムケン。再び沸き立つ観客。大急ぎでヒムケンの腹を隠す飯塚。なんだこの至福の時間は。

ある程度、観客のテンションが落ち着いたところで、状況の説明に。東京03の本公演を観に行きたかった日村。しかし、仕事の都合上、東京での公演は観に行くことが出来ない。そこで公演スケジュールを確認してみると、岡山公演の日が空いていたので、わざわざ新幹線で東京からやってきたのだという。そして本日、お昼ごろに岡山入りして、後楽園を訪問していたらしい。なんというフットワークの軽さだろう。なんでも、かつてバナナマンが全国ツアーを行っていたとき、まだ大っぴらに活動できる状態ではなかった東京03の飯塚・角田がやってきて、物販を手伝ってくれたというエピソードも。そこに豊本は何故かいなかったらしいが……それもまた氏らしい。その後、第三のバナナマンことオークラも登場し、五人で記念撮影。五人で並んだときに、うっかりセンターに来てしまったことに気付いたヒムケンが、「それは違う、それは違うじゃん! 今日は03の公演だから!」と言って遠慮していたのが、なんとも可愛らしかった。

ライブ終演後、地方公演ではお馴染みの握手会へ。たくさんの観客が並んでいる中、私も並ぶ。ひょっとしたらヒムケンもいるのではないか……と、妙な期待を膨らませてしまったが、流石にそこは三人だけの握手会だった。要するに、いつも通りの握手会なのだが、それでもやっぱり極度に緊張してしまう。あんなにも素晴らしいコントを演じていた三人が、こんなにも近くに居ることを新鮮に驚いてしまう。結果、いつもと同じように、今回も上手く喋ることが出来ないままに、握手会を終えてしまった。それでも、そこに後悔は残らない。残っているのは、彼らと対面できた感動だけである。

握手会の直後、過去に何度か酒の席を共にしている資本主義氏と合流。氏が予約している居酒屋へ移動しようとイオンを出ると、まさかの豪雨。流石に夜までは保たなかったようだ。用意していた折り畳み傘を開き、雨の中を進行する。店の前まで来ると、これまた何度もお世話になっているイシダドウロ氏がお待ちかね。三人で「炭軍司」へ。焼き鳥を主に扱っている居酒屋で、味はそれなりに良かったのだが、注文した料理がなかなか来なかったのが難儀した。そのため、料理はあんまり届かないのに、酒がやたらと空いていく事態に。おかげで話ばかりが盛り上がる。結局、午後十一時過ぎまで三時間近く呑んでいたのだが、話したことは「ネットカフェに寝泊まりできる資本さんはスゴい」ぐらいしか覚えていない。何の話だ。

本来ならば二次会を敢行したいところだったのだが、イシダ氏が翌日に予定を控えていたため、時刻が遅くなる前にそのまま解散。予約していなかったものの、なんとか泊めてもらえるだろうと想定していた駅前のカプセルホテル・ハリウッドへ。しかし、まんまとカプセルが空いていなかったため、お風呂・サウナだけ利用できるフリータイムで入店。休憩所で眠ろうという算段である。利用料を支払い、いざ入店……と思っていた矢先、ロッカールームに冗談じゃない刺青を入れている人がいるのを確認する。一瞬、気持ちが引いたのだが、そういう人も受け入れるタイプの店なのだろうと思い直し、自分が割り当てられたロッカーの前へ移動すると、【こういう方には利用をお断りしてもらっています】という貼り紙を見かけ、そこに【刺青・タトゥーを入れている人】との記載が。そういうところだぞ……と、少し前のりゅうちぇるの一件を思い返す。

大浴場で身体中の垢を落とし、館内着に着替え、いざ休憩室へ。……と、ここで想定外の事態に見舞われる。なんと、休憩室の椅子が、リクライニングではなかったのである。そこに並べられていたのは、一般的な一人用のソファだ。それも、背もたれが直角に近い、全身を預けにくいタイプのソファである。どうしてサウナの休憩室にこのタイプの椅子を用意したのか。これではろくに休めない。一応、仮眠室もあり、そちらはリクライニング仕様になっていたのだが、既に全ての椅子が埋まっている。仕方がないので、カッチカチのソファに強引に身体を押し込んで、午前零時ごろに就寝。

午前七時起床。しかし、寝たり起きたりの繰り返しであまり休めず、結局午前九時ごろまでぐずぐず過ごす。次はきちんとホテルを予約しなくては……。起床直後、適当に荷物をまとめ、即座にチェックアウト。外は相変わらずの雨。時間帯が早すぎて、開けている店も少ない。しばらく岡山駅の地下街をウロウロしたが、体調も芳しくなかったので、とっとと帰ってしまうことに。岡山駅から快速マリンライナー坂出駅、鈍行に乗り換えて宇多津駅へと移動。およそ20時間ぶりに愛車と再会し、あっちこっち寄り道をしながら、午後五時ごろ帰宅。お疲れさまでした。