白昼夢の視聴覚室

この世は仮の宿

「にちようチャップリン」(2018年5月20日)

  • 流れ星【94】

「漫才:友達の作り方」。些細なことでケンカを始め、それでも最後は仲直りするヤンキー同士の友達作りをやってみよう。前回の放送とは打って変わって、今回はかなりちゃんとした漫才ネタで勝負。同じシチュエーションを繰り返すたびに別ベクトルのボケを放つタイプのネタで、安定して面白かった。ただ、起爆力となるべきちゅうえいのギャグパートが、個人的にはイマイチ。もはや目が飛び出るギャグに固執しなくても良いような気もするのだが、なかなか捨てられないか。

「コント:覚えてろよ」。ケンカ最強と呼ばれる森本の元には、その称号を目的とした挑戦者が次々にやってくる。そんな男たちの中に、一人だけ独特なファイトスタイルでやってきて……。『トンツカタン単独ライブ「トンツカタンI ~君の笑顔の為だけに~」』のオーラスで披露されていたコント。不良漫画的なシチュエーションが一転、リア充感満載の日々へと繋がってしまう展開が面白い。また、まったく違うはずのそれらを繋げる要素が「名前を覚えてもらう(存在を認識してもらう)=嬉しい」というのも面白い。まるでスターとファンの関係性のようだ。時間の関係上、途中でオチにしてしまったところは残念。

「漫才:鶴の恩返し」。「鶴の恩返し」をやろうとするも、何故かカレーがやってくる。トリッキーな設定なのに、さらりと受け入れてしまえるのは、里の動じないツッコミのおかげだろうか。カレーのビジュアルが妙にリアルに設計されているところに、笑い飯の『鳥人』を彷彿と。ただ、あれに比べると、ディティールはそこまで凝っていないように思う。もっと凝り出したら、大変なことになりそうだ。布団で横になった瞬間からの言い回しが最高。「全て……終わった!」「鶴! ……遅いぞ!」「鶴の恩返しはこんなんじゃあない!」。いやー、面白かった。

「コント:ゾンビ」。ゾンビ映画のようなシチュエーションで、ちょっとイイ感じになっていた女性と和田まんじゅうのところへ、女性と深い関係にある男性が飛び込んできて……。男女の三角関係の中で、あっという間に余り物となってしまった和田まんじゅうの三枚目としての魅力が光るコント。また、男女の設定が、良いとも悪いとも言えないあたりが絶妙で、だからこそ和田のペーソスがはっきりと浮かび上がってくる。あと、和田と男性とどちらかを選べと女性が迫られるくだりが良かった。「和田くん!」「まさかのオレ?」「ごめんなさい!」「あ、「ごめんなさい」ね……」。

「漫才:人間ドック」。まだ人間ドックに行ったことのない川谷のためにシミュレーション。前回のオンエアでは鉄板ネタである『丁度ええ』を披露していたが、今回はきっちりと漫才コント。それも、ベテランだからこそリアリティが出せる設定で、若手との違いをしっかりと見せつけている。芸歴の差だな。ウェルカムバリウムをフリにしたオチも上手い。ただ、設定が設定なので仕方がないところもあるのだが、やや下ネタが多すぎたような気も。

  • ザ・ギース【86】

「コント:焼肉」。一人焼肉をしようと入ったお店で頼んだスペシャルなコースメニューは、予告付きの臨場感溢れるもので……。出されるメニューごとに予告があるというシステムのコント。設定そのものは確かに面白いのだが、「焼き肉屋」という舞台と「悪化し始める次回予告」というテーマを重ね合わせたときに想定される展開のセオリーにあまりにも沿い過ぎ。そういう意味では、突然の「となりの豚トロ」は良いアクセントだったが、もうちょっとトリッキーな展開があっても良かったような気もする。テレビ向けに整理してきたのだろうか。

じゃんけんの結果、ネルソンズが五月の月間チャンピオンに決定。

【次回の出場者】

阿佐ヶ谷姉妹

インポッシブル

オテンキ

ジャンゴ

ニューヨーク

やさしいズ

わらふぢなるお