土曜深夜の視聴覚室

Saturday midnight audio-visual room.

「にちようチャップリン」(2018年4月22日)

  • インディアンス【90点】

「漫才:きむが元気ない」。相方がコンビを結成したころに比べて元気が無くなってきたという田渕に対し、元気いっぱいの姿を見せようとする木村だったが、何を言ってもやっても反論されてしまう。通常、インディアンスの漫才は木村の話が先行し、田渕がそれにいらぬボケを付け足していくスタイルを取っていたが、今回は木村の言い分に対して田渕がボケやツッコミを打ち返していくスタイルにシフトチェンジ。結果、従来のネタよりも漫才として噛み合っているし、田渕のスタンスも木村を追い詰めるという点では統一されているので違和感がない。新しいインディアンスの扉が開いたような漫才だった。

「コント:サプライズ」。テキトーな理由で家に呼んだ友達に、サプライズパーティを用意している二人。ケーキもプレゼントも用意して、二人の間でしか通じない暗号も考えて、しっかり準備万端で待ち構えていたのだが、そこで思わぬハプニングが……。明らかにチョイスミスな暗号のフリが大き過ぎて、そちらにばかり意識がいっていたところ、その隙を突くかのように繰り出された「緊急事態の合図」「オリジナルのバースデーソング」などの表現力重視のボケにまんまと飲み込まれてしまった。否、むしろ暗号ボケがきちんと機能するように作られているからこそ、伝わるかどうか分からない表現力重視ボケを安心してぶつけられるのだろう。序盤のどうでも良さそうなボケをフリにしたオチも上手い。

  • プラス・マイナス【92点】

「漫才:街づくり」。自分で街を切り開いていくゲームにハマッているという岩橋が、舞台上でお互いに街を作っていって、どちらがより良い街を作ることが出来るか勝負しようと提案する。慣れた手つきで街に必要な施設を建築していく岩橋に対して、我が道を突き進んでいく兼光の奔放さが楽しい。そんな朗らかな気持ちをブチ壊すように始まる「大仏・小仏」についての激論を重ねていくくだりは、これまたあまりの下らなさに笑ってしまった。どうでもいい。心底どうでもいい。それでいて終盤、「おぎゃあ」のくだりにはちょっと感動を覚えてしまった。これほどまでに観客の視点を右へ左へ転がしてくれる漫才も珍しい。面白かった。

  • ペンギンズ【82点】

「アニキ漫才 ~小道具卒業~」。小道具に頼り過ぎだとアニキに注意されたノブオが、泣きながらアニキに小道具を手渡していく。用意してきた小道具のチョイスと所持している小道具の異常な多さが笑いに昇華されているネタ。決して賞レースで勝てるタイプのネタではないが、こういう場だからこそ出来るイレギュラーなネタを用意してきたことに好感を覚えるし、道具のチョイスもきちんと考えられていて(ゴムチキン三連発は笑った)、楽しかった。アニキのオチも見事。

  • 鬼越トマホーク【84点】

「漫才:キャラがほしい」。コンビにキャラが無いと思っている坂井が、様々なキャラクター要素をコンビに付け加えていこうとする。何の説明もなく坂井が「双子設定の漫才」「ハーフ設定の漫才」を始めようとするくだりがたまらなく好き。見た目がアウトローなのに、意外とこういうベーシックなくだりをそつなくこなすコンビである。そこからコントに入るまでのくだりはやや歪な流れになっていたが、それら全てを「コワモテが出来る全ての漫才コントはサンドウィッチマンがやってるよ」の一言で集結させてしまったのは凄かった。妙に内容に熱が篭っているのは、幾らか本音も反映しているからなのだろうか。そして終盤、まさかの展開で一気に畳み掛ける。売れない芸人ならではの悲哀をテーマにしているのに、それをまったく感じさせない安定感。良かったな。

  • しずる【80点】

「コント:高橋英樹」。二人が入った喫茶店に偶然にも高橋英樹が。でも、当人か他人の空似か分からない。そこで池田が確認に行くことに……。既に高橋英樹ではないと分かっているにも関わらず、村上に促されて何度も何度も確認に行かされる池田の不条理な境遇がたまらない。ただ、池田は池田で、不満を口にしながらもまるで積極的に確認しに向かっているように立ち振る舞っているため、不快感のようなものは覚えない。このバランス感が良い。ただ、ややブラック色の強いオチは、しずるの得意な手法をそのままお手軽に持ち込んだだけのように見えて、なんだか勿体無い。

1位のジェラードンが四月の月間チャンピオンに決定。

【次回(4月29日)の出場者】

アイデンティティ

アキラ100%

笑撃戦隊

天狗

トンツカタン

はなしょー